りそなホールディングス

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株式会社りそなホールディングス
Resona Holdings, Inc.
りそなホールディングス東京本社、りそな銀行東京本部の所在する深川ギャザリア
種類 株式会社
機関設計 指名委員会等設置会社[1]
市場情報
東証プライム 8308
2001年12月11日上場
略称 りそなHD
本社所在地 日本の旗 日本
大阪本社 541-0051
大阪府大阪市中央区備後町2丁目2番1号
東京本社 135-8581
東京都江東区木場一丁目5番65号
深川ギャザリア W2棟)
本店所在地 135-8581
東京都江東区木場1丁目5番65号
設立 2001年平成13年)12月12日
(株式会社大和銀ホールディングス)
業種 銀行業
法人番号 5010601039654 ウィキデータを編集
事業内容 銀行等子会社の経営管理
代表者 南昌宏取締役代表執行役社長兼グループCEO)
資本金 505億52百万円
(2023年3月31日現在)
発行済株式総数 23億7,766万5,966株
(2023年3月31日現在)
売上高 連結:8,679億74百万円
(2023年3月期)
営業利益 連結:1,957億43百万円
(2023年3月期)[注釈 1]
経常利益 連結:2,276億90百万円
(2023年3月期)
純利益 連結:1,604億00百万円
(2023年3月期)
純資産 連結:2兆5,340億52百万円
(2023年3月31日現在)
総資産 連結:74兆8,127億10百万円
(2023年3月31日現在)
従業員数 連結:17,711人
決算期 3月31日
会計監査人 有限責任監査法人トーマツ[2]
外部リンク www.resona-gr.co.jp ウィキデータを編集
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株式会社りそなホールディングス: Resona Holdings, Inc.)は、りそな銀行埼玉りそな銀行等を傘下に置く金融持株会社金融グループの名称はりそなグループ日経平均株価およびTOPIX Large70の構成銘柄の一つ[3][4]

概説[編集]

2001年12月に株式会社大和銀行、株式会社近畿大阪銀行、株式会社奈良銀行の共同金融持株会社である株式会社大和銀ホールディングス(だいわぎんホールディングス)として設立された[5]。2002年3月には株式会社あさひ銀行も経営統合し[6]、4月からはグループ名をりそなグループとした。また同年10月には、商号を株式会社大和銀ホールディングスから現在の株式会社りそなホールディングスへと変更した。2003年3月にみずほフィナンシャルグループと同様、持株会社傘下の大和銀行とあさひ銀行の合併と分割を実施の上、りそな銀行埼玉りそな銀行を発足した。

その後、2003年3月期決算をめぐり、前身行からの不良債権処理の高止まりから繰延税金資産の組み入れ期間を巡り朝日監査法人新日本監査法人間で意見が対立し、朝日監査法人が脱退した。新日本監査法人は当初5年分としていたが直近3年分しか認めない意見表明を5月17日に行った事に伴い、りそな銀行は過小資本となり自己資本比率が国内業務行の下限である4%を割り込む水準と見込まれた。このため同日、同行単体で預金保険法102条に基づく1号措置(当時の予防的注入)を内閣に申請し、金融危機対応会議議長の小泉純一郎内閣総理大臣によって認定された。同年6月に同行は預金保険機構(金融危機特別勘定枠)を引受先とする1兆9600億円分の優先株式・普通株式の発行を行い、実質国有化された。この資本注入は持株会社ではなく、その子会社であるりそな銀行に対して行われたため、埼玉りそな銀行・近畿大阪銀行・奈良銀行については適用範囲外であったが、同年8月にりそな銀行親会社であるりそなホールディングスとの間で株式交換が行われ、ホールディングス傘下の銀行も事実上国有化された。

公的資金注入後は、全社員の給与3割カットや採用の抑制などのリストラに努めたことや、個人および中小企業取引に対し経営資源を集中させた方針が奏功し、一定の収益の確保に成功した。その後は、内部留保を積み増した上で段階的に預金保険機構保有株の償却を図り、公的資金の早期の返済に目処をつけ、2015年6月に完済した[7][8][9]。公的資金完済を受け成長投資を積極化している。また、新グループブランドスローガンとして「想いをつなぐ、未来を形に。」を制定した[10]。さらに、15年10月から原則として時間外勤務をしない正社員と業務範囲を限定した正社員からなる人事制度として「スマート社員」と呼ばれる職種を導入した[11][12]

沿革[編集]

  • 2001年平成13年)12月12日 - 株式会社大和銀行(現在の株式会社りそな銀行。以下同じ)、株式会社近畿大阪銀行(現在の株式会社関西みらい銀行。以下同じ)及び株式会社奈良銀行(2006年1月1日に株式会社りそな銀行へ合併し解散)が株式移転し、株式会社大和銀ホールディングスとして設立。
  • 2002年(平成14年)
    • 2月25日 - 大和銀信託銀行株式会社(後のりそな信託銀行株式会社。以下同じ)の全株式を株式会社大和銀行から取得し、同社を完全子会社とする。
    • 3月1日 - 株式会社あさひ銀行(現在の株式会社りそな銀行。以下同じ)と株式交換し、同行を完全子会社とする。
    • 3月20日 - 大和銀信託銀行株式会社の株式の一部を譲渡し、同社が完全子会社でなくなる(この外、年度内に再度株式譲渡し、現在の持株比率80%弱)。
    • 6月18日 - あさひ信託銀行株式会社(同年10月1日付で株式会社大和銀行へ合併し解散)の全株式を株式会社あさひ銀行から取得し、同社を完全子会社とする。
    • 8月27日 - 株式会社埼玉りそな銀行を完全子会社として設立。
    • 10月1日 - 株式会社りそなホールディングスと商号変更。
  • 2003年(平成15年)
    • 7月1日 - 預金保険機構が株式会社りそな銀行の新株を引き受け、同行が完全子会社でなくなる。
    • 8月7日 - 株式会社りそな銀行と株式交換し、同行を再び完全子会社とする。この結果、預金保険機構が議決権の過半を有する筆頭株主となる。
  • 2010年(平成22年)
  • 2013年(平成25年)7月1日 - 新たなコミュニケーションブランドを制定し、ネコをモチーフにしたマスコットりそにゃ」を導入[13]
  • 2015年(平成27年)
  • 2016年(平成28年)5月16日 - 近畿大阪銀行の本店営業部を大阪市中央区南本町に移転(同地に所在する同社船場支店は先だって廃店)。
  • 2017年(平成29年)
  • 2018年(平成30年)
    • 3月15日 - 第一生命保険が引き受けていた第5種優先株式の取得及び消却を実施[15]。同優先株式は2015年6月に公的資金を完済するために発行したもので、当該優先株式の消却により、りそなホールディングスが発行する優先株式はすべて消却され、最大3兆4337億円(利息等も含めた時価ベース)にのぼった公的資金を名実ともに完済した[15]
    • 3月28日 - 持分法適用会社である日本トラスティ・サービス信託銀行資産管理サービス信託銀行と経営統合することに合意したことを公表[16]。なお、これによるりそなホールディングスの連結業績に与える影響が軽微であることも開示されている[17]
    • 4月1日 - 子会社のKMFGの経営統合が完了する[18][19][20]。また、同日付で同社は東京証券取引所へ上場した[18][19][20]
  • 2021年令和3年)4月1日 - KMFGを完全子会社化。
  • 2024年 (令和6年) 4月1日 - KMFGを合併して、傘下2行を完全子会社化[21]

歴代社長[編集]

代数 氏名 在任期間 出身校 出身行
初代 勝田泰久 2001年12月 - 2003年5月 早稲田大学第一法学部 大和銀行
第2代 川田憲治 2003年5月 - 2006年6月 早稲田大学商学部 埼玉銀行
第3代 水田廣行 2006年6月 - 2007年6月 東京大学文学部 協和銀行
第4代 檜垣誠司 2007年6月 - 2013年4月 早稲田大学政治経済学部 大和銀行
第5代 東和浩 2013年4月 - 2020年4月 上智大学経済学部 埼玉銀行
第6代 南昌宏 2020年4月 - 現職 関西学院大学商学部 埼玉銀行

会社の現況(2021年3月31日現在)[編集]

株式の状況
  • 発行可能普通株式総数 - 6,000,000千株
  • 発行可能優先株 - 20,000千株
    • うち第一回第7種優先株 - 10,000千株
    • うち第二回第7種優先株 - 10,000千株
    • うち第三回第7種優先株 - 10,000千株
    • うち第四回第7種優先株 - 10,000千株
    • うち第一回第8種優先株 - 10,000千株
    • うち第二回第8種優先株 - 10,000千株
    • うち第三回第8種優先株 - 10,000千株
    • うち第四回第8種優先株 - 10,000千株
      • 第一回ないし第四回第7種及び第8種優先株の発行可能株式総数は併せて、10,000千株を超えないものとする
  • 発行済株式総数 - 2,302,829千株
    • 株数は、千株未満を切り捨てて表示
  • 株主数 - 278,877(うち、単元未満株 - 33,787名)
大株主(上位10名)
株主名 持株数(千株) 持株比率(%)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
162,188
7.04
株式会社日本カストディ銀行(信託口)
119,943
5.21
第一生命保険株式会社
106,241
4.61
日本生命保険相互会社
65,488
2.84
株式会社日本カストディ銀行(信託口7)
49,270
2.14
AMUNDI GROUP
45,133
1.96
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001
43,076
1.87
THE BANK OF NY MELLON 140044
38,380
1.66
JPモルガン証券株式会社
34,560
1.50
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001
33,291
1.44
  • 自己株式(997千株)は、上記大株主から除外している。自己株数には、従業員持株会支援信託ESOPが保有する1,050千株及び役員向け株式給付信託が保有する株式3,789が含まれていない
  • 持株比率は、自己株式数を控除して計算している
  • 上記株数のうち、株式会社日本カストディ銀行については、株式会社りそな銀行から340千株(16.66%)を所有している
重要な親会社及び子会社等の状況
  • 親会社の状況
    • 該当なし
子会社等の状況
株主名 所在地 業務内容 資本金(百万円) 議決権比率(%)
株式会社りそな銀行 大阪市中央区 信託及び銀行業務 279,928 100.00
株式会社埼玉りそな銀行 さいたま市浦和区 銀行業務 70,000 100.00
株式会社関西みらい銀行 大阪市中央区 銀行業務 38,971 100.00
みなと銀行 神戸市中央区 銀行業務 39,984 100.00
りそな保証株式会社 さいたま市浦和区 信用保証業務 14,000 100.00
りそな決済サービス株式会社 東京都江東区 ファクタリング業務 1,000 100.00
りそなカード株式会社 東京都江東区 クレジットカード及び
信用保証業務
1,000 77.58
りそなキャピタル株式会社 東京都江東区 ペンチャーキャピタル業務 5,049 100.00
りそなアセットマネジメント株式会社 東京都江東区 投資運用・投資助言及び代理業務 1,000 100.00
りそな総合研究所株式会社 大阪市中央区 コンサル業務 100 100.00
りそなビジネスサービス株式会社 東京都江東区 事務等受託及び有料職業紹介業務 60 100.00
りそな企業投資株式会社 東京都江東区 投資事業組合財産の管理運営 100 100.00
りそなプルダニア銀行 インドネシア 銀行業務 4,050インドネシアルピア
(3,118百万円)
48.43(48.43)
りそなマーチャントバンクアジア シンガポール ファイナンス及びM&A業務 194,845千シンガポールドル
(16,016百万円)
100.00(100.00)
株式会社日本カストディ銀行 東京都中央区 有価証券管理業務資産管理に係る信託業務
及び銀行業務
51,000 16.66(16.66)
首都圏リース株式会社 東京都千代田区 総合リース業 3,300 20.25
ディー・エフ・エル・リース株式会社 大阪市中央区 総合リース業 3,700 20.00
NTTデータ・ソフィア株式会社 東京都目黒区 情報処理サービス業務 80 15.00
りそなデジタルアイ株式会社 大阪府豊中市 情報処理サービス業務 100 49.00
  • 議決権比率の()内の数字は、間接所有割合を示している。
  • りそな企業投資株式会社は、2021年1月29日に設立
  • 株式会社関西みらいFG(KMFG)は、2021年4月1日に当社を株式交換完全親会社、KMFGを株式交換完全子会社とする株式交換により、りそなHDの100%子会社となったが、2024年の同日付けでKMFGを吸収合併した。
企業集団の使用人数の状況
事業部門 使用人数(名)
銀行及び信託業務 19,587
その他 721
  • 使用人数には、就業者数を記載、海外の現地採用者を含み、臨時及び嘱託雇員は含まれていない
企業単体の使用人の状況
使用人数 平均年齢 平均勤続年数 平均給与月額
1,153 45年6ヶ月 16年11ヶ月 519千円
  • 使用人は、全員、りそな・埼玉りそな・関西みらい他12社からの出向者である
  • 使用人数・平均年齢・平均勤続年数・平均給与月額には、上記3行以外の会社からの出向者は含まれていない
  • 平均勤続年数には、上記3行からの出向者の各社での勤続年数を通算している
  • 平均給与月額は、3月中の残業代を含む平均給与月額で賞与は含まれていない
主要な借入先の状況
借入先 借入金残高(百万円)
株式会社りそな銀行 959
企業集団の設備投資の状況
  • 設備投資の総額
事業部門 設備投資総額(百万円)
銀行及び信託 37,454
その他 534
  • 重要な設備の新設
事業部門 内容 金額(百万円)
銀行 ソフトウェア等の導入・更改 19,018
銀行 本部施設等の更新・改修(りそな銀行システムセンター他) 2,582
銀行 店舗の新築等(関西みらい銀行放出支店他) 1,080
銀行 店舗・本部施設等の売却(関西みらい銀行旧四条大宮プラザ他)
  • 記載金額は、単位未満を切り捨てて表示

ブランディング[編集]



グリーン オレンジ[22]
りそなグループのロゴ

「りそな」の商標は、ラテン語の「Resona(=共鳴せよ、響きわたれ:動詞 Resono二人称単数命令法現在形)」から取られており[23]、「お客さまの声に耳を傾け、共鳴し、響き合いながら、お客さまとの間に揺るぎない絆を築いていこう」という意図が込められている[22][注釈 2]

シンボルマークは、2つのRをモチーフとしており、「りそな(Resona)」と「地域(Regional)」が共鳴し合う様子を表現し、全体を囲む正円は「安心感」「信頼感」を表現している[22]

また、コーポレートカラーはグリーンとオレンジで、グリーンは「やさしさ」「透明」などを、オレンジは「親しみやすさ」「暖かさ」などを表している[22]

地銀再編とりそなグループ[編集]

2000年ごろ、小泉政権下において、道州制導入が検討されていたことにあわせて、各都道府県に存在する地方銀行を合併させ広域地銀を作るという議論が銀行業界で行われていた[24]。そのような中で、旧大和銀行が、近畿大阪銀行の前身にあたる旧近畿銀行と旧大阪銀行の統合と、及び大和銀行グループの完全子会社化やなみはや銀行の営業譲受を受け、関西金融界の安定のための努力を目的とした大阪府下におけるリテール業務の推進とスーパーリージョナルバンク[注釈 3]構想の実現に向けた経営がなされていた[25]。この構想は大和銀行グループの後身であるりそなホールディングスにも引き継がれ「スーパーリージョナルバンクの創造」と称して、「地域金融機関の連合体」という新しいビジネスモデルを確立することを企図するまでに至った[26]。その一環として、例えば2003年には、「スーパー・リージョナル・バンクの創造を通じて、皆さまに「りそな」ならではの価値を伝えていきたいと考えています。」とするトップメッセージを当時取締役社長であった勝田泰久名義で公表している[26]。その中では、まず埼玉県でのスーパーリージョナルバンク設立を目的に埼玉りそな銀行を設立の準備がなされていることが明記されているほか、近畿大阪銀行や奈良銀行とりそな銀行の関西地区の店舗を再編し大阪りそな銀行、奈良りそな銀行を設立する予定であることが謳われていた[26]。更に、現在グループ傘下ではない地域金融機関も積極的に傘下に収めていくことで、スーパーリージョナルバンクの創造が完成するとされた[26]。その後、りそなショックの影響でりそなグループに他行と経営統合する余力がなくなった事、及びそもそも道州制導入の議論が立ち消えになったため、スーパーリージョナルバンク構想自体が一度は立ち消えになったため、しばらくは議論さえなされなくなった[24][27] どころか、傘下の近畿大阪銀行を他の地方銀行へ売却する交渉を複数回にわたり複数行に対して行うなど、業務効率化を中心とする緊縮路線にシフトした[27]

しかし、2014年に、安倍政権において策定された成長戦略に、「日本版スーパーリージョナルバンク」構想の実現が盛り込まれ、また、当社グループも公的資金完済への道筋が見えてきたことから再度スーパーリージョナルバンク路線へ軌道修正をする[24][27]。なお、この構想を持ち込んだのは自民党の金融族議員であるが、それ以前から金融庁では地銀再編が模索されてきており、この構想の中核に位置付けられているのが、りそなホールディングスであるとする報道がある[24]

2015年には栃木県に本店を置く足利銀行の親法人に当たる足利ホールディングスに対して、経営統合を非公式に打診した[27]。打診した理由としては、りそなホールディングス傘下の埼玉りそな銀行と足利銀行の営業エリアが隣接していることから統合による効果が大きく期待できたことによる[27]。しかし、結局打診先の足利ホールディングスが常陽銀行と経営統合し、めぶきフィナンシャルグループとなることを選んだため、経営統合には至らなかった[27]

関西みらいフィナンシャルグループの創設[編集]

そのような中、2017年2月20日中間持株会社にぶら下がる形で、完全子会社の近畿大阪銀行及び三井住友フィナンシャルグループ関西アーバン銀行みなと銀行の3行を統合することを検討していると報道がなされた[注釈 4][28][29][30][31]。さらに2017年2月25日、日本経済新聞において、「三井住友フィナンシャルグループとりそなホールディングスは系列の関西の地銀3行を来春に経営統合することで大筋合意した。」とする記事が掲載された[31]

関西みらいフィナンシャルグループの出資構成(2018年4月時点)

2017年3月3日、りそなホールディングス、三井住友フィナンシャルグループ、近畿大阪銀行、関西アーバン銀行及びみなと銀行は、近畿大阪銀行、関西アーバン銀行及びみなと銀行の経営統合に関し基本合意に至ったことを発表した[32]。りそなホールディングスの完全子会社である近畿大阪銀行と、関西アーバン銀行及びみなと銀行の三井住友フィナンシャルグループ傘下の2行がぶら下がる形で新たな金融持株会社をつくる[32]。金融持株会社は、りそなホールディングスの連結子会社となり、三井住友フィナンシャルグループの持分法適用会社となる[32]。なお統合後は、総資産が単純合算で11兆5000億円とコンコルディア・フィナンシャルグループ(19兆円)やふくおかフィナンシャルグループ(18兆円)などにつぐ、国内トップクラスの地銀となり、京都銀行を抜き関西地方最大手の地銀となる[33][34]

関西みらいフィナンシャルグループの出資構成(2019年4月時点)

2017年9月26日、この統合計画についてりそなホールディングス、三井住友フィナンシャルグループ、近畿大阪銀行、関西アーバン銀行及びみなと銀行の間で最終合意に至ったこと及び持株会社の社名を関西みらいフィナンシャルグループ(KMFG)とすることが公表された[35][36][37]。KMFGは、東京証券取引所上場している関西アーバン銀行及びみなと銀行と株式交換を行い、両行の既存株主にKMFGの株式を割り当てるとともに、東京証券取引所に上場する予定[38]。2017年11月14日、KMFGを設立し[39]、今後段階を踏んで経営統合、システム統合並びに近畿大阪銀行及び関西アーバン銀行の会社合併を行うことが公表されている[35][40][41]。2018年2月20日、株式公開買付けにより、それぞれ議決権所有割合ベースでみなと銀行の株式を15.08%[42]、関西アーバン銀行の株式を15.07%取得した[43]。同日、関西アーバン銀行の第一種優先株式全ても、三井住友銀行から取得している[44]

なお、2021年4月1日、親子上場の解消と経営体制の強化を目的に完全子会社としている[45][46]

2024年4月1日、グループに於ける連結運営の更なる強化を目的にKMFGを吸収合併し、傘下2行を完全子会社化した[21]

関連会社[編集]

連結子会社[編集]

りそな銀行神戸支店旧店舗(2016年1月に現在地に移転するまで、使用していた)
埼玉りそな銀行浦和中央支店

持分法適用関連会社[編集]

海外拠点[編集]

海外提携銀行[編集]

親密企業[編集]

主なメインバンク企業[編集]

関連人物[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 業務純益としての公表。
  2. ^ かつて日産ディーゼル(現・UDトラックス)が製造・販売していた大型トラックである「レゾナ」の綴りも「RESONA」であるが、こちらは英語の「Resonance」から取られている(Resonance の語源もラテン語の Resono であり「共鳴する、響きわたる」を意味する)。
  3. ^ スーパーリージョナルバンクは、もともと、米国で始まった制度である[24]。米国の銀行制度においては、他国と比べ厳格な州際規制が設けられており、各州ごとに制定された法律で営業している地方銀行による、他州への進出は禁止されていた[24]。そこで、収益力のある有力地方銀行は、他州で元々営業をしていた地方銀行を買収することで、規制の壁を突き破って他州へ進出をするという方法を取るようになる[24]。このような買収による拡大が進んだ結果、大型化した地方銀行のことをスーパーリージョナルバンクと呼ぶ[24]
  4. ^ これについてロイター通信は、大手銀行傘下の地方銀行が系列の垣根を超えて統合することは珍しいとコメントしている[28]。また、日本経済新聞の報道によると、今般の統合は、2016年からの日銀マイナス金利政策で金利の引下げ競争がより激しくなり、地銀の収益環境が悪化しているものの、顧客に選ばれる商品やサービスを提供し続けるためには収益力や預金量などの課題克服が必要であることから、規模を拡大して関西市場を共同で開拓していく必要が生じたためになされるものであると同時に、三井住友フィナンシャルグループ側には、国際金融規制の強化の流れの中で、グループ全体の資産規模の圧縮に向け傘下の地銀を連結対象から切り捨てる必要があるという背景がある[29]

出典[編集]

  1. ^ 組織図 - りそなホールディングス 2021年4月1日
  2. ^ 四半期報告書 2021年2月3日閲覧
  3. ^ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2021年10月8日閲覧。
  4. ^ 「TOPIXニューインデックスシリーズ」の定期選定結果及び構成銘柄一覧 (PDF) jpx.co.jp 2020年10月7日公表 2021年10月8日閲覧。
  5. ^ 「株式会社大和銀ホールディングス」の設立について (PDF)
  6. ^ 株式会社大和銀ホールディングスと株式会社あさひ銀行の経営統合について (PDF)
  7. ^ 公的資金の完済について(pdf)りそなホールディングス 2015年6月25日
  8. ^ “りそなが公的資金完済 実質国有化から12年で”. 共同通信. (2015年6月25日). https://web.archive.org/web/20150628001922/http://www.47news.jp/CN/201506/CN2015062501001048.html 2015年7月19日閲覧。 
  9. ^ “りそな社長「歴史忘れず取り組む」 公的資金完済を発表”. 日本経済新聞. (2015年6月26日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASGC25H1H_V20C15A6EE8000/ 2015年7月21日閲覧。 
  10. ^ 新グループブランドスローガンの制定について』(プレスリリース)株式会社りそなホールディングス、2015年6月19日http://www.resona-gr.co.jp/holdings/news/newsrelease/pdf/20150619_1a.pdf2015年7月21日閲覧 
  11. ^ 「りそな、残業なし正社員を導入 大手行で初」『日本経済新聞電子版』 2015年6月22日
  12. ^ “りそな、残業なしの新職種 育児や介護と仕事両立”. 共同通信. (2015年6月22日). http://www.47news.jp/CN/201506/CN2015062201002049.html 2015年7月21日閲覧。 
  13. ^ 新たなコミュニケーションブランドの展開について(りそなグループ ニュースリリース 2013年6月21日)
  14. ^ 株式会社りそなホールディングスによるKMFGに対する株式会社近畿大阪銀行株式譲渡に関するお知らせ(りそなホールディングス・関西みらいフィナンシャルグループ 2017年11月28日公表)2018年2月21日確認
  15. ^ a b 『りそなHD、公的資金を名実ともに完済、優先株を取得・消却』(日本経済新聞 平成30年3月1日号朝刊7頁)
  16. ^ 『資産管理銀の持ち株会社名「JTCホールディングス」に、みずほFGなど』(日本経済新聞 平成30年3月27日朝刊7頁)
  17. ^ 資産管理専門信託銀行の統合(共同株式移転)に関する経営統合契約書の締結について(当社プレスリリース)2018年3月28日開示 開示日に閲覧
  18. ^ a b 株式会社関西みらいフィナンシャルグループの東京証券取引所市場第一部への上場及び株式会社関西アーバン銀行、株式会社近畿大阪銀行、株式会社みなと銀行の経営統合完了のお知らせ(当社・関西みらいフィナンシャルグループプレスリリース)2018年4月1日開示 開示日に閲覧
  19. ^ a b 関西の3地方銀行が経営統合讀賣テレビ 2018年4月1日19:06配信)配信日に確認
  20. ^ a b 「関西みらいフィナンシャルグループ」誕生MBSニュース 2018年4月1日18:00配信)配信日に確認
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  42. ^ 株式会社りそなホールディングスによる当社普通株式に対する公開買付けの結果並びに(開示事項の経過)親会社、その他の関係会社及び主要株主の異動に関するお知らせ(みなと銀行 2018年2月15日公表)2018年2月21日確認
  43. ^ 株式会社りそなホールディングスによる当行普通株式に対する公開買付けの結果、並びに、(開示事項の経過)親会社、その他の関係会社及び主要株主の異動に関するお知らせ(関西アーバン銀行 2018年2月15日公表)2018年2月21日確認
  44. ^ 株式会社関西アーバン銀行の第一種優先株式取得のお知らせ(りそなホールディングス 2018年2月20日公表)2018年2月21日確認
  45. ^ りそなグループ経営態勢の強化に向けて~関西みらいフィナンシャルグループ完全子会社化~(りそなホールディングス 2020年11月10日公表)
  46. ^ 株式会社りそなホールディングスによる株式会社関西みらいフィナンシャルグループの 完全子会社化に向けた株式交換契約の締結(簡易株式交換)等に関するお知らせ(りそなホールディングス 同日公表)
  47. ^ りそなHD、投資信託運用会社「りそなアセットマネジメント」が業務開始

関連項目[編集]

外部リンク[編集]