大乗起信論

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大乗起信論(だいじょうきしんろん)は、大乗仏教の教義を要約した論書。著者はアシュバゴーシャ(馬鳴)と推定されるが定かでなく、中国撰述説もある[1]

概要[編集]

因縁分第一、立義分第二、解釈分第三、修行信心分第四、勧修利益分第五からなり、如来蔵思想に基づいて阿賴耶識や真如随縁説を説く。 立義分において「摩訶衍(大乗)とは衆生心のことである」と定義づけて唯心論を展開する点が特徴的[2]

翻訳[編集]

550年頃(554年説もあり)に真諦によって翻訳された漢訳1巻と、実叉難陀による漢訳2巻がある。

注釈書[編集]

注釈書は数多くあり、中でも慧遠浄影寺)による『大乗起信論疏』2巻(浄影疏)と、元暁による『大乗起信論疏』2巻(海東疏)と、法蔵による『大乗起信論義記』3巻は、特に起信の三疏と言われている。

その他には、『大乗起信論義記』を修正した宗密による『大乗起信論疏』4巻(注疏)や、智旭による『大乗起信論裂網疏』6巻、子エイによる『起信論疏筆削記』などがある。

刊本[編集]

  • 『大正新脩大蔵経』32論集部
  • 『国訳一切経』印度撰述部5
  • 『昭和新纂国訳大蔵経』論律部9

関係文献[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ 井筒俊彦 『意識の形而上学』 中公文庫、2001年、P.11。
  2. ^ 井筒俊彦 『意識の形而上学』 中公文庫、2001年、P.55。
  • 望月信亨『大乗起信論講述』(金尾文淵堂、1922年)
  • 望月信亨『講述大乗起信論』 (冨山房百科文庫、1938年)、上記の改訂版
  • 衛藤即応『大乗起信論講義』(大蔵経講座12、東方書院、1932年)
  • 宇井伯寿『大乗起信論』(岩波文庫、1936年)
  • 宇井伯寿・高崎直道『大乗起信論』(岩波文庫、1994年)
     上記を補筆・改訂し、現代語訳と解説を加えた
  • 高崎直道『「大乗起信論」を読む』(岩波セミナーブックス:岩波書店、1991年)
  • 『高崎直道著作集第8巻 大乗起信論・楞伽経』 (春秋社、2009年)
     第1部が上記の改訂版で、第2部が「大乗起信論」研究。
  • 平川彰『佛典講座22 大乗起信論』(大蔵出版、1973年.新装版2004年)
  • 柏木弘雄『大乗起信論の研究』(春秋社、1981年、新版1991年)、大著
  • 柏木弘雄『大乗とは何か 「大乗起信論」を読む』(春秋社、1981年)、現代語訳と詳細な解説。
  • 池田魯参『現代語訳大乗起信論』(大蔵出版、1998年)
  • 古賀英彦『訳注大乗起信論』(思文閣出版、2003年)

関連項目[編集]