夜叉ヶ池

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夜叉ヶ池(やしゃがいけ)は、岐阜県福井県の県境付近にある。1986年に「岐阜県の名水50選」に選定されている。

ウオッちず Google Map 夜叉ヶ池の位置

夜叉ヶ池
夜叉ヶ池と三周ヶ岳
池の畔にある奥宮夜叉龍神社

目次

[編集] 概要

岐阜県揖斐郡揖斐川町福井県南条郡南越前町との境の、標高1,099 mの山頂付近に位置する(三国岳系統の山)。周囲は原生林におおわれている。数十万年前に起きた地滑りによってできた窪地に雨水や周辺の山からの伏流水が溜まり、池になったと考えられている。

池からの河川の出口がなく、伏流水となって周辺に湧き出でるため、九頭竜川の支流の一つ、日野川(福井県)の水源地といわれている。昔より、雨乞いが行われていた池であり、畔には奥宮夜叉龍神社がある。

  • 周囲:230 m
  • 最深部:7.8 m

[編集] 動植物

[編集] 夜叉ヶ池の伝説

817年弘仁8年)、この年の美濃国平野庄(現岐阜県安八郡神戸町)は大かんばつに見舞われ、あらゆる作物は枯れる寸前であった。ある日、郡司の安八太夫安次は、草むらの中に小さな蛇を見つけ、ため息まじりで、「もしそなたが雨を降らせるのなら、私の大切な娘を与えよう。」と語った。

するとその夜、安次の夢枕に昼間の小蛇が現れ、「私は揖斐川上流に住む龍神だ。その願いをかなえよう。」と語った。すると、たちまちのうちに雨雲がかかって大雨が降り、作物は生き返り村は救われた。

翌日、約束どおり娘をもらう為、小蛇( = 龍神)は若者の姿に変えて安次の前に現れた。安次には3人の娘がいたのだが、安次が娘たちに事情を話すと、一番心がやさしい次女(三女の説もある)が、「村人を救っていただいたからには、喜んでいきます。」と答えた。驚いた安次は、「何か必要な物はないのか。」と問うと、娘は、「今、織りかけの麻布がありますから、これを嫁入り道具にいたします。」と答えた。

こうして娘は龍神の元へ嫁ぐことになり、麻布で身をまとい、若者( = 龍神)と共に揖斐川の上流へ向かっていった。

数日後、心配した安次は、娘に会う為に揖斐川上流へ向かった。やがて、揖斐川上流のさらに山奥の池に龍神が住むという話を聞き、その池にたどり着いた。安次は池に向かい、「我が娘よ、今一度父に姿を見せておくれ。」と叫んだ。すると、静かだった池の水面が波立ち、巨大な龍が現れた。龍は、「父上、これがあなたの娘の姿です。もうこの姿になったには人の前に現れる事はできません。」と告げ、池の中に消えていった。

安次は龍となった娘を祀る為に、池のほとりと自宅に、龍神を祀る祠を建てた。

この娘の名を“夜叉”といい、池の名を娘の名より“夜叉ヶ池”と名づけたという(娘の名は不明で、後から池の名から“夜叉”とおくられたとの説もある)。

安八太夫安次の子孫は現在も岐阜県安八郡神戸町に健在であり、今は石原姓を名乗っている。岐阜県安八郡神戸町大字安次にある自宅には、安八太夫安次と夜叉を祭る夜叉堂がある。夜叉堂参拝する際、個人宅の為、事前に連絡し予約が必要である。

また、夜叉姫は、夜叉龍神社にて夜叉龍神という名で祀られている。

[編集] もう一つの伝説

福井県にも良く似た伝説がある。こちらの伝説では、越前国南条郡池ノ上の弥兵次という豪農が主人公である。内容は岐阜県側に伝わる伝説とほぼ同じである。

[編集] 地理

[編集] 交通アクセス

岐阜県揖斐郡揖斐川町にある、夜叉ヶ池登山口駐車場から、約3km(徒歩約90分)。ハイキングコースだが険しい箇所もあり、ある程度の準備は必要。

[編集] 周辺の山

[編集] その他

  • 夜叉ヶ池の位置は、昔より美濃国(岐阜県)と越前国(福井県)のどちらが所有するかで争いが発生している。1875年(明治8年)、両県の立会いのもと検分が行われ、夜叉ヶ池の住所は坂内村大字川上字池之又986番地とされ、岐阜県に属することとなり、1880年(明治13年)には公式の地図もそうなった。しかし、1909年(明治42年)に陸地測量部日本陸軍の地図作成部署)がこの地域を測量し、その結果を1913年(大正2年)に公式の地図に記載したさいは、両県の県境は分水嶺の稜線を引いたため、夜叉ヶ池は福井県側に属すこととなる。
  • 現在国土地理院の地図では福井県南条郡南越前町になっているが、岐阜県側は明治8年の検分結果を主張し、福井県側は明治42年の測量結果を主張している。

[編集] 泉鏡花の戯曲

夜叉ヶ池伝説は古くから伝わっており、題材とした泉鏡花の戯曲『夜叉ヶ池』(岩波文庫ほか)もある。これを原作として、1979年に映画(坂東玉三郎主演、篠田正浩監督、冨田勲音楽)も製作されたが、テレビでは1回放送されただけで、それ以降一部の権利者がソフト化を拒否する等、権利関係の調整が難航しているため、DVD発売等の二次利用の見通しは立っていない。パブリックドメインとなる2050年(公開後70年)まではソフト化、ネット配信は絶望的であり、それまでに原板やプリントが廃棄されれば永久に日の目を見ないことになる(封印作品)。

[編集] 舞台上演記録

東京グローブ座:2003年3月16日(日) - 4月6日(日)

キャスト
スタッフ

[編集] 参考文献

  • 美濃と飛騨のむかし話(岐阜県小中学校長会 1970年)
  • 絵物語 坂内伝説・夜叉ヶ池(坂内村教育委員会 桑原隆一作画 1997年)
  • 『改訂新版 岐阜県の山』 山と溪谷社〈新・分県登山ガイド〉、2009年12月、pp.98-99。ISBN 9784635023702
  • 『改訂新版 名古屋周辺の山』 山と溪谷社、2010年7月、pp.262-263。ISBN 9784635180177

[編集] 脚注

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  1. ^ 日本のレッドデータ検索システム(ヤシャゲンゴロウ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2011年8月17日閲覧。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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