多羅菩薩

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蓮花を持つ多羅菩薩。インドネシアジャワ島のボロブドゥールにて。

多羅菩薩(たらぼさつ、梵名:Tārā [ターラー])は、観音菩薩の目から発せられる聖なる光から生まれた16歳の少女の姿の菩薩。多羅仏母、救度仏母とも言われ、手に青い蓮の花を持つ。 日本では密教五仏の影響を受け、白多羅(白ターラー菩薩)、緑多羅(緑ターラー菩薩)、黄多羅(黄ターラー菩薩)、赤多羅(赤ターラー菩薩)、青多羅(青ターラー菩薩)などとも呼ばれている。

概要[編集]

誕生[編集]

この菩薩は、観音菩薩が「自分がいくら修行しても、衆生は苦しみから逃れられない」と悲しんで流した二粒の涙から生まれた。右目の涙からは白ターラーが、左目の涙からは緑ターラーが生まれた。 彼女たちは「衆生の済度を助ける」と発願し、菩薩は悲しみを克服したという。[1]

チベット密教とターラー[編集]

西チベット王家が招聘したアティーシャの弟子ドムトゥンがなした一派をカダム派というが、アティーシャに倣い、釈迦如来・観音・不動・ターラー菩薩を「四本尊」とした。[2]

女性の仏は仏母[ユム]を呼ばれるが、如来と同格であり、特に仏眼・マーマキー・白衣・ターラーの四仏母は曼荼羅に頻繁に登場する。ちなみに『秘密集会』の曼荼羅にあっては、四仏母は四隅に位置して四大を表すが、ターラーは「風」を象徴する。[3]

なお、ゲルク派では、息災・増益・敬愛の「柔和な3修法」(ジャムスム)の護摩法にはターラーを本尊とすることがある。[4]


真言[編集]

A.「密印品」
 Namah samanta-buddhanam tare tarini karunodbhava svaha
  ナウマク・サンマンダ・ボダナン・タレイ・タリニ・キャロダオンバベイ・ソワカ
B.「真言蔵品」
 Namah samanta-buddhanam karunodbhava tare tarini svaha
  ナウマク・サンマンダ・ボダナン・キャロダオンバベイ・タレイ・タリニ・ソワカ
C.その他
 Om tare tuttare ture svaha
  オン・タレイ・トゥタレイ・ツレイ・ソワカ
 Om padma tare hum
  オン・ハンドマ・タレ・ウン

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  1. ^ アジアの仏像と宝具がわかる本(田村雄アルマット国際語学社)p72,73を参照
  2. ^ 田中公明『チベット密教』春秋社,1993 p.37参照
  3. ^ 田中同書 p150-151,p169-171参照
  4. ^ 田中同書 p.221参照