夏の花
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『夏の花』(なつのはな)は、原民喜の小説。自身の被爆体験を基に書いた作品。原題は『原子爆弾』。
1945年中に創作し、『近代文学』創刊号に掲載する予定が、GHQの検閲を考慮して、英語に翻訳したものを再輸入する形での発表になった。題名もGHQの検閲を考慮して、一見戦争とは関連性がないものとなっている。結局、1947年に『三田文学』に発表。現代日本文学史上最も美しい散文と絶賛を受ける。第一回水上滝太郎賞を受賞。
『壊滅の序曲』『夏の花』『廃墟から』を、「夏の花三部作」という。
目次 |
[編集] 梗概
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
私は亡き妻と父母の墓に、なんという名称か分からないが、黄色の可憐な野趣を帯びた、いかにも夏らしい花を手向けた。その翌々日、街に呪わしい閃光が走り、私は惨劇の舞台に立たされる。川に逃げ、次兄と出くわす。次兄と上流へ遡って行く際に、私は、人々の余りにも目を覆う惨状を目の当りにする。やがて、私と次兄は甥の変わり果てた姿を確認する。次兄の家で働いていた女中も落ち合い、一緒に避難する。彼女は赤子を抱えたまま光線に遭い胸と手と顔を焼かれていた。「水を下さい」と哀願し続け、一か月余りして死ぬ。
Nはトンネルの中であの衝撃を受ける。妻の勤めている女学校に向かい、次に自宅、更に通勤路を辿ってNの妻を捜した。死体を一つ一つ調べたが、妻の姿を見出す事は出来なかった。
[編集] 書籍
- 『夏の花・心願の国』新潮文庫(解説:大江健三郎) ISBN 4-10-116301-4(『苦しく美しき夏』『秋日記』『冬日記』『美しき死の岸に』『死の中の風景』『壊滅の序曲』『夏の花』『廃墟から』『火の唇』『鎮魂歌』『永遠のみどり』『心願の国』を所収)


