変身 (ヒーロー)

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変身(へんしん)とは、特撮アニメなどにおいて特殊な能力を持つ姿になること。変身するときは何らかのかけ声と共に「決めポーズ」がとられることが多い。ヘンシンと表記することもある。スーツや武器などの装着が行われるだけの場合もあり、日本語的には「変装」と呼ぶほうが適していることもあるが、「着替え」「変装」などではなくあくまで「変身」と呼ぶ。

概要[編集]

「変身」は極めて日本的な現象だと言われる[1]アメリカン・コミックスの『スパイダーマン』『バットマン』も奇抜な服装で活躍しているが、それらは日本での「変身」ではなく、どちらかと言えば身元を隠すためのものである[2]

それに対し日本のヒーローが行うような、敵の目の前でポーズを取る変身は、仮面と素顔の使い分けではなく「見栄」としての色彩が濃い。これは変身ブームを巻き起こした『仮面ライダー』などの特撮作品が時代劇の流れを汲んでいることに起因する。時代劇では「忍者が使用する術の名前を宣言して、わざわざ敵に攻撃手段を教える」「侍が悪人をすぐに仕留めず、高らかに登場して相手が気づくのを待つ」といった合理性よりも視聴者への印象づけに重きを置く演出がなされることがあり、変身もそのひとつと考えられる[3]

異装の超人の活躍を楽しむという趣向は同じにもかかわらず、日本のヒーローがアメコミヒーローほど全世界規模で受容されない理由のひとつは、この変身という概念が障害になっているからだとも言われている[2]

特撮[編集]

特撮作品において、1966年の『ウルトラマン』などに変身シーンも存在したが、それ自体を明確に売りにしたのは1971年に放送が始まった『仮面ライダー』が最初である。その後のブームは「変身ブーム」と呼ばれ『人造人間キカイダー』、『快傑ライオン丸』など、さまざまな作品がブームを盛り上げ今日に至るようになった。この時期の特撮作品の総称は、巨大ヒーローも含めて「第二次怪獣ブーム」と文献などで呼ばれることがある。

アニメ[編集]

テレビアニメにおいては1964年の『ビッグX』で『ウルトラマン』に先んじて変身シーンが描かれている。またアニメでは、変身の過程をじっくりと表現することが多い。1973年に『キューティーハニー』では変身時に変身前の衣装が破けて裸になることが話題となった。

主流の作品が時代と共にヒーロー物からロボットアニメにシフトしたため、タツノコプロ作品以外では少女向けの魔法少女アニメ作品で描かれる機会が多いのも特色である。『美少女戦士セーラームーン』や『ふたりはプリキュア』などの作品がある。

変装が変身として扱われるのは、劇中において演出として瞬時に衣装を早変わりさせるシーンが存在する事にも起因する。『怪盗セイント・テール』は劇中においては魔法に類する能力は皆無の普通の人間であるにも拘らず、手品で服装を変えるシーンをもって魔法少女アニメとして扱われた事がある。

日本国外での「変身」[編集]

変身という概念は日本国外でもつかわれるようになった。スーパー戦隊シリーズ仮面ライダーBLACK RXをリメイクしたパワーレンジャーマスクド・ライダーの放送が要因となっている。アメリカでのリメイク元であるサバン・エンターテイメントは、オリジナル作品としてVR Troopersを製作し、日本でも放送された。高屋良樹強殖装甲ガイバーは2度アメリカ映画として実写化されている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 宇野常寛『リトル・ピープルの時代』幻冬舎、2011年7月、p.295。ISBN 978-4-344-02024-5
  2. ^ a b 白倉伸一郎國分功一郎「存在論的なヒーローのために」『ユリイカ』9月臨時増刊号(通巻615号)、青土社、2012年8月、pp.17 - 18
  3. ^ 切通理作「仮面の世界スペシャル」面白さ無限大!平山亨の巻、『東映ヒーローMAX』Vol.18、辰巳出版、2006年9月、p.86