堤俊作

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
堤 俊作
TSUTSUMI Shunsaku
生誕 (1946-12-21) 1946年12月21日
出身地 日本の旗 日本大阪府大阪市
死没 (2013-09-01) 2013年9月1日(66歳没)
学歴 桐朋学園大学
ジャンル クラシック音楽
職業 指揮者

堤 俊作(つつみ しゅんさく、1946年12月21日[1] - 2013年9月1日)は、日本指揮者

人物・来歴[編集]

1946年生まれ。桐朋学園大学卒業[2]指揮齋藤秀雄に師事。東京交響楽団副指揮者、及び 同正指揮者を経て[2]、1975年に東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団を設立、常任指揮者として17年にわたってその育成に努めた[2][3]1974年ロンドンでルパート指揮者コンクールに入賞。1978年ジュネーブ国際音楽コンクール指揮部門で最高位を受賞[3][4]ロンドン交響楽団スイス・ロマンド管弦楽団、シモン・ボリバール交響楽団などに客演[5]。バレエ音楽の指揮者としても活動[5]1988年から1992年まで札幌交響楽団の専属指揮者[3][6]。その間、三枝成彰ヴァイオリン協奏曲の委嘱公演[7]、東南アジア演奏旅行などを行った[8]

2005年からオペラの本場イタリアに進出し、ラヴェッロ音楽祭、フロジノーネオペラフェスティバル、ローマのマンゾーニオペラフェスティバルなどで、ペルゴレージ奥様女中」、イタリアの現代作曲家アルド・タラベッラの「主人召使い」、ヴェルディの「椿姫」を指揮。ロイヤルチェンバーオーケストラを率いて、ヨーロッパ4ヶ国6都市(アイルランドダブリンコークベルギー:トルホウト/ルクセンブルクルクセンブルク市イタリアミラノヴィチェンツァ)への演奏旅行、ルクセンブルク室内オーケストラ、イタリア・サンレモ交響楽団への客演指揮も行った。

2006年には、モーツァルト生誕250年を記念して、ミラノのエルベ劇場で行われた、モーツァルト=ダ・ポンテ三部作シリーズの「ドン・ジョヴァンニ」をモーツァルトの誕生日に当たる1月27日初日公演を指揮する栄誉を得た[5]。同年、イタリア、ルクセンブルクの再客演のほか、ウィーンポルトガルにも活動の場を広げる。

ロイヤルチェンバーオーケストラ、及びロイヤルメトロポリタン管弦楽団音楽監督[3]、梓室内管弦楽団音楽監督、静岡交響楽団音楽監督、NPO法人静岡交響楽協会副理事長、桐朋学園大学講師、山形大学音楽科講師、牧阿佐美バレヱ団音楽監督[5]井上バレエ団音楽監督[5]、東京シティ・フィル桂冠指揮者、第1回高松国際ピアノコンクール音楽監督等を務めた。

2013年9月1日、多系統萎縮症のため千葉県内の病院にて死去[9][10]。66歳没。

吹奏楽との関わり[編集]

日本の吹奏楽界において、1999年から2002年まで大阪市音楽団の芸術顧問、常任指揮者として活動したことから、堤の名は広く知られている。 市音着任早々に、堤の指揮による演奏で、CD「ゴーストトレイン」(タイトル曲「ゴーストトレイン」:エリック・ウィテカー作曲)がリリースされ、その後も、「ニュー・ウインド・レパートリー」シリーズを含め、数々のCDがリリースされた。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 堤俊作 - TOWER RECORDS
  2. ^ a b c “指揮者の堤俊作氏が死去 東京シティフィル設立”. MSN産経ニュース. (2013年9月2日). オリジナルの2013年9月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130902181328/http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/130902/ent13090218260015-n1.htm 2022年8月18日閲覧。 
  3. ^ a b c d 世界の指揮者名鑑866 2010, p. 243.
  4. ^ この時の審査員がアルベルト・ヒナステラで、後に堤は『エスタンシア』の日本初演を手掛けている。
  5. ^ a b c d e 永久名誉指揮者プロフィール 堤 俊作”. 俊友会管弦楽団. 俊友会について. 2022年11月30日閲覧。
  6. ^ 札幌交響楽団50年史 2011, p. 92,102.
  7. ^ 札幌交響楽団50年史 2011, p. 101.
  8. ^ 札幌交響楽団50年 2011, p. 102.
  9. ^ “堤俊作氏が死去 指揮者”. 日本経済新聞. (2013年9月2日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG02046_S3A900C1CC1000/ 2018年2月13日閲覧。 
  10. ^ “訃報:堤俊作さん66歳=指揮者”. 毎日新聞. (2013年9月2日). オリジナルの2013年9月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130905082457/http://mainichi.jp/feature/news/20130902k0000e040163000c.html 2022年8月18日閲覧。 

参考文献[編集]

  • ONTOMO MOOK『世界の指揮者名鑑866』音楽之友社、2010年。 
  • 公益財団法人 札幌交響楽団 編『札幌交響楽団50年史 1961-2011』2011年。 

外部リンク[編集]