地球大進化〜46億年・人類への旅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
地球大進化から転送)
移動: 案内検索

地球大進化(ちきゅうだいしんか)(副題「46億年・人類への旅」)は、2004年4月から11月にかけてNHKスペシャル枠で放送されたドキュメンタリー番組。全6回。同年12月に番外編が放送された。2005年フランス・ジュール・ベルヌ映像祭にて、最優秀科学アドベンチャー賞を受賞。 地球の誕生から人類の誕生までを放送した。放送と時期をあわせて同題の図書が出版されており、取材の様子や番組の内容のより細かい説明が掲載されている[1]


概要[編集]

地球を「母なる星」と呼び習わし、極寒の宇宙の中で生命を優しく育んだ希有な惑星とする従来の視点を一転させ、灼熱の地獄から極寒の世界まで環境を激変させつつ生命に試練を与えた厳しい存在、「荒ぶる父」として描く。その中で、生命は試練に立ち向かい、進化してきたと説く。地球の進化史、或いは生命の進化史として独立した事象ではなく、地球の環境の変化が、生命の進化にどのように影響を与えたか、反対に、生命が地球環境にどのように影響を及ぼしたか、相互の関連も取り混ぜて構成している。

太古の生命について、既に滅んだ過去の物としてではなく、現在の生物の「御先祖様」と呼び習わすのも、従来の生命進化を取り上げた番組とは異なる視点である。現在生きている私たちは、厳しい試練をくぐり抜けてきた御先祖様から、尊い命を賜ったのだとする暗喩も含まれている。

関連書籍では以前の「地球大紀行」の続編、現代版として企画されたとしている。また、企画にあたっては、スノーボールアース仮説の提出がきっかけになったとしている。

出演(ナビゲーター)は山崎努

内容[編集]

  • 第1回 生命の星 大衝突からの始まり
  • 初回放送日:4月17日
面のクレーターの調査より、誕生直後の地球にしばしば大規模な隕石の衝突があったことを示し、直径400km以上の巨大隕石の落下で起きる現象を定量的にシミュレーションして巨大隕石の衝突による地殻津波岩石蒸気の発生と海洋蒸発の様子をCGで映像化する。その一方で、地下深くにまで生命が進出し、また、衝突による高温が容易に地下まで届かないことを示して、生命は地下で生き存えて来たと説く。
  • 第2回 全球凍結 大型生物の誕生の謎
  • 初回放送日:5月15日
南アフリカナミビア迷子石から説き起こし、赤道付近にも氷河が発達していた事を示して22億年前と6億年前に赤道までが完全に氷に覆われた全球凍結が起こった事を紹介する。この現象には、藍藻などの生命の活動が大きく関わっており、炭酸ガスを吸収して酸素を放出し地球環境を作り替えるまでに至ったと説く。また、高い酸素濃度がコラーゲン繊維の合成を可能とし、大型の生物の誕生を可能とした。
  • 第3回 大海からの離脱 そして手が生まれた
  • 初回放送日:6月26日
プレートテクトニクスによる大陸移動が生物進化に影響を与える様を描く。大陸衝突で生じた大山脈と、その麓に流れる大河へ、海から追われた生物が逃げ込み、不安定な環境への適応を迫られる。やがて、肺呼吸を発達させると共にを持ち、陸上にも進出する。
  • 第4回 大量絶滅 巨大噴火がほ乳類を生んだ
  • 初回放送日:7月17日
2億5000万年前に起こったスーパープルームにより生じる大噴火、溶岩台地の形成に伴い起こる環境の激変と大量絶滅の中で、爬虫類哺乳類は各々異なる戦略で危機を乗り越える。気嚢を備えて呼吸器官の効率をあげた爬虫類・鳥類の繁栄と、子宮を持ち、確実に命を繋いでいく戦略をとった哺乳類の誕生までを描く。
  • 第5回 大陸大分裂 目に秘められた物語
  • 初回放送日:9月25日
植物が繁茂する世界の元で霊長類は発達した。樹冠で枝から枝へ飛び移る為に立体視を発達させた。やがて、大陸が移動して気候が寒冷化し、植物が減少して食料が枯渇するなかで、確実に果実を獲得するために色覚を発達させた。
  • 第6回 ヒト 果てしなき冒険者
  • 初回放送日:11月14日[2]
類人猿から分かれて以降、現代に至るまでに人類は幾つもの傍系に別れ、その傍系は滅びる一方でホモサピエンスに至るまでの系統は生き残った。滅んだものと生き残ったものの違いは何か、パラントロプス・ロブストスホモ・エルガステルの違い、ネアンデルタールホモサピエンスの違いを取り上げて、何故現人類が生き残ったかを説く。
  • 第7回 そして未来へ(DVD未収録、NHKオンデマンド限定放送)
  • 初回放送日:12月25日
人類の歴史をもう一度辿り、人類が生まれた理由を改めて探る。祖先に降りかかった数々の大変動と次々と襲いかかる強力な天敵たち。その苦難の歴史の果てに私たちを待ち構える未来とは。


通常のNHKスペシャルでは視聴者を「私達」「我々」と呼ぶことが多いが、このシリーズでは主に視聴者を「あなた」と呼ぶ。

そして「あなた」へと至る46億年の旅とは、小さな原始の微生物から始まり数々の大変動を繰り返してきた地球を舞台とした、気の遠くなるような長い時間をかけた命のリレーであり、そのリレーの果てに「あなた」が生きている、と締めくくり、シリーズを通して人類一人ひとりの命の大切さを訴えている。 進行役の山崎努は番組内で、我々祖先の生物を「ご先祖様」と呼ぶ。また、地球が生物に与えた試練と、それを克服した生物に対し「まいったな」を連発する。

スタッフ他[編集]

  • 音楽:
作曲:土井宏紀、編曲:鋒山亘
DVD「第一集」〜「第六集」(特典映像付き)
DVD「地球大進化・サウンドトラックDVD」
書籍「第一集」〜「第六集」
書籍「46億年 わたしたちの長き旅」

出典・脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 『NHKスペシャル 地球大進化 46億年・人類への旅 1 生命の星 大衝突からの始まり』NHK「地球大進化」プロジェクト編、2004年4月 NHK出版
  2. ^ 当初は10月23日の放送予定であったが、新潟県中越地震が放送直前に発生したため、順延になっていた。

関連項目[編集]