地平線のドーリア

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地平線のドーリア』(ちへいせんのドーリア、: The Dorian Horizon)は、武満徹が作曲した17の弦楽器群のための作品。

概要[編集]

アメリカ国会図書館のセルゲイ・クーセヴィツキー財団からの委嘱として1966年に作曲され、同年に完成された。録音による初演は同年の7月に、若杉弘の指揮と読売日本交響楽団によって行なわれた[1]。公開初演は、1967年2月、アーロン・コープランド指揮・サンフランシスコ・ムジカ・ヴィヴァによる[1]。作品はクーセヴィツキーと妻に捧げられている。作品は西海岸音楽批評家賞を受賞した。

タイトルの「ドーリア」とはドーリア旋法のことで、作品は線的な動きとして顕われ、要所に自由なドーリア旋法が用いられている。

構成[編集]

2つのテトラコルドによるドーリア群からうたを引き出し、4度、5度、長2度の和音から、いわゆる東洋と、流動的で不思議な軟体的音響、いわゆる西洋とを、繊細に激しく響かせている。1奏者が1パートを受け持つマイクロ・ポリフォニーの手法で書かれている。この点では『テクスチュアズ』と同様である。

楽器編成[編集]

2群の弦楽合奏

演奏時間[編集]

約9分。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 21世紀へのメッセージ Vol.4、岩城宏之指揮・オーケストラ・アンサンブル金沢ドイツ・グラモフォン POCG-10053、ライナーノーツ

参考文献[編集]