地峡メカヤパン・ナワトル語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
地峡メカヤパン・ナワトル語
mela'tájtol
話される国 メキシコ
地域 ベラクルス州メカヤパンおよびタタウィカパン
話者数 ~20,000
言語系統
表記体系 ラテン文字
言語コード
ISO 639-2 nah
ISO 639-3 nhx
テンプレートを表示

地峡メカヤパン・ナワトル語(ちきょうメカヤパン・ナワトルご、Isthmus-Mecayapan Nahuatl、現地語mela'tájtol)は現代ナワトル語の一変種で、メキシコベラクルス州メカヤパンおよびタタウィカパンでおよそ2万人に話されている。

音韻[編集]

母音[編集]

前舌母音 後舌母音
狭母音 i iː o oː
中央母音 e eː
広母音 a aː

子音[編集]

唇音 歯音 後部歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音 声門音
鼻母音 m n ɲ
破裂音 p b t d k ɡ ʔ
破擦音 ts
摩擦音 s ʃ h
接近音 l j w
R音 r

書記法[編集]

A a B b C c Ch ch D d E e F f G g H h I i J j K k L l
/a/ /b/ /k/ /tʃ/ /d/ /e/ /ɡ/ /i j/ /h/ /k/ /l/
M m N n O o P p Q q R r S s T t U u V v X x Y y Z z '
/m/ /n/ /o/ /p/ /k/ /r/ /s/ /t/ /w/ /ʃ/ /j/ /ʔ/

Hは語頭でuの前に置かれ、それ自体に音価はない。Caおよびoの母音の前にある/k/を表し、iおよびeの前ではquが使われる。

下線a, e, i, o)は長母音を表す。

強勢はlrで終わらない単語の後ろから2番目およびlrで終わる単語の最後の音節につくものは無標。それ以外の強勢パターンは鋭アクセントを強勢のつく母音に付ける(á, é, í, ó)。

f, k, vおよびzの文字は借用語のみに現れる。

文法[編集]

このナワトル語の変種では一人称複数の排除形包括形の区別が行われており、これは古典ナワトル語には見られない特徴である。排除形は一人称単数から規則的に変化しており、一方で包括形は古典ナワトル語の一人称複数形が使われ続けている。

古典 地峡メカヤパン
一人称単数 niquīsa 「私は去る」 niquisa 「私は去る」 一人称単数
niquisaj 「私達(あなたではない)は去る」 一人称複数排除形
一人称複数 tiquīsaj 「私達は去る」 tiquisaj 「私達(あなたを含む)は去る」 一人称複数包括形

参考文献[編集]

外部リンク[編集]