国鉄ソ200形貨車

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国鉄ソ200形貨車
ソ200形、(手前よりソ201、ソ200) 1987年5月6日、三島駅
ソ200形、(手前よりソ201、ソ200)
1987年5月6日、三島駅
基本情報
車種 事業用車操重車
運用者 日本国有鉄道
所有者 日本国有鉄道
製造所 日立製作所
製造年 1960年(昭和35年)
製造数 2両
消滅 1987年(昭和62年)
常備駅 三島駅
主要諸元
車体色 銀色
軌間 1,067 mm
全長 26,000 mm
全幅 2,795 mm
全高 4,000 mm
荷重 70* t
自重 130.0 t
換算両数 13.0
台車 3 - 3軸複式ボギー
最高速度 75 km/h
備考 *扱い荷重
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国鉄ソ200形貨車(こくてつソ200がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道に所属した橋桁架設専用の事業用貨車操重車)である。

概要[編集]

1960年昭和35年)に日立製作所で2両(ソ200, ソ201)が製造された。これは、老朽化のうえ、作業性や走行性能に問題があり、扱い荷重が小さく、重量化する橋桁に対応できなくなっていたソ1形の代替用である。

本形式のブームは水平に繰り出す方式で、扱い荷重はブームの繰り出しが車端から1.2mまでは70t、12.25m(最長)の場合30tで、支間22.3mの桁まで一点吊りすることができた。ブームの伸縮にともなうバランスの変化に対応するため、使用時には3.8m3の砂利を積み込む。ブームの旋回範囲は、半径300mの曲線上での作業を考慮し、最長の場合1.3mとなっている。また、クレーン用の動力として出力54PSディーゼルエンジンが搭載されており、これに直結された発電機からの電力を用いる。

全長26m、自重130tである。台車は3-3軸複式ボギーで、エンジン室寄りのNo.1、No.2台車とブーム先端寄りのNo.3、No.4台車では構造が異なり、No.3、No.4台車では橋桁の荷重がかかり、軸重が22tにも達するため、通常よりも太い車軸(15t軸)が使用されている。26mにも及ぶ全長の関係で、通常の方法では転車台による転向ができないため、車体中央寄りに転向時のみに使用する心皿を設けNo.1、No.2台車を移設して転向を行う。そのため、No.1、No.2台車にはブレーキ装置が設備されていない。

1968年10月のダイヤ改正により、本形式は回送時の最高速度は65km/hに制限され、一時はそれを示す黄色帯を巻いたが後に変更され、最高速度は75km/hとなった。

また、無動力のため、作業時には牽引車が必要で、改良型であるソ300形の登場後は、十分に活用されなかったが、1977年(昭和52年)に専用の牽引車が開発され、取り回しが改善された。

1980年(昭和55年)時点で、東京第二工事局の三島操機区に所属し、全国の橋桁架設に使用されていたが、1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化までに廃車されており、JRグループ各社には引き継がれていない。

参考文献[編集]

関連項目[編集]