国民戦線 (フランス)

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フランスの旗 フランスの政党
国民戦線
Front national
党首 マリーヌ・ル・ペン
全国代表 ブルーノ・ゴルニッシュ
成立年月日 1972年
本部所在地 4, rue Vauguyon, 92210 Saint-Cloud
国民議会議席数
(0%)
2 / 577
(2013年)
元老院 議席数
(0%)
0 / 348
(2013年)
欧州議会議席数
(32%)
24 / 74
(2014年)
政治的思想・立場 極右、フランスナショナリズム欧州懐疑主義保護貿易主義国家主権主義英語版
公式サイト 党公式サイト
シンボル Logo Front National.svg
(イメージカラー)
国際組織 欧州議会ITS、議員数: 7名)、ユーロナット
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国民戦線(こくみんせんせん、フランス語: Front national; FN)は、フランス極右政党。党首は、マリーヌ・ル・ペン。反EU移民排斥を掲げている。2005年におきた移民による暴動以来、移民に対する反感が強まっているフランスにおいて急速に支持を伸ばしている。近年、政権入りが現実味を帯びてきたことから、支持層を広げるため、移民排斥以外の主張については緩和させる傾向にある[1]

概要[編集]

2005年5月25日パリ市内で開かれた集会で演説するジャン=マリー・ル・ペン党首(当時)

1972年10月にアルジェリア独立反対派などの極右勢力が集まって、ジャン=マリー・ル・ペンが創設した。結成当初は、弱小政党だったが、1980年代に入りフランス経済が悪化し失業者が急増すると支持を広げていき選挙ごとに票が増えていった。1986年国民議会議員選挙では選挙制度比例代表制に変わったことから、270万3442票(9.7パーセント)を得て、35議席獲得した。しかし、それ以降は小選挙区制に戻ったことから、0-1議席と低迷する。1997年以降、景気が回復し失業率が解消され始めると支持率が低下した。さらにル・ペン党首の度重なる暴言や1997年国民議会議員選挙時の社会党候補に対する暴行事件にナンバー2のブルーノ・メグレが反発。また同選挙では1名を当選させたが、公職選挙法違反などで当選無効となった。

1998年12月の欧州議会選挙を巡って対立は激しくなり、メグレ派は離党して1999年1月に新政党「共和国運動」を結成、国民戦線に打撃を与えた。この時期に党員や活動員をかなり減らしたが、数年で勢力を回復し2002年の大統領選挙に出馬したル・ペンは、決戦投票まで残り世界を驚愕させた。2004年欧州議会議員選挙ではフランス全土で168万4868票(9.8パーセント)を得て7議席獲得した。2005年に発生したパリ郊外暴動事件以後の世論調査ではさらに支持を伸ばした。

フランス人至上主義を掲げ黒人やイスラム系の移民排斥(ただし、フランスの文化を尊重する移民は拒まない)を唱えているが、他国からの移民によってフランス人としての権利が奪われているという感情から一部のフランスの海外県や海外領土の黒人からも支持を得ている。また、ル・ペンの側近の一人ブルーノ・ゴルニッシュ京都大学に留学した経験を持ち妻は日本人である。ル・ペン自身、日本の(そしてスイスの)国籍法を支持している。

2011年1月16日の党大会でル・ペンの三女であるマリーヌ・ル・ペンが新党首に選ばれた[2]2012年の大統領選挙でマリーヌが獲得した得票率17.90%は、国民戦線の大統領候補者としては最高記録である[3]。大統領選挙直後に行われた議会総選挙では、マリー・ルペン前党首の孫娘であるマリオン・マレシャル=ルペン弁護士ジルベール・コラールの2名が当選、14年ぶりに国民議会における議席を復活させた[4]。なお、元国民戦線党員のオランジュ市長ジャック・ボンパールを含めると極右勢力は3議席となる。

2013年10月13日ヴァール県議会補欠選挙の決選投票において国民戦線の候補が得票率54%で当選した。地方の1議席をめぐる争いであったが、フィガロ紙は「国家的影響がある」と大きく報じた。2013年10月公表の世論調査では、翌年5月の欧州議会選挙での投票先を国民戦線と回答した者が24%となり、国民運動連合(22%)や社会党(19%)を上回って首位となった[5]

2013年10月、アラン・ドロンがスイス紙とのインタビューで「国民戦線は重要な位置を占めている。よいことだと思うし、理解もする」と国民戦線への支持を公言した。このことが物議を醸し、同氏は10月18日に美女コンテスト「ミス・フランス」運営委員会の名誉会長を辞任した[6]

2014年フランス統一地方選挙フランス語版の第1回投票では5%の票を獲得、2008年の第1回投票時の得票率0.9%を大きく上回り躍進、ルペン党首は「FNは主要な独立勢力の段階に到達した。国家レベルでも地方レベルでも、ひとつの政治勢力となった」と語った[7][8]。また、第1回投票においてアヴィニョンエナン=ボーモンで第1位となったことが大きな話題となった[9]。3月30日に行われた第2回投票では得票率6.8%となり、14以上の自治体で第1党となった[10]

2014年欧州議会議員選挙 (フランス)では、約25%の得票を得て24議席を獲得、大躍進を果たす。マニュエル・ヴァルス首相は、選挙結果を「警鐘どころではない。衝撃であり、地震だ」と述べた[11]フランソワ・オランド大統領は選挙結果を受けて閣僚らの緊急会議を招集した[12]

政策[編集]

靖国神社参拝[編集]

2010年8月14日日本の民族派右翼団体である一水会の招きにより、ジャン=マリー・ルペン党首(当時)とブルーノ・ゴルニッシュイギリス国民党の党員アダム・ウォーカーら、欧州8か国、9つの政党の代表などで構成された訪日団が合同で靖国神社に参拝した[13][14]

同日、中国国営通信の新華社は靖国神社を参拝した欧州各国の政党訪日団に対して批判する論評を配信した[15]

脚注[編集]

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  1. ^ 仏右翼政党、三女のマリーヌ新党首選出 大統領選に照準
  2. ^ “仏右翼政党、三女のマリーヌ新党首選出 大統領選に照準”. 朝日新聞. (2011年1月16日). http://www.asahi.com/international/update/0116/TKY201101160279.html 2011年1月17日閲覧。 
  3. ^ “Biz活 - 仏大統領選で極右候補が躍進した理由は?”. 読売新聞. (2012年4月28日). http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/qaworld/20120427-OYT8T00308.htm 2012年4月28日閲覧。 
  4. ^ “仏総選挙、左派与党・社会党が単独過半数-オランド政権に安定基盤 – 極右、14年ぶり下院議席-ルペン党首は落選”. 世界日報 (日本). (2012年6月19日). http://www.worldtimes.co.jp/today/kokunai/120619-4.html 2013年7月28日閲覧。 
  5. ^ “フランス“極右”支持率トップに イメージ転換奏功、地方選勝利+”. 産経新聞. (2013年10月20日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/131020/erp13102023240005-n1.htm 2013年10月31日閲覧。 
  6. ^ “アラン・ドロンさん、ミスコン審査名誉会長辞任”. 読売新聞. (2013年10月20日). http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news2/20131020-OYT8T00251.htm 2014年2月14日閲覧。 
  7. ^ “仏統一地方選第1回投票で極右が躍進、オランド大統領の左派連合苦戦”. ロイター. (2014年3月24日). http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYEA2N02320140324 2014年3月24日閲覧。 
  8. ^ “仏地方選挙、極右政党が躍進 オランド政権に大きな打撃”. 産経新聞. (2014年3月25日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/140325/erp14032501340000-n1.htm 2014年3月25日閲覧。 
  9. ^ Partir ou rester ? Les artistes divisés face au FN”. 2014年3月31日閲覧。
  10. ^ オランド与党大敗 仏統一地方選 極右勢力躍進”. 東京新聞. 2014年3月31日閲覧。
  11. ^ “欧州議会選で極右政党躍進 仏首相が「地震」と危機感”. CNN. (2014年5月26日). http://www.cnn.co.jp/world/35048444.html?tag=top;topStories 2014年5月26日閲覧。 
  12. ^ “仏大統領が緊急会議を招集 極右の圧勝受け 「一大事件だ」”. 産経新聞. (2014年5月26日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/140526/erp14052612590009-n1.htm 2014年5月26日閲覧。 
  13. ^ 欧州の極右政党代表団が靖国神社を参拝 - ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
  14. ^ 仏・極右政党党首ら、靖国神社を参拝 - TBS News-i Youtube公式動画
  15. ^ 「ファシズムの宣伝」と批判=欧州極右政治家の靖国参拝に-新華社 - 時事通信

参考文献[編集]

外部リンク[編集]