四点

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四点(してん)とは、軟式テニスボールを使う子供遊びのひとつであり、ハンドテニスの変形ともいえる。ドッジボールなどが使われる場合もある。また、スペースを六つにした六点(ろくてん)という派生ルールも存在する。地域によっては「大学」「大学おとし」「てんちょう(もしくは "てんちょ" - 天 & 丁)」「4人テニス」といった呼び方もする。昭和40年代~50年代に隆盛を極めた。

ルール[編集]

いくつか派生ルールがあるものの、大凡は以下のとおり。

大抵4人以上で行われるが、3人でも三点として遊ぶことも可能である。

まず地面に大きな四角を描き、それを四つに区切る。上空から見ると漢字の「」の形になるが、逆に四角を描かずに十字だけのこともある。これがフィールドとなり、その中心部(「十」の交点付近)に以下の役職名もしくは階級名を書き入れる事でゲームの環境が整う。

次にジャンケンなどでプレイヤーの役職(階級)を決め、対応するマスに入る。4人以上の場合、マスに入れなかった人は地獄となって、フィールド外で待機状態になる。

最上位にあたる役職(階級)のプレイヤーがボールを取り、任意の相手にボールを打ち付ける(サーブ)ことでゲームの開始となる。以降のルールは次のとおり。

  • 打たれたボールは一度自分のマスに着かなければならない。
    • 相手のマスやフィールド外に直接着いた場合は打ち手のアウト。
    • 自分のマスで2回バウンドするとツーバン(ツーバウンドの略)で打ち手のアウト。
    • 自分のマスに着く前、着いた後を問わず、十字の線にかかった場合は、打ち手のアウト。
  • 打たれたプレイヤーは、境界を越えたボールが一度自分のマスに着いた(ワンバンと呼ぶ/ワンバウンドの略)のを確認してから、これも任意の相手に手で打ち返す。
    • 境界を越えたボールがノーバンでフィールド外へ出た場合は打ち手のアウト。
    • ボールが自分のマスに着く前に打ってしまった場合は、ノーバン(ノーバウンドの略)でアウト。ただしこれをセーフとするローカルルールもある。
    • ワンバンしたボールを打ち返せずフィールド外へ逃した場合はそのマスのプレイヤーのアウト。
    • 境界を越えたボールが同一のマスで2回バウンドするとツーバンで、そのマスのプレイヤーのアウト。

境界を越えたボールがあるマスを通過して他のマスに達したときは、次の判定となる。

  • 前のマスをノーバンで通過した場合は次のマスのプレイヤーの責任。
    • 次のマスもノーバンでフィールドへ出れば打ち手のアウト。
  • 前のマスをワンバンまたはツーバンで通過した場合は前のマスのプレイヤーの責任(実質的に打ち返せなかったためアウト)。

アウトの場合は降格となり、次の異動が発生する。ここでは企業の役職を例にとる。

  • 社長が降格→地獄に。この場合は部長が課長となり、平が課長、地獄が平となる。地獄がいない場合は平に堕ち、他は順に昇級する。部長と入れ替わるだけのローカルルールもある。
  • 部長が降格→課長に、課長は部長に昇格。
  • 課長が降格→平に、平は課長に昇格。
  • 平が降格→地獄の最下位に、地獄の最上位の人→平として入社。地獄がいない場合はそのまま。

ここまでを一つのセットとし、再び次のプレイに入る。このとき、社長か前のセットでの勝者または敗者がサーブ権を持つ(ゲーム開始前に取り決める。たいていは地域ごとに暗黙の了解となっている)。

このゲームから派生したものとして、「六点」がある。社長の上に「会長」、社長の下に「役人」を置き、フィールドも大きくなるが基本的なルールは同じ。上記で述べた「三点」も同じ。三点の場合、部長が消えて「社長」「課長」「平」となる。

このゲームが強い人は、「四点」と「四天」をかけて、「四天王」と呼ばれることもある。

巧妙な打ち技[編集]

相手に打たれにくくするため、いくつかの特殊な打ち方がある。たとえば以下のような技がある。

  • 切り込み
打ち込まれて着地寸前のボールを低めに思いきり打ち、自分のマスに着地した後、相手のマスをワンバンまたはノーバンで通過してフィールド外へ出す。弾道が低く速いため、相手は打ち返しにくい。スマッシュともいえる。
思いきり弱く打ち、相手のツーバンを誘う。強く打つように見せかけておくとより成功しやすくなる。
ある方向に打つと見せかけ、利き手または利き手とは反対の手で他の方向へ打つ。
さらに、他の方向へ打つと見せかけて本来の方向へ打つ。
切り込みや、弱く打つのと組み合わせると相乗効果を生む。

だが、ここに挙げたものは高等技術であり、初心者では失敗して自分が降格ということになりかねないため、練習が必要である。

関連項目[編集]