器物損壊罪
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器物損壊罪(きぶつ そんかいざい)とは、他人の物を損壊し、または動物を傷害する罪である。刑法261条で定められている。損壊の対象となった物が境界標である場合は、境界損壊罪が成立する(262条の2)。以下は器物損壊罪について中心に述べ、境界損壊罪については補充的に記述する。
目次 |
[編集] 法定刑
3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料である。 (境界損壊の場合は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金)
[編集] 保護法益
損壊の対象となった物に対する財産権である。個人的法益。 (なお、境界損壊罪については個人的法益と同時に境界を公的に区分するという国家的法益の保護が要請されるので、そのため後述する親告罪か否かという点に差異が生ずる。)
[編集] 構成要件
他人の物を損壊すること、または他人の動物を傷害することである。
[編集] 物
ここでいう物に、公用文書、私用文書、建造物は含まれない。別途、処罰規定(文書等毀棄罪、建造物等損壊罪)が存在するためである。土地は本条の対象となる。
[編集] 損壊とは
学説は多岐にわたるが、通説判例は、その物の効用を害する一切の行為をいうとしている。ゆえに物理的な損壊に限らず、心理的に使用できなくするような行為も損壊といえる。
(なお、境界損壊罪においては、「損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により土地の境界を認識することができないようにする」ことが実行行為とされており、効用を害する一切の行為の内容が明示的に列挙してある)
[編集] 傷害とは
他人の動物を殺傷する行為である。損壊と同様に動物としての効用を害する行為、たとえば、他人の池の鯉を流出させる行為も傷害といえる(大判明治44年2月27日刑録17輯197頁)。他人の鳥かごを開放して、飼育されているカナリヤなどを逃がしてしまう行為も同様に、傷害である。
[編集] 補足
動物について。他人の動物を不法に殺傷する行為は一般に器物損壊罪に該当する。しかし、法的に動物は物であるとはいえ、その用語例への抵抗からか、動物の殺傷行為については、動物傷害罪と記載する文献もある。
動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)は、第27条第1項に、愛護動物(牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる、もしくは、その他の哺乳類、鳥類又は爬虫類で、人が占有している動物 同条第4項)をみだりに殺し、又は傷つけた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する旨の罰則を規定している。
器物損壊罪は、親告罪であり(264条),損壊された物の本権者または適法な占有者が告訴権を有する(最判昭和45年12月22日刑集24巻13号1862頁)。一方で動物の愛護及び管理に関する法律は非親告罪であり告訴権者(飼い主など)の親告を前提にせず告訴できるものの、対象は愛護動物に限定される。
境界損壊罪について、保護法益が個人的法益に尽きるわけではないから非親告罪である。
器物損壊罪は刑法犯であり、法定刑による懲役・罰金・科料にかかわらず、民事請求による損害賠償請求を別途受ける可能性がある。
[編集] 関連項目
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