喜多見駅

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喜多見駅
南口(2021年11月21日撮影)
きたみ
Kitami
OH 14 成城学園前 (1.1 km)
(1.1 km) 狛江 OH 16
地図
所在地 東京都世田谷区喜多見九丁目2番26号
北緯35度38分12秒 東経139度35分13.5秒 / 北緯35.63667度 東経139.587083度 / 35.63667; 139.587083座標: 北緯35度38分12秒 東経139度35分13.5秒 / 北緯35.63667度 東経139.587083度 / 35.63667; 139.587083
駅番号 OH15
所属事業者 小田急電鉄
所属路線 小田原線
キロ程 12.7 km(新宿起点)
駅構造 高架駅
ホーム 2面4線*
乗降人員
-統計年度-
[小田急 1]29,015人/日
-2022年-
開業年月日 1927年昭和2年)4月1日
備考 *通過線2線含む
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喜多見駅(きたみえき)は、東京都世田谷区喜多見九丁目にある、小田急電鉄小田原線である。駅番号はOH 15。世田谷区最西端の駅である。

概要[編集]

新宿駅から15番目(新宿駅も含む)の駅。世田谷区と狛江市の区市境上にあり、駅の西側(狛江駅方)3分の1ほどが同市に跨がっているが、正式な駅所在地は駅事務室・改札のある世田谷区喜多見九丁目とされている。

新宿駅から下り方向で世田谷区内の最後の駅。成城学園前駅から当駅の間に国分寺崖線が存在するため、以前は急な下りになっていたが、当駅の高架化と成城学園前駅の地下化により現在では線路の高低差は緩やかとなっている。

過去に、都心から玉川通り世田谷通りの地下を通り喜多見駅で小田急線に乗り入れる地下鉄構想、小田急多摩線を喜多見駅から分岐する構想があったが、いずれも他の計画に振り替えられた[注 1]1997年に高架化工事が完成し、また、1994年に当駅と野川の間に喜多見検車区が建設された(出入区は成城学園前駅との間で行う)。駅前は2007年再開発が実施された。

「成城学園前管区成城学園前管内」に属する[1]

歴史[編集]

高架化直前の喜多見駅構内(1995年3月25日)

旧駅舎[編集]

駅舎、路線とも地上にあった。駅舎は上りホーム側にあり、下りホームとは跨線橋により連絡されていた。下りホームには臨時改札口があった。

駅名の由来[編集]

地名から名づけられた。「喜多見」という地名は、江戸時代以前は「木田見」や「北見」と表記されていたが、徳川家康江戸入城の際に「喜多見」という表記になった。元禄年間には喜多見藩が置かれている。

駅構造[編集]


喜多見駅
配線図

成城学園前駅

2 1


STRg STRg STRf STRf
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PSTR(R) STR STR PSTR(L)
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狛江駅

間に通過線をはさんだ相対式ホーム2面4線を有する高架駅である。線路・ホームは高架上に、改札口は地上にある。複々線区間にあり、各停は当駅で特急ロマンスカー快速急行急行などに追い越されることがある。

改札口は高架化以前は西側にも臨時改札口が存在したが2013年現在は東側一箇所のみ。屋根はホームの全面を覆っている。線路部分は覆っていない。

世田谷区内の新設高架駅ではデザインが統一されており、各駅ごとに基調色を定め、特徴としている。基調色はホーム屋根の柱などに使われている。当駅の場合、淡いクリーム色である。また、ホームの屋根の形状はアーチ状となっている。これは後に高架化された千歳船橋駅も踏襲している。駅舎両脇の高架下は商業施設として利用されている。

のりば[編集]

ホーム 路線 方向 軌道 行先[13]
1 OH 小田原線 下り 緩行線 小田原片瀬江ノ島方面
通過線 □小田原線 下り 急行線 (下り列車の通過)
通過線 上り (上り列車の通過)
2 OH 小田原線 上り 緩行線 新宿C 千代田線方面

※下りの東北沢 - 登戸間、上りの向ヶ丘遊園 - 東北沢間の急行線・緩行線は原則として以下の通り使い分けられている。

〔急行線〕
特急ロマンスカー・快速急行・通勤急行・急行が使用する。成城学園前駅 - 経堂駅間のみ通勤準急も使用する。
〔緩行線〕
準急・各駅停車が使用する。通勤準急も上記以外の区間で使用する。
ただし、千代田線直通の上り急行は、経堂駅以東で緩行線を使用する。

出入口[編集]

北口、南口とも段差を気にすることなく移動することができる。

駅構内設備[編集]

駅舎は1990年代の設計・建築のため、施設は比較的充実している。

機器[編集]

施設[編集]

  • トイレ - 改札内改札階北口側にある。多目的トイレも設置されている。
  • 休憩コーナー - 改札内側改札階に2か所ある(旧・喫煙所)。
  • 水飲み場 - 各ホームに1か所ずつある。
  • 待合室 - 各ホームに1か所ずつ、合計2か所ある。2004年秋に設置された。
  • エレベーター - 改札階と各ホーム階を連絡する2基がある。
  • エスカレーター- 改札階と各ホーム階を連絡し両方向に4基がある。

商業設備・施設[編集]

利用状況[編集]

2022年度の1日平均乗降人員29,015人であり[小田急 1]、小田急線全70駅中36位。

近年の1日平均乗降乗車人員の推移は下表の通り。

年度別1日平均乗降・乗車人員[14][15]
年度 1日平均
乗降人員[16]
1日平均
乗車人員[17]
出典
1948年(昭和23年) [18] 3,699
1956年(昭和31年) 3,598 [* 1]
1957年(昭和32年) 4,019 [* 2]
1958年(昭和33年) 4,407 [* 3]
1959年(昭和34年) 4,916 [* 4]
1960年(昭和35年) 10,746 5,417 [* 5]
1961年(昭和36年) 11,992 5,940 [* 6]
1962年(昭和37年) 13,473 6,753 [* 7]
1963年(昭和38年) 15,416 7,754 [* 8]
1964年(昭和39年) 17,467 8,797 [* 9]
1965年(昭和40年) 18,605 9,361 [* 10]
1966年(昭和41年) 19,132 9,521 [* 11]
1967年(昭和42年) 18,842 9,346 [* 12]
1968年(昭和43年) 18,836 9,203 [* 13]
1969年(昭和44年) 18,600 9,318 [* 14]
1970年(昭和45年) 18,655 9,520 [* 15]
1971年(昭和46年) 19,551 9,896 [* 16]
1972年(昭和47年) 20,741 10,480 [* 17]
1973年(昭和48年) 21,503 10,869 [* 18]
1974年(昭和49年) 23,475 11,743 [* 19]
1975年(昭和50年) 23,910 12,050 [* 20]
1976年(昭和51年) 24,643 12,366 [* 21]
1977年(昭和52年) 25,038 12,588 [* 22]
1978年(昭和53年) 25,228 12,773 [* 23]
1979年(昭和54年) 24,942 12,649 [* 24]
1980年(昭和55年) 25,078 12,687 [* 25]
1981年(昭和56年) 25,492 12,934 [* 26]
1982年(昭和57年) 25,600 12,986 [* 27]
1983年(昭和58年) 25,526 13,064 [* 28]
1984年(昭和59年) 25,977 13,274 [* 29]
1985年(昭和60年) 27,660 13,677 [* 30]
1986年(昭和61年) 27,874 13,782 [* 31]
1987年(昭和62年) 28,132 13,860 [* 32]
1988年(昭和63年) 28,613 14,203 [* 33]
1989年(平成元年) 28,695 14,199 [* 34]
1990年(平成02年) 27,535 14,237 [* 35]
1991年(平成03年) 27,626 14,259 [* 36]
1992年(平成04年) 27,517 14,255 [* 37]
1993年(平成05年) 27,747 14,463 [* 38]
1994年(平成06年) 27,825 14,576 [* 39]
1995年(平成07年) 27,732 14,459 [* 40]
1996年(平成08年) 27,455 14,287 [* 41]
1997年(平成09年) 27,152 14,260 [* 42]
1998年(平成10年) 27,227 14,444 [* 43]
1999年(平成11年) 27,691 14,796 [* 44]
2000年(平成12年) 27,861 14,846 [* 45]
2001年(平成13年) 28,454 15,112 [* 46]
2002年(平成14年) 29,352 15,574 [* 47]
2003年(平成15年) 30,097 15,842 [* 48]
2004年(平成16年) 32,236 15,997 [* 49]
2005年(平成17年) 32,367 16,052 [* 50]
2006年(平成18年) 32,537 16,121 [* 51]
2007年(平成19年) 32,652 16,246 [* 52]
2008年(平成20年) 32,415 16,118 [* 53]
2009年(平成21年) 32,043 15,940 [* 54]
2010年(平成22年) 31,519 15,666 [* 55]
2011年(平成23年) 31,185 15,516 [* 56]
2012年(平成24年) 31,769 15,789 [* 57]
2013年(平成25年) 32,310 16,064 [* 58]
2014年(平成26年) 31,963 15,923 [* 59]
2015年(平成27年) 32,973 16,445 [* 60]
2016年(平成28年) 33,662 16,791 [* 61]
2017年(平成29年) 34,306 17,118 [* 62]
2018年(平成30年) 34,418 17,184 [* 63]
2019年(令和元年) 34,207 17,068 [* 64]
2020年(令和02年) 25,497 12,767 [* 65]
2021年(令和03年) [小田急 2]26,993
2022年(令和04年) [小田急 1]29,015

駅周辺[編集]

北口・南口に駅前広場がある。ロータリーはない。駅東側の高架下にはタクシー乗り場があるが常駐はしていない。

駅両脇の高架下に商業施設小田急マルシェ喜多見がある。出店テナント全店の一覧・詳細は公式サイト「店舗一覧」を参照。

北口[編集]

南口[編集]

関連施設[編集]

成城学園前駅と当駅の間に喜多見電車基地および喜多見総合事務所がある。このため、当駅を発着する電車はここで乗務員の交代が行われる場合がある。

バス路線[編集]

すべて小田急バスにより運行される。

北口交番のそばに「喜多見駅」停留所がある。

南口を出て商店街を抜けた世田谷通り沿いに「喜多見駅入口」停留所がある。

隣の駅[編集]

小田急電鉄
OH 小田原線
快速急行・通勤急行・急行・通勤準急・準急
通過
各駅停車
成城学園前駅 (OH 14) - 喜多見駅 (OH 15) - 狛江駅 (OH 16)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 都心からの乗り入れは東京メトロ千代田線から代々木上原駅で小田急線に乗り入れることになり、小田急多摩線は新百合ヶ丘駅から分岐することになった。
  2. ^ 2018年11月頃まではOdakyu MARTだった他、2017年頃まではOX SHOPが隣接していた。

出典[編集]

  1. ^ 藤田雄介(小田急電鉄CSR・広報部)「総説:小田急電鉄」『鉄道ピクトリアル』第70巻第8号(通巻976号)、電気車研究会、2020年8月10日、13頁、ISSN 0040-4047 
  2. ^ 小田急五十年史』小田急電鉄、1980年12月、98-99頁。doi:10.11501/11956508https://dl.ndl.go.jp/pid/11956508/1/78 
  3. ^ 佐藤信之「小田急電鉄連続立体化・複々線化事業を振り返る」『鉄道ピクトリアル』第68巻第6号(通巻946号)、電気車研究会、2018年6月1日、68頁、ISSN 0040-4047 
  4. ^ a b 編集部「小田急の複々線区間工事前後を見る」『鉄道ピクトリアル』第68巻第6号(通巻946号)、電気車研究会、2018年6月1日、41頁、ISSN 0040-4047 
  5. ^ “小田急・喜多見-和泉多摩川間 26日から複線高架に”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1995年3月15日) 
  6. ^ 小田急小田原線(成城学園前駅~登戸駅間)線増連続立体交差事業 4月27日(日)から喜多見、狛江、和泉多摩川3駅の新駅舎を使用開始 同区間の複々線化工事の完成は平成9年6月を予定しています”. 小田急電鉄. 1997年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月20日閲覧。
  7. ^ “小田急 連続立交化6月完成 喜多見ー和泉多摩川 新駅舎27日から使用”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1997年4月18日) 
  8. ^ 寺西知幸「複々線化進展による江ノ島線への波及効果」『鉄道ピクトリアル』第70巻第8号(通巻976号)、電気車研究会、2020年8月10日、217頁、ISSN 0040-4047 
  9. ^ 12月11日(土)、小田急線のダイヤ改正を実施 -複々線化区間の延伸、新種別の導入で所要時間が短縮します-』(プレスリリース)小田急電鉄、2004年10月6日。 オリジナルの2005年3月8日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20050308101903/http://www.d-cue.com/cgi-bin/info/pg02348.pl?key=869&info_kubun=d-cue&mode=online2021年5月5日閲覧 
  10. ^ 小田急線・箱根登山線・箱根ロープウェイ・箱根海賊船にて 2014年1月から駅ナンバリングを順次導入します! 新宿駅から箱根・芦ノ湖まで通しのナンバリングにより、わかりやすくご利用いただけます』(PDF)(プレスリリース)小田急電鉄/箱根登山鉄道、2013年12月24日。 オリジナルの2021年5月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210509093516/http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8052_1284200_.pdf2021年5月9日閲覧 
  11. ^ 2016年3月26日(土)小田急線ダイヤ改正を実施します ロマンスカー停車駅の新設および東京メトロ千代田線直通列車の増発』(PDF)(プレスリリース)小田急電鉄、2015年12月18日、6頁。 オリジナルの2019年6月6日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190606121333/http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8360_8351253_.pdf2020年5月10日閲覧 
  12. ^ 代々木上原〜登戸間の「複々線化」により小田急の通勤が変わる! 2018年3月、新ダイヤでの運行開始 〜ラッシュピーク混雑率150%、町田〜新宿間の最大12分短縮を実現〜 〜快速急行の登戸停車や列車種別の新設で、都心へのアクセス向上〜』(PDF)(プレスリリース)小田急電鉄、2017年11月1日。 オリジナルの2019年4月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190415221739/http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8701_5820170_.pdf2020年5月10日閲覧 
  13. ^ 喜多見駅のご案内 駅立体図”. 小田急電鉄. 2023年6月3日閲覧。
  14. ^ 世田谷区統計書 - 世田谷区
  15. ^ 統計情報 - 狛江市
  16. ^ レポート - 関東交通広告協議会
  17. ^ 東京都統計年鑑 - 東京都
  18. ^ 狛江市民活動・生活情報誌 第44号(2007年4月) - 狛江市
小田急電鉄の1日平均利用客数
  1. ^ a b c 鉄道部門:駅別乗降人員・輸送人員ほか”. 小田急電鉄. 2023年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月26日閲覧。
  2. ^ 鉄道部門:駅別乗降人員・輸送人員ほか”. 小田急電鉄. 2023年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月26日閲覧。
東京都統計年鑑

関連項目[編集]

外部リンク[編集]