唯名論

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唯名論(ゆいめいろん、Nominalism)とは、中世西欧普遍論争における一方の立場である。スコラ哲学において、「人間」とか「イヌ」あるいは「薔薇」などは、類の概念として形相存在として実在するのかどうかという議論(普遍論争)があり、これに対し唯名論は、類の概念は実在しないと答えた。

唯名論の立場は、類の概念(普遍概念)は、名前として存在するのであり、実在するのは類の概念の形相(フォルマ)ではなく、具体的な個物(レース)、つまり個々の具体的な人間やイヌや薔薇であると考えた。これに対する考えが実念論(実在論)で、「薔薇」とか「ネコ」などの類の概念が形相として実在するとした。

西欧では、13世紀末以降に、理性信仰から独立して行くのと並行して唯名論が優勢となる。フランシスコ会士であるオッカムなどは唯名論の立場をとった。

概念やカテゴリーなどは、主観が、個物からなる対象世界を任意に切り取って、そこに外的に付与したものであると考える点で、現代の相対論的な哲学につながっており、現代ではむしろ、外的物質世界に、内在的な形相として、概念やカテゴリーの客観的根拠が実在するという科学的実在論との対比が問題となる。

唯名論を表すにvia modernaとすることがある。

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