和製喧嘩友達

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和製喧嘩友達
Fighting Friends
タイトル。
監督 小津安二郎
脚本 野田高梧
出演者 渡辺篤
吉谷久雄
浪花友子
撮影 茂原英雄
配給 日本の旗 松竹キネマ
イタリアの旗 ポルデノーネ無声映画祭
公開 日本の旗 1929年7月5日
イタリアの旗 2001年10月13日
上映時間 77分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語(サイレント)
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和製喧嘩友達』(わせいけんかともだち)は、1929年(昭和4年)製作・公開、小津安二郎監督による日本の長篇劇映画サイレント映画である[1][2][3][4][5][6][7]。小津の監督作のうちの第9作であり、現存する小津作品のなかでは『学生ロマンス 若き日』(1929年)に次いで古い作品だが、短縮版である。[6]

概要[編集]

本作は、リチャード・ウォレス英語版が1927年(昭和2年)に発表した喜劇映画『喧嘩友達』(英語: Mcfadden's Flats[8]を下敷きに、「コンビ喜劇を巧みに和製化」したものである[6][7]。本作公開当時、小津は満25歳、脚本の野田高梧は満35歳[9]、主演の渡辺篤は満31歳[10]吉谷久雄は満25歳[11]浪花友子は満20歳[12]結城一朗は満24歳[13]であった。

本作は、松竹キネマが配給し、1929年7月5日に東京・浅草公園六区帝国館を皮切りに全国で公開され、同館では、当時松竹キネマと配給提携していた市川右太衛門プロダクションが製作、市川右太衛門主演、伊藤大輔監督による『一殺多生剱』と併映された[14]。本作も『一殺多生剱』も、いずれも長年にわたって現存しない作品とされていたが、本作は1990年代に、『一殺多生剱』は2012年(平成24年)に、数十分の部分とはいえそれぞれその存在が確認され、いずれも復元されるに至った[6][7][15]

2013年(平成25年)2月現在、東京国立近代美術館フィルムセンターは、14分尺の35mmフィルム3種の上映用ポジプリントを所蔵している[3][5]。これはいずれも、本作の公開当時に家庭用として普及されたパテベビー用の9.5mmフィルムによる短縮編集版を復元したものであり、復元素材は1997年(平成9年)に宇賀山正昭が同センターに寄贈したものである[6][7]。1999年(平成11年)に同センターで上映されたヴァージョンの復元作業は育映社が行った[6]。同プリントは、2001年(平成13年)10月13日 - 同月20日、イタリアサチーレで開かれた第20回ポルデノーネ無声映画祭で上映された[16]。小津安二郎生誕百年を迎えた2003年(平成15年)には、デジタル復元が行われた[7]。デジタル復元ヴァージョンはビデオグラム化され、同年12月25日に松竹が発売した『小津安二郎 DVD-BOX 第四集』の「特典ディスク」に、『突貫小僧』『鏡獅子』とともに収録された[4]マツダ映画社は、本作の上映用プリントを所蔵していない[17]

本作の脚本は、2003年4月に発行された『小津安二郎全集 上』(新書館)に収録された[18]

あらすじ[編集]

留吉(渡辺篤)と芳造(吉谷久雄)は、親しい仕事仲間、貧しいゆえに2人でルームシェアをしているトラック運転手である。あるとき偶然、身寄りのない娘・お美津(浪花友子)と出逢う。住むところのないお美津が2人の長屋に転がり込み、お美津はかいがいしく家事をしてくれるが、2人の男の間では、恋の鞘当てが始まる。やがて、留吉・芳造の長屋の近くに住む学生・岡村(結城一朗)と、お美津が相思相愛であったのだ、という現実を、留吉・芳造は知ることとなる。お美津と岡村をさわやかに見送る留吉・芳造であった。

スタッフ[編集]

お美津(浪花友子)をめぐってついに喧嘩。左・吉谷久雄、右・渡辺篤。
左から浪花友子、結城一朗、吉谷久雄、渡辺篤。

キャスト[編集]

作品データ[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ Fighting Friends, インターネット・ムービー・データベース (英語)、2013年2月5日閲覧。
  2. ^ 和製喧嘩友達日本映画データベース、2013年2月5日閲覧。
  3. ^ a b 和製喧嘩友達、日本映画情報システム、文化庁、2013年2月5日閲覧。
  4. ^ a b 和製喧嘩友達allcinema, 2013年2月5日閲覧。
  5. ^ a b 和製喧嘩友達東京国立近代美術館フィルムセンター、2013年2月5日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g 発掘された映画たち 1999、東京国立近代美術館フィルムセンター、2013年2月5日閲覧。
  7. ^ a b c d e フィルム・コレクションに見るNFCの40年、東京国立近代美術館フィルムセンター、2013年2月5日閲覧。
  8. ^ 喧嘩友達 - KINENOTE、2013年2月5日閲覧。
  9. ^ デジタル版 日本人名大辞典+Plus『野田高梧』 - コトバンク、2013年2月5日閲覧。
  10. ^ キネマ旬報社[1979], p.651-653.
  11. ^ キネマ旬報社[1979], p.631-632.
  12. ^ 浪花友子jlogos.com , エア、2013年2月5日閲覧。
  13. ^ キネマ旬報社[1979], p.622.
  14. ^ 一殺多生剣、日本映画データベース、2013年2月5日閲覧。
  15. ^ プレミア上映 幻の『一殺多生剣』発見京都映画祭、2013年2月5日閲覧。
  16. ^ a b WASEI KENKA TOMODACHI, ポルデノーネ無声映画祭 (イタリア語)、2013年2月5日閲覧。
  17. ^ 主な所蔵リスト 劇映画 邦画篇マツダ映画社、2013年2月5日閲覧。
  18. ^ 小津安二郎全集 上国立国会図書館、2013年2月5日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]