周期性四肢麻痺

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周期性四肢麻痺
分類及び外部参照情報
ICD-10 G72.3
ICD-9 359.3
MeSH D010245
プロジェクト:病気Portal:医学と医療
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周期性四肢麻痺(しゅうきせいししまひ、: Periodic Paralysis, PP)とは、突然発作として、両側性に全身の筋力が失われ、しばらくして再び正常に戻る可逆性疾患のこと。日本では甲状腺機能亢進症に伴う低カリウム性四肢麻痺が多い。神経疾患と思い込み、ドクターショッピングすることがある。甲状腺もしくは電解質異常であり、内分泌疾患である。

多くの場合は遺伝性疾患であり、低温、熱、炭水化物の多い食事、絶食、ストレス、何らかの運動などがトリガーであることが知られていて、筋力低下、麻痺を引き起こすが死亡するのは稀である。この疾患の原因は骨格筋細胞膜イオンチャネルの機能不全であろうと考えられている。イオンが筋線維から漏れ出したり漏れ入ったりすることで、細胞の脱分極を引き起こし、体を動かすことができなくなる(チャネロパチー)。

症状[編集]

近位筋優位の、対称性、発作性の筋力低下・弛緩性麻痺。前兆なく突然発症する。 脱力発作は1時間以内が多いが、数日にわたり遷延することもある。

発作の誘因[編集]

低カリウム性では、糖質の摂取後発作が起こることがある。 血糖上昇に伴い、インスリンが分泌され、ブドウ糖とカリウムイオンが血中から細胞内へ取り込まれ、低カリウム血症が増悪するためといわれる。

分類[編集]

通常常染色体優性遺伝し、家族性の表現型に大きな広がりを持つ。つまり、片方の親だけに遺伝子変異があれば優性遺伝に従って子供は発症するが、同じ遺伝子がある家族の間で重症度が同じとは限らない。

  • 先天性パラミオトニア (Online 'Mendelian Inheritance in Man' (OMIM) 168300):高カリウム性周期性四肢麻痺を伴うこともあれば、単独の症状を呈する場合もある。先天性パラミオトニアの最も特徴的な症状は、運動や活動の間に、筋収縮を発症することである。発作は、血中カリウム濃度の低下を引き金とする場合がある。そのため高カリウム性周期性四肢麻痺と先天性パラミオトニアの両方がある患者は、カリウム濃度の上昇や低下による揺らぎで発作を起こすことがある。高カリウム性周期性四肢麻痺と同じ遺伝子SCN4Aに原因があり、2者を同じ疾患と考える見方がある。

検査[編集]

  • 血清カリウム濃度: 診断・治療方針決定に必須。カリウム値によっては、不整脈を来すなど生命予後に関わることもある。
  • TSH,free T3,free T4: 日本では、甲状腺機能亢進症によるものが多いので、必須
甲状腺機能亢進症確定後には、TRAb, 抗TPO抗体, 頸部超音波検査などを行う。

この疾患を診断するのは、通常困難を伴う。 患者はしばしば長年にわたって誤った診断を伝えられ、良くなるどころか、返って悪化する治療を受けることがある。50%未満の患者が偏頭痛を伴うので、頭痛、言語障害や、視覚、聴覚、感覚的な前兆がある偏頭痛を含んで、診断に混乱をきたすことがある。DNA検査については、およそ12種類の既知の変異が知られているものの、そのうち日常的に検査可能なのは半数である。EMGの検査結果は、発作時以外は正常である。 複合筋活動電位検査(Exercise EMG)が適切に実行されれば、80%を超える症例で正確な診断が可能である。旧来のグルコース/インスリン刺激検査は、生命を脅かす症状を引き起こす恐れがあるので、使用すべきでない。

もう1点注意すべきことは、重度の、時には生命に関わる麻痺を引き起こす場合でさえ、必ずしもカリウム濃度が正常値範囲を逸脱するとは限らないという点である(正カリウム性)。この場合には、低カリウム性とも高カリウム性とも異なった対処の仕方が必要なので、それらと同様の治療を行うべきでない。全身的なカリウム貯蔵量は普通は正常で、適切でない部位にカリウムが位置している。

周期性四肢麻痺に対して実施されることは少ないものの筋生検の検体でも異常が見られることがある[1]が、セントラルコアなどの特徴的な所見は観測されていない。

治療[編集]

  • 発作時
血清Kの是正を行う。
低カリウム血症である場合は、緩徐にカリウムを含む輸液を行う。
高カリウム性では発作時にカルシウムを緩徐に経静脈的に投与。
  • 予防
低カリウム性の場合は、スローケー®などのカリウム徐放剤を内服。
高カリウム性ではアセタゾラミド内服。

脚注[編集]

  1. ^ 東埼玉病院. “周期性四肢麻痺”. 2010年2月1日閲覧。

外部リンク[編集]

参考書籍[編集]

  • Dr.ウィリス ベッドサイド診断 第35章