同士討ち

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同士討ち(どうしうち)、御方討ち[1](みかたうち、味方討ち)、同士戦[2](どしいくさ)、友軍相撃(ゆうぐんそうげき)、友軍による誤射誤爆[3]は、武力を有した集団などが、友軍および同盟関係にある兵に対して、誤って攻撃をしかけ、損害を与える状況を指す(実戦のみならず、訓練中でも起こりうる)。また、作戦次第で敵の同士討ちを誘う戦法としても用いられる。

個人同士(一対一)における相打ちとは意が異なる(相打ちは敵に対しても用いられる語)。意図して同士討ちを行った場合は、これを「裏切り」行為という(精神錯乱時はケースにより解釈が異なる)。古くから同士討ちを行ってしまった場合の責任の取り方(現代でいう軍法・軍規)が定められており、『吾妻鏡』の12世紀末の記述として、鮫島氏が御方討ちをしたため、右手の「指切」[4]に処されたことが載せられており、武家社会では習わしとしての刑が採用されていた。

近戦における同士討ち[編集]

闇夜における奇襲[5]や濃霧[6]など周囲が視認しがたい状況下で同士討ちは起こりやすく、そのため、混戦を想定し、前もって合言葉を定めて対処する場合がある[7]。合言葉は、声が重要となる状況での接近戦闘を想定したもので、周囲が目視できる状況下では、家紋紋章、現代では、国旗軍旗・所属部隊のマークなどで、友軍かどうかを識別し、同士討ちを防ごうとする。

また、戦場ではなく、格闘技のタッグ戦でも起こる。例として、プロレスのタッグマッチ形式の試合・レスリング場においての同士討ちである。この場合は、相手方が朦朧とした状態で押さえ込まれていると油断して、突進してから攻撃を仕掛け、直後に避けられ、味方を攻撃するというもので、他にも、リングの両端から挟みこんで、中央にいる相手に向かって同時攻撃を仕掛け、避けられて同士討ちする場合もある(プロレスでは演技で同士討ちを誘う)。これらの同士討ちは、「観客を魅せるための演出」の場合もあり、タッグマッチ形式における「逆転劇の演出」としても同士討ちは効果的である。このように、近戦における同士討ちは演出としても好まれる手法である。

包囲戦における同士討ち[編集]

包囲戦の場合、敵の拠点となる軍事施設と移動経路を押さえる必要があり、必然的に敵の兵数より自軍の兵数の方が多くなる。これにより自軍の攻撃による被弾率が高くなる要素が生じる。これを敵軍が逆手に取り、秘密裏に脱出した場合、さらに同士討ちの確率は高まる(例、日本軍のキスカ島撤退作戦)。近代兵器の場合、射程距離も長くなるため、物資補給のために付近を通過する援護部隊などへの被害・同士討ちも想定される(類例、バタビア沖海戦・厳密には包囲戦ではない)。

援護射における同士討ち[編集]

援護射撃[8]・砲撃[9]、援護空爆[10]でも誤った情報下では同士討ちするケースはある(例として、硫黄島の戦いベトナム戦争など)。敵が不規則なゲリラ戦を繰り返した場合、即座に情報を出さなければならず、誤ったポイントに空爆を指示してしまう場合がある(判断ミスによる同士討ち)。特に近代兵器は音が激しく、集団で一斉に援護射を一端開始すると、銃撃でも砲撃・空爆でも、同士討ちしていることに気付きにくい難点がある。接近戦の場合、視認・声認が重要となるが、近代兵器による援護で騒音が出ている状況下では、声はそがれ、合言葉は意味をなさない[11]

近代兵器以前にも、弓矢の場合では、急な突風や向かい風など予測不可の変則(突発)的な風で、矢が標的を反れ、同士討ちする場合がある(特に功を焦っている状況下では)。これが火矢の場合、広範囲に被害が拡大しかねない。

戦時下における新兵器の登場[編集]

射程距離が長い戦闘機などでは、戦時中に新型機が登場すると、敵軍の新型機と誤認されるケースが第二次世界大戦中にはあった(例、一式戦闘機三式戦闘機[12]。旧日本軍の場合、陸軍と海軍で別々に機体を開発していたため、新型友軍機を敵機と誤認するケースが生じた。現在では識別のための機械化や電子化が進み(敵味方識別装置参照[13])、識別は容易になったといえるが、敵による妨害やプログラムの改竄などが想定される[14]

二次的要因による同士討ち[編集]

戦場では、直接的被害ではなく、「二次的な要因による同士討ち」もある。巨大戦艦が小型船舶の近くを横切る際の「高波」など、大小の船が入り乱れている海戦では脱出ボートに乗っている味方への被害も想定され、特に熟知していない海域ではの満ち引きによる衝突の危険がある。また、音速を超える戦闘機が仕方なく回避行動で味方陣地を超低空飛行する際のソニックブーム(衝撃波)による破壊なども想定される。この他にも雪山での戦闘では、一斉射撃・砲撃をした場合、敵方を巻き込むつもりで発生させた雪崩の勢いで同士討ち(別の場所にいた部隊の巻き込み)を誘発する危険性がある(雪崩による同士討ちは、映画などでも演出される)。

防御のための技術で同士討ちの危険性が生じた例もあり、戦車の爆発反応装甲は、現状では敵弾が着弾して防ぐ際の爆風片で歩兵に二次的被害が出るおそれが生じるという欠点があり[15]、本来、歩兵の盾となるべき戦車装甲が同士討ちの確率を高める要因となっている。

情報伝達の遅さ・不信用における同士討ち[編集]

厳密には、戦時下において急きょ同盟を組んだ場合、稀に局地で情報が遅れ、敵と誤認されるケース(橋の上で友軍がいるにも関わらず、情報が届かず、爆破されるなども例の一)。また、戦後、同盟関係を構築したにも関わらず、局地残存兵(残党)がそれを信じず、抵抗した場合。例として、旧日本軍の一部兵士(残留日本兵)が南方の諸島において、米軍に妨害活動(破壊活動や食料を奪うなど)をしたことなど。一兵が敵であると一方的に認知していても、実質上、国家間では戦後同盟にあるため[16]、同士討ちといえるが、戦後でも射殺された場合、戦死扱いとなる(例として、小野田寛郎が所属した部隊員)。

一次大戦下では無線機だけでなく、伝書鳩による連絡も健在であり、情報伝達の遅さによる同士討ちが起こる危険性があった(前述の「援護射における同士討ち」の脚注に記した「マーク戦車隊の奇襲」を参照されたし)。

作戦ミスにおける同士討ち[編集]

作戦の想定を超える事象・行動等によって起こるケース。敵を誘導させた、あるいは追い込んだ部隊が、敵ともども友軍の罠に落ちる、兵士や兵器を偽装カモフラージュしたまではよかったが、友軍にまで視認しづらく、声認も取れぬまま、被害をこうむったなど(後者は機械認証にすれば防げる)。例えば、落とし穴への誘導であれば、車のブレーキが利きづらい環境(また、騎兵で追い込むなら泥田の多いぬかるみ)では不適切な策であるが、他に上策がないと判断されれば、そうした状況下でも強行される(逆に同士討ちを恐れて攻撃を強行しない状況も戦場では生じる)。本来、自軍が通らないはずの車道・橋の上・水路などで、何らかの事情(例として、現地配属されたばかり・別作戦の補給部隊・軍用犬の暴走を止めるなど)で通り、爆弾・地雷・機雷が起爆する場合や水源に毒物をまいたら友軍にまで被害が出たなど、作戦の想定を超えて同士討ちは起こりうる。新型の化学兵器の威力範囲が想定以上で友軍に被害が出る[17](ハザードマップの想定が外れる)というのもこの「作戦ミスにおける同士討ち」の範疇になる。

作戦ミスにおける同士討ちの実例として、石田三成忍城攻略のために城の周りを囲んだ石田堤が挙げられる。これは本来、水攻めをするための作戦であったが、決壊したために自軍に損害を与え、溺死者まで出した。敵拠点を目前とした短期突貫の作業と増水が招いた同士討ちであり、作戦の想定を超える事象といえる。

精神錯乱時における同士討ち[編集]

過酷な戦場下において、精神の錯乱や仲間同士の不和(結束・団結の欠如)によって起こるケース。また、戦時下でなくとも、軍隊内でのいじめ・虐待などが原因で殺害(殺し合い)に至る場合もあり、通常勤務時でも起こりうる同士討ちである。これは敵軍の戦術(直接的ではなく、間接的な方法による疑心暗鬼の助長)によっても起こる場合があり、内因・外因の両面で生じる同士討ちといえる。隔絶された状況下で起こりやすいものといえ[18]、映画等の創作物でも演出される。

正しい判断ができない状態・障害としては、「パニック(集団ヒステリーを含む)による仲間同士の殺し合い」もある。このため、ケースによっては裏切りとはならない。また、正しい判断ができないという点では、アルコール飲料の飲み過ぎによる「酔っ払い」も同士討ちを誘発させる原因となる[19](特に離島・無人島では俗世と隔離され、法が届かない戦況となりやすい)。

撤退・逃亡時における同士討ち[編集]

奇襲などの急襲を受けた際、撤退ルートを全兵数分確保できず、結果として、生き逃れるために、殺し合いに発展するケース。事例として、『平家物語』の記述に、源氏軍が一の谷において「鵯越の逆落とし」を平家軍に仕掛けた際、平家方は船で海上へ逃げようとするも、乗員過剰のため、沈没する船が出て、乗せまいとして同士討ちが起こり、海岸が血に染まったと記されている。このことからも、全兵数分の撤退ルートの確保ができていない場合、同士討ちが起こる可能性が高まる事がわかる。

社会的要因・地位差による同士討ち[編集]

身分(社会的地位)差といった待遇の差から生じ、社会的日常からくる不平不満が下地となって起こる同士討ち。大規模化すると内乱といった戦争規模に発展する場合があり、例として、西南戦争は長期的に見れば、列強国が注目する中で行われた日本人同士の同士討ちである。他にも、併合した国々との摩擦、いわゆる主流人種と少数派との対立からも起こる。

訓練時における同士討ち[編集]

実戦戦闘ではなく、訓練中の模擬戦闘においても同士討ちは起こりうる。情報判断のミス・誤報、武器・兵器の操作ミス(実弾が入った状態)などが原因となる。この場合、実的損害がなければ、経験として生かせるが(マニュアル化が進められる)、実的損害が生じた場合、問題となる。

潜入捜査・スパイ等における同士討ちの危険性[編集]

「潜入捜査」や「二重スパイ」など、特殊な任務を帯びた者はその作戦の性質上、一部の仲間にしか認知されず、イレギュラーなアクシデントに巻き込まれやすく、同士討ちの危険性も高くなる。前者はそうなる前に止めることも可能だが(仲間に監視されているため、事前に知らない仲間を追い払うことも可)、後者では見捨てられる可能性が高い(国際法的にも外交的にも問題が生じるため、存在自体否定されかねない)。従って、二重スパイの方が同士討ちの危険性が必然的に高い。

また、別々の任務を帯びたスパイ同士や目的は同じだが、所属する国が異なり、足の引っ張り合いで同士討ちをするという演出も創作物にはある(これはスーパーヒーローのコンビものでも成される演出である)。スパイは裏切る可能性もあり、そのため、スパイ自身が秘密裏に監視される場合もあるため、それを知らず不審者を襲ってしまうということも想定としてはありうる。

プライドの高さ・功績の独占欲から来る同士討ち[編集]

厳密には、創作物の演出で見られる心理的要因による同士討ち[20]。例として、戦士としての誇りが強過ぎ(または忘れられない因縁などで)、自分の標的・獲物として譲らず、あくまで1対1に執着し、己の戦歴を汚す行為は味方であっても許さず、攻撃するといったケース。または、己の武徳・ルールに従順である場合。騎士道や武士道の概念が通じた時代ならともかく、近現代の軍隊では、到底「裏切り」行為としか捉えかねないため、創作物で演出として用いられる。

演出例として、漫画『幽々白書』における戸愚呂弟の兄半殺し(曰く、「品性まで売った覚えはない」)、『機動戦士クロスボーンガンダム』におけるカラス敗北後の部下(が背後から奇襲しようとしたため)撃墜(曰く、「敗者の分際で勝者の行く手を阻むな」)など。

戦士に限らず、学者同士によるものもある。例えば、19世紀のアメリカの生物学者マーシュは、当時(近代)の研究者の風潮で、未知の恐竜化石を発見しても先に論文を出した方が勝ちだったため、ライバルと銃で撃ち合い、化石を奪い、互いに相手の骨を破壊したりするなど、現代の古生物学会からすれば、同士討ちに等しい行為をしている(後世から見て、同士討ち極まりない例)。

敵に同士討ちをさせる為の作戦(罠としての同士討ち)[編集]

厳密には、「同士討ちを誘う確率を高める作戦」も含む。意図的に、敵軍の味方を敵方と認識(誤認)させることは作戦次第で可能であり、「同士討ちを誘う」ことも戦法として扱われる(こうした誤認しやすい状況を意図的に作るだけでも、進行を遅らせる時間稼ぎや抑止効果となる)。

多くの捕虜に自軍の服や武具(マスクなど含む)を身につけさせ、相手(敵)方の陣地に向かわせる。言い方を変えれば、一種の捕虜解放であるが、後ろに銃をつきつけられた状況の解放であり、遠くにいるスナイパーには効果的である。つまり、捕虜にとっては、後方には敵軍のスナイパー、前方には友軍のスナイパーがいる状況下での解放である。逆に敵軍のかっこうをさせて、複数の兵を潜入させ、敵組織内部から攻撃を仕掛ける作戦も同士討ちの確率を高める[21]。上手く進めば、敵軍が内乱・反乱(一部隊のクーデターの類)と判断し、鎮圧(強制武力介入)に当たるためである。軍隊によっては、外人部隊もあるので人種が多様な組織には特に効果がある[22]

また、文書を送り(リーク)、敵軍に内部の裏切りを疑わせる内容を見せつけ、敵将に部下を処罰させるのも同士討ちとして用いられる[23](不和による疑心暗鬼)。誤報を掴ませ、敵の兵力を一つの拠点に誘導させる(敵方は敵軍がいると認識して同士討ちをする確率が高まる)。逆に、敵方に同士討ちをしたと見せかけ、誘い込む(次の段階へ進める)戦法も取れる(情報撹乱による敵地への誘導)。

誘導兵器への妨害活動(ジャミング、赤外線を防ぐ煙幕など)や通信手段の妨害なども同士討ちを誘う確率を高める手段(戦法)の一つである。特に短距離誘導かつ各部隊が密集している状況下では同士討ちの確率が高まり、通信手段の妨害によって、敵の破壊活動のタイミングを乱して、敵方の友軍が残存している状況下での同士討ちを誘える。煙幕の有効利用によっても同士討ちを高めることは可(視認・赤外線による援護射撃の妨害)。

この他、大型の近代兵器は速度を上げた場合、急には停止できない。これを利用して、少数や小型兵器で撹乱したり、囮によって誘いこみ、兵器同士の衝突を誘う作戦も考えられるが、囮となる自軍のリスクも高く、確実に成功させなければならないという点では、同士討ちを誘う確率は低い。

意図的ではないが、キスカ島撤退作戦は、日本軍の損害が全くなく(しいて言えば、友軍の救出と撤退による燃料の消費)、米軍の一方的損害という稀なケースもある。これは包囲網が完成している小島において、敵がいると断定して濃霧の中、上陸作戦を決行した結果として起きた同士討ちである。

軍隊ではなく、非公式・非正規な組織(テロリストなど)であれば、人質(普通に町で生活している者を盾とすることも含め)を突きつけ、「同士討ちをしろ」といった非人道的な要求(ようは脅し)を直接することも可能である(例、「Aの地域・住民を爆破されたくなかったら、Bの拠点を破壊しろ」[24]など)。こういった場合、同士討ちの要求は陽動の可能性もあり、破壊目的が別にある演出も映画には見られる。

表面的な同盟関係でも仮想敵国として扱われている場合もあり(世界の軍事バランスを保つため)、第三勢力が同盟国を装って、破壊活動をし、外交関係を崩して、同士討ちをさせるという戦法も映画では見られる(例として、『ターミネーター』のスカイネットは、核攻撃によって、大国同士を互いに討たせた)。

第三勢力の出現によって同士討ちに変わる場合[編集]

予期せず、共通の大敵(人に限らず、自然災害、異生物など)が現れた際、本来、敵対している関係が、結果として、同士討ちをしている状況に転換する場合があり、それを理由に一時的共同戦を張る場合がある。四字熟語では、天災を前にして、困難を乗り越えるために、「呉越同舟」をする話がよく表したものといえる(嵐を前にして、生き残るための同士となった)。互いの危機的状況下では、敵対関係も同士討ちとなりえ、生存のために協力関係が求められる。いわば、共通の敵=第三勢力の出現を持ちだすことによって、敵対関係を意図的に共同戦(同士)に変え、自軍の兵力を温存する(厳密には兵力消費を遅らせる)という戦略の途中変更もある(創作物の例、『プレデターズ』など。本来、狩猟対象である人間が同士となる)。和歌においても、「敵対関係による同士討ち」を諌める内容がある。新政府軍によって江戸幕府が倒され、江戸攻めがいよいよという時、西郷宛てに、「あだ味方 勝つも負くるも 哀れなり 同じ御(み)国の 人と思へば」の歌が届く。この短冊を送ったのは太田垣蓮月(尼僧)であり[25]、結果として、西郷は進行を止め、国内の同士討ちを防ぎ、国力の温存につながった。この場合、本来の立ち向かうべき勢力は国外にあること、大局的に見て、「目前の敵は味方(同じ国人)」であり、内乱が長引き、国力が疲弊すれば、結果として、同士討ちでしかないことが防ぐ要因となった。こういったケースのように、敵対関係も長期的に見れば同士討ちとなりえる危険性をはらんでいる。

共通の敵を前に、敵対関係による同士討ちを止めた例として、「薩長同盟」がある。厳密には、薩摩藩が倒幕に傾いた結果であるが、国内での同士討ちに歯止めをかける政治的決断だったといえる(政治思想上の対立における同士討ちを終わらせるきっかけともなった)。

戦史における同士討ち[編集]

備考[編集]

  • ケルト神話には、同士討ちをさせるネヴァンという女神が存在し、同士討ちも神が惑わした結果と考えた。
  • コンピューターゲームなどでは自機が同士討ちしないよう、攻撃してもダメージが当たらないようにプログラムされているものもある(例、『バイオハザード』)。逆にあえてプレイ難易度を上げるために同士討ちをプログラムするソフトもある。また臨場感を増すためにあえて「フレンドリーファイヤー(FF)」として実装しているゲームもある。
  • SFやファンタジーなどの創作物では、催眠術による洗脳や怨霊を宿らせることで同士討ちをさせる演出がある(例として、前者は漫画『未来日記』、後者は映画『陰陽師』)。
  • 創作物では、最終試験と称して、同士討ちをさせ、一流の殺人部隊や暗殺家にさせる演出が見られる。諸例として、『装甲騎兵ボトムズ』におけるレッドショルダーの「共食い」、『エンジェルハート』、映画『あずみ2』など。
  • 自軍が不利な状況下において、敵部隊を壊滅させるために味方部隊ともども壊滅させる行為・作戦については、同士討ちではない。これは厳密には、「大局的な勝利のために見捨てる・救助を諦める」行為である(作戦上、最初から敵を釘づけにするための「捨て駒」という場合もある)。
  • スリルを求めて仲間同士によるロシアンルーレット(捕虜などに強制的に行わせる場合も含め)をすることも同士討ちの部類[26]だが、本来の意図は別にある場合が多々ある(例、人数合わせ、口封じなど)。
  • 視覚・聴覚で敵味方を識別せず、フェロモンの匂いで敵味方を識別するなどであれば、人為的に敵蟻のフェロモンをつけさせることで、同士討ちさせることも可能。
  • トーナメント形式の大会や選挙活動などで、味方を1人でも上に勝ち残さなければならない状況下において、くじ運が悪く、味方同士で対決する状態(同じ所属での潰し合い)も皮肉をこめて同士討ちという。

脚注[編集]

  1. ^ 吾妻鏡』における中世での表記。また、現代では余り用いられないが、『源平盛衰記』では、「友争い」とも記し、「友討(ともうち)」といった語も存在する(今でいう友軍相撃に近いニュアンス)。
  2. ^ 平家物語』及び『承久記』の表記例。「どうし」ではなく、「どし」と読む。
  3. ^ 「英和/和英対訳最新軍事用語集」2007年
  4. ^ 弓を引けなくなるため、指切は片手でも十分な罰となった。
  5. ^ 夜間戦闘の場合、ジェット戦闘機とミサイルによる誘導兵器が発展した現代空中戦においても同士討ちの危険性はあり、友軍のミサイルをかすめたといった逸話もある。参考・ヒストリーチャンネル『ドッグファイト ~華麗なる空中戦S2~』#18内の話を一部参考。
  6. ^ 例として、二次大戦下における米軍のキスカ島上陸作戦。
  7. ^ 例として、『日本書紀壬申の乱7世紀末)時、合言葉を定めて、同士討ち(斬り合い)を防ぎながらも奇襲に成功した記述があり、好例といえる。
  8. ^ 朝鮮戦争時、中朝国境にて、セイバーの後方についたミグ戦闘機を落とすため、別のセイバーが機銃を放った際、前方の友軍機にかすり、危く同士討ちになりかけた逸話がある。参考・ヒストリーチャンネル『ドッグファイト ~華麗なる空中戦S2~』#17内の話を一部参考。
  9. ^ 例として、一次大戦下、イギリス軍のマーク戦車隊がドイツ軍の拠点に奇襲を仕掛けるが、征圧しきれず、再度襲撃し直し、友軍がそれに気づかず町に向かって砲撃を開始し、直撃大破した話が語られている。参考・ディスカバリーHVチャンネル『世紀の戦車対決2:史上初の戦車 -第一次世界大戦-』より一部逸話を抜粋。この場合、友軍との意思疎通が不十分だったために起こった同士討ち。当時は無線ではなく、伝書鳩による連絡である(マーク I 戦車を参照)。位置認識の把握が進み、電子化した現代では起こりにくい。
  10. ^ 二次大戦下、カナダ軍戦車隊が友軍機タイフーンのロケット弾攻撃を受けたため、黄色い発煙筒を上げ、友軍であると示したが、しばらく誤爆を受けた。参考・ディスカバリーHVチャンネル『世紀の戦車対決:ホーホヴァルトの戦い』番組内逸話を一部参考。上空からの誤爆を防ぐ対処をしていたにもかかわらず、誤爆を受け続けた例。
  11. ^ こうした声認ができない状況下での対処として、手によるジェスチャーで射撃中止のサインを出すが、攻撃に夢中で手遅れになる。
  12. ^ 一方、二次大戦下のアメリカ軍の場合、無線機による確認が確立しており、「友軍機なら翼を揺らせ」など機体に対する行動指示で同士討ちを防げた(ただし、敵側にも無線機が普及していた場合、こうした機体ジェスチャーより合言葉の方が適切といえる)。参考・ヒストリーチャンネル『ドッグファイト ~華麗なる空中戦S2~』 #17内の逸話を一部参考。
  13. ^ なお、現代戦闘機のコクピットの礎を形成したF-15の場合、スロットル・レバーに「敵味方識別装置質問ボタン」が付いている。参考・「自衛隊の名機シリーズ② 航空自衛隊 F-15」 イカロス出版 2004年 ISBN 4-87149-5221 p.38
  14. ^ 創作物でもよく描かれ、ロボット兵器・コンピュータ兵器へのハッキングや改竄が描写される。
  15. ^ 参考・ナショナルジオチャンネル『変わりゆく戦争兵器 「戦車」』番組内の解説を一部参考。
  16. ^ 少なくとも、冷戦下における日本の仮想敵国は帝政を否定する共産圏であり、民主主義という思想的観点からすれば、「現状の世界情勢を理解しない同士討ち」である。
  17. ^ 類した事例として、ベトナム戦争において、友軍(韓国軍など)にまで米軍の枯れ葉剤による被害が出たことが証言されている。当時、一般米兵には、「人に無害である」と説明されていたことも被害拡大に繋がった。参考・2012年5月20日(日曜) テレビ朝日放送『ザ・スクープSP』内の説明を一部参考。
  18. ^ 例として、戦場でなくとも宇宙船内といった限られた空間・極限状態でも起こり(気分転換が難しいため、関係に摩擦ができやすい)、ソ連飛行士が殴り合いになった例がある。ソ連飛行士は地球着陸の際、オオカミに襲われぬよう、護身として銃器を所持していた(そのため、殴り合い以上に発展=撃ち合いになった可能性もある)。参考・ヒストリーチャンネル『ザ・ユニバース S3#33』番組内の解説を一部参考。
  19. ^ こうしたケースを題材とした落語の演目もあり、「禁酒番屋」は、酔っ払いで斬り合いに発展したことから藩内で禁酒令が出たという語りとなっている。
  20. ^ 平家物語』では壇ノ浦の合戦において、源義経梶原景時が先陣争いの手柄の事柄で、危うく同士討ち寸前まで緊迫した状態になったことが記されており、前近代において功績独占欲が同士討ちに発展する可能性があったことがわかる内容である。
  21. ^ NHKBSプレミアム2012年8月23日(木曜)放送の『BS歴史館 「ここまでわかった!?忍者の真実∼乱世の影に忍びあり∼」』の番組内の解説として、この戦法を忍者が用いたことが語られている(前近代から敵偽装による同士討ち作戦が行われていた例)。
  22. ^ 前近代においても植民地を有した国は多様な人種による兵を組織しているため、人種が少ない軍隊よりは潜入が容易である。
  23. ^ 忍術では、「蛍火の術」(偽の情報文書と共に敵に捕まり、内部の裏切りを匂わせる)がこれに当たり、敵の同士討ちを意図的に高める目的もある。成功例としては、毛利元就尼子氏に対して行った作戦があり、内部に裏切者がいると記した書を罪人に持たせ、尼子氏領付近で斬殺し、通りかかった兵に調べさせ、書を読んだ尼子氏側を疑心暗鬼にさせ、内紛に発展させ、最終的には滅亡にまで追い込んでいる。参考・2013年1月3日(木曜)放送、NHKBSプレミアム『覇王伝説∼最強の戦国武将は誰だ?∼』の番組内説明を一部参考。
  24. ^ 映画『東京湾炎上』では、テレビを逆手に取り、特撮映像を駆使してセットを爆破し、テロリストを騙す逆演出が成された。
  25. ^ 『蓮月尼全集』
  26. ^ ロシアンルーレットは、場合によっては、一つの拳銃を使用するに限らず、二丁用意して互いに向け合ったり、または、集団で複数の銃を用いて一斉に行う場合もあり、ルールによっては同士討ちとなる。

参考文献[編集]

  • 『日本書紀』
  • 『平家物語』
  • 『承久記』
  • 『吾妻鏡』
  • 『自衛隊の名機シリーズ② 航空自衛隊 F-15』 イカロス出版 2004年 ISBN 4-87149-5221

関連項目[編集]

  • 失敗学 - 同士討ちはヒューマンエラーに入り、学習が必要
  • 敵味方識別装置 - 同士討ちを防ぐための、電波を用いた電子装置
  • 誤爆 - 攻撃目標ではない、あるいは攻撃してはならない対象を爆撃すること。同士討ち(友軍への攻撃)も含む。