吉田のうどん
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吉田のうどん(よしだのうどん)は山梨県富士吉田市及び同市を包含する山梨県郡内地方で食べられているうどんである。2007年農林水産省が各地に伝わるふるさとの味の中から選定した「農山漁村の郷土料理百選」のひとつである。
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[編集] 歴史
山梨県の伝統的な粉食料理体系における日常食としては、幅広の麺を豊富な野菜とともに味噌味の汁で煮込んだほうとうが一般的であり、富士吉田市及び郡内地域でも広く食されている。伝統的な食のほうとうは麺よりも野菜の量が多いケの食事であり、小麦粉を多量に消費するうどんは外食またはハレの食として明確に区別されている。
当地は富士北麓は冷涼な気候と溶岩台地の地理的条件から稲作が困難であったが、山麓地域では水掛麦による麦作が行われ伝統的に粉食料理が食べられていた。
また、江戸時代には富士講が盛んとなり、北麓地域では吉田宿や河口宿など富士参詣者相手の御師町が成立するが、専門店としての始まりは、参詣客を相手にしたものであったといわれる。あらためて店舗を構えずに一般の居住用家屋を昼時だけ開放してうどんを供したといわれる。今でもその名残で看板も暖簾も掲げない居住家屋の一階居間を利用した店舗が多く見られる。
また、江戸末期から昭和にかけて郡内地方では女性が主役の養蚕や機織が産業の中枢を占めており、良質な農作物に恵まれないこの地の男性の仕事は行商することであった。そのため男性たちは家にいる間は機織の女性達のための昼食としてうどんを打った。さらにハレの飽食感を演出する必要性があり、コシ、硬さ、太さに特徴を持つ吉田のうどんが育まれたと言われている。
[編集] 特長
[編集] 麺
もっとも大きな特徴は、グルテンの生成によるコシが必要とされないほうとうと一般のうどんに対し、非常にコシが強いことといわれている。しかし吉田のうどんに限らず麺類のコシの定義はあいまいであり対比に値する評価指標ではない。よってここでは容易に比較できる要素をもって特長としておく。
まず1つ目は吉田のうどんはかなり太い麺である。断面は正方形に近いものが一般的であるが、乱切りを是とする家・店も多い。 2つ目の特徴は麺が非常に硬いことであり、特に中心部に向かって硬い傾向がある。一般のうどんは口腔内の上あごや舌、唇、箸のそれぞの間で発生する張力や圧縮力によって分断することで適量を口に含むことが可能である。いっぽう多くの吉田のうどんの場合は、うどん軸方向の張力や軸直角方向の圧縮力では切れず、きちんと歯で噛み切る必要がある。 また3つ目として煮上がり後には緩くねじれて癖になっているものが多い。これは手打ちゆえんの乱切りのためである。前記太さや硬さに加えて、このねじれがあることで麺のボリュームがさらに大きくなる。
麺に使用する粉は他地域のうどんとそう変わりはないが、硬く仕上がる粉が好まれる傾向にある。また地粉をアピールする店も多い。
[編集] 汁
汁は煮干出汁、椎茸の出汁がよく用いられる。醤油、味噌、醤油と味噌の合わせ味と家・店によって違うが、比較的合わせ味が多い。外観上も澄まし汁と味噌汁の中間といった感じを呈す。また汁にあらかじめ具が入っている場合があり、その場合は細切りないし輪切りのニンジンやシイタケが多い。合わせ味は、醤油、味噌ともに大豆から作られることから「いとこ汁」と呼ばれる。最近は県外者の客の好みに合わせて鰹節や昆布の味もある。 なお、家食の場合も基本的には、出汁と味付けは大きく変わらない。
[編集] 付け合せ
細めに切った茹でキャベツや油揚げが入る。また肉うどんの肉には馬肉を用いることが多く、トッピングにきんぴらごぼうを入れることもある。
薬味にはすりだねを用いる。これは赤唐辛子をベースにしてゴマや山椒を加えたものを油で炒めたもので、これも吉田のうどんと各店の特徴ともなっている。
[編集] 食べ方
一般家庭では冠婚葬祭時にうどんをもてなす習慣があり、その場合は煮あげた麺を大皿に盛っておき、手元のお椀に入った煮干や椎茸でとった醤油味の暖かい澄まし汁につけて食べるつけ麺方式が多い。
店舗にあるメニューで特徴的なものは、一般的な「かけうどん」に対して、馬肉(稀に違う)を甘辛く煮たものを乗せた「肉うどん」、冷たい麺に冷たい汁を皿に満たした「冷やし」、暖かい汁に冷たい麺をつけて食べる「つけ麺」が一般的である。いずれも煮キャベツが具として入れられている。
なお、つけ麺で食べるときはお代わりをする前提で皿に麺が大量に盛られている。店舗の場合は、つけ麺やかけうどんによらず一杯のボリュームがあるために、お代わりを頼む人はそう多くなくまた回数も控えめである。
[編集] 店舗
5万人規模の富士吉田市には50軒以上のうどん店があり、およそ1000人に1軒の高い比率である。価格は一杯250円~500円と比較的安い。その多くが、お昼(午後2時頃まで)のみの営業であり、日曜日は休みとなる。道の駅富士吉田の軽食コーナーや、市内各地で提供されている。また、近隣地域にも点在している。

