合同台風警報センター

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合同台風警報センター(ごうどうたいふうけいほうセンター、JTWC; Joint Typhoon Warning Center)は、アメリカ海軍アメリカ空軍ハワイ州真珠湾海軍基地海軍太平洋気象海洋センターに共同で設置した機関である。アメリカ国防総省合衆国およびミクロネシア地域住民の利益に供する為、北西太平洋地域、南太平洋地域、インド洋地域で発生する台風および熱帯低気圧について監視し、警報を発する任務を負う。

アメリカ国防総省に所属するすべての部署に情報を提供し、世界各国と連携して船舶および航空機の安全な航行を保障するために活動している[1]

歴史[編集]

太平洋地域における台風警報センター設立のきっかけとなったのは、1944年12月18日のコブラ台風である。フィリピンの東の海上で発生したこの台風は、小規模ながらも強力で、790人が行方不明となるなど、1889年以来アメリカ軍が受けた熱帯低気圧の中で史上最も大きな被害をもたらした。この台風を経験した後に、カロリン諸島マニラ硫黄島沖縄に気象観測所が設置された。データ調整を行うための新しい中核的な気象測候所がグアムおよびレイテに置かれた[2]。 合同台風警報センターが最初に設立したのは1959年のことで、旧来よりグアム、ハワイ、フィリピンおよび日本にあった空軍施設と海軍施設を統合してグアム島ニミッツヒルを拠点とした[3]。1962年11月、カレン台風によってフリート気象センターと合同台風警報センターが入っている建物が被災し、建物は破壊された。1965年に耐台風設計を施した新しい建物へ移転した[4]。さらに、1995年の基地再編による統廃合により、2000年1月1日に真珠湾へと移転した。

観測基準と任務[編集]

合同台風警報センターでは世界気象機関 (WMO) により定められた指針に従って、台風と熱帯低気圧に対してその勢力に応じた等級を付与している。ただし、WMOの推奨する風力測定の基準である「10分間の平均風速」を使用せず、アメリカ合衆国で標準的に用いられている「1分間の平均風速」を基準として継続的に使用している[5]。WMO指定のRSMCである国立ハリケーンセンター等とは異なり、JTWCはRSMCにもTCWC(熱帯低気圧警報センター)にも指定されておらず、米海軍の支援施設および米連邦政府の諮問機関として任務を行う[6]。その管轄範囲には世界中で活動する熱帯低気圧の9割以上が含まれる。

2012年現在、JTWCでは計20名が任務に従事している。大気モデルを使用する他に、アメリカ海軍・空軍により収集された気象衛星レーダー、地表および上空での観測データを基にして任務を全うしている。

1999年以前、合同台風警報センターは西太平洋で発生する台風の命名について責任を負っていた。しかしながら2000年以降はこの業務は日本気象庁に引き継がれた。

脚注・出典[編集]

  1. ^ Joint Typhoon Warning Center Mission Statement”. Joint Typhoon Warning Center. 2006年12月10日閲覧。
  2. ^ Typhoons and Hurricanes: Pacific Typhoon, 18 December 1944.”. Naval Historical Center. 2006年12月10日閲覧。
  3. ^ Richard Anstett. “Post World War II Era”. 2006年12月10日閲覧。
  4. ^ Richard Anstett. “JTWC Formation, 1958-1959”. 2006年12月10日閲覧。
  5. ^ サファ・シンプソン・ハリケーン・スケールを参照。
  6. ^ JTWC Frequently Asked Questions”. Joint Typhoon Warning Center. 2006年12月10日閲覧。

外部リンク[編集]