取り替え子 (小説)

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取り替え子』(チェンジリング[1])は2000年に出版された大江健三郎の長編小説。伊丹十三の自殺にショックを受けた大江が、伊丹との思い出を一つの小説に纏めたものとされるが、巧みに創作を織り交ぜており、話の内容全てが事実だとは限らない。

あらすじ[編集]

カセットテープに録音された吾良の声を聞きながら、古義人は田亀のシステムを使って自殺した吾良と会話を始める。古義人はショックを忘れる為にドイツへの公演旅行に出るが、そこで吾良の自殺の理由を知る事になる。田亀を用いて二人は暴力団による襲撃事件、四国での少年時代の出来事や、吾良が映画をどのように考えていたのか、などを巡って話し続ける。モーリス・センダックの絵本を見ながら吾良を思い出して、改めて悲しみに襲われる。ウォーレ・ショインカの『死と王の先導者』から台詞を引用して物語は終わる。「もう死んでしまった者らのことは忘れよう、生きている者らのことすらも。あなた方の心を、まだ生まれてこない者たちにだけ向けておくれ」

登場人物[編集]

長江古義人(こぎと)
国際的な作家。その名はデカルトcogito ergo sumに由来している。
塙吾良(ごろう)
自殺した古義人の義理の兄。映画監督をしていた。
長江アカリ
古義人の息子で、知的障害者。
長江千樫(ちかし)
古義人の妻。
篁(たかむら)
作曲家。癌で死去。
東ベーム夫人
古義人のベルリン公演を仕掛けた女性。

関連項目[編集]

出版[編集]

  • 『取り替え子(チェンジリング)』講談社、2000年
  • 『取り替え子(チェンジリング)』講談社文庫、2004年 ISBN 4-06-273990-9
  • 『おかしな二人組」三部作』講談社、2006年
『取り替え子』・『憂い顔の童子』・『さようなら、私の本よ!』のセット特装版。

脚注[編集]

  1. ^ よみは文庫表紙、NACSIS Webcat その他による。