収入証紙

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収入証紙(しゅうにゅうしょうし)は、地方自治体(主に道府県、東京都は廃止)が条例に基づいて発行する金銭の払い込みを証明する証票のことである。領収証紙(りょうしゅうしょうし)としている地方自治体もある(道府県では福岡県のみ)。

概要[編集]

富山県収入証紙。立山連峰クロユリが描かれている。

租税手数料などの納付に使用される。額面は様々で、租税や手数料の額と同じになるように端数の額面などがある場合もある。またデザインは都道府県によって異なっている。現在は廃止された東京都は都庁ビルであったが、近年では原版の磨耗や印刷コスト削減のため、国立印刷局が定める統一デザイン(1000円未満は「桜」、1000円以上は「唐草」がデザインで、金額により色が異なる。最高額は10000円券)に移行している自治体が増えつつある(静岡県など)。一部の会計を区切り、当該会計専用の収入証紙を別途発行しているケースもある(滋賀県の例では、滋賀県収入証紙のほか、滋賀県警察関係事務手数料収入証紙、滋賀県計量法関係手数料収入証紙がある)。

同種の物として、国庫収入となる租税手数料その他の収納金の徴収のために、財務省が発行する「収入印紙」がある。収納先が違う為双方に互換性はなく、「印紙」を道府県への、「証紙」を国への支払いに用いる事は出来ない。

売捌所[編集]

売捌所は道府県・市町村・特別地方公共団体で異なり、道府県のものは大半は道府県税事務所や道府県庁舎の購買店舗(県庁職員生協などを含む)で発売している他、出先機関(道府県の地方総合庁舎や地域振興局などを含む)、警察署の購買又は交通安全協会の支部、自動車教習所を運営する企業、物産販売施設でも取り扱っているケースがある。


実際の利用例[編集]

パスポートの申請の際、申請に必要な費用のうち、国に納める部分を収入印紙、道府県に納める部分を収入証紙の貼付を以って行うことが多くみられる。

東京都を除く多くの道府県では運転免許試験の申請、運転免許証の交付、更新、国外運転免許証の発給などに係る手数料を申請書に収入証紙を貼付して納付する。

教育職員免許状の申請は、特別支援学校の各種免許で「新教育領域の追加」の申請[1]などの例外を除き、原則として勤務校所在地ないしは申請者の住民票上の住所を管轄する道府県[2]教育庁または教育委員会あてに、手数料を添えて(「一括申請」の場合は大学の担当事務[3]を通して、現職教員で勤務校所在地の道府県に申請する場合は勤務校を通して[4])申請するため、専用の台紙に、申請する道府県の収入証紙を貼り付けた状態で他の書類と一緒に、各道府県教育庁教職員課あるいは高校教育課[5](後者の場合、高等学校の免許を申請しない場合は、当然義務教育課などだが、高校の免許が1つでも含まれる場合は、通常は、他校種の免許申請の有無にかかわらず高校教育課となるが、道府県により逆のパターンも存在する)へ提出する事例が見られる。

また、教育職員免許状更新講習の修了確認[6]教育職員免許状授与証明書[7]等の申請にかかわる手数料についても、原則道府県収入証紙にて納付する。

ごみ収集を有料化する地方自治体(ごみ処理を共同処理する一部事務組合を含む)が収入証紙を発行する例では、指定ごみ袋等にあらかじめ収入証紙が印刷されているケースもある。

払戻については、基本的には出来ないが、一部の自治体では条例で定められた要件(具体例として、危険物取扱者免状を紛失し再交付のため収入証紙を購入したがのの原本を発見し、その後居住している道府県外に転居する場合など、将来的にその自治体の収入証紙を使用する見込みが低くなる等)を満たせば手数料(概ね3パーセント)を差引いた額を口座振替ないしは隔地払で払戻される。

東京都収入証紙の廃止[編集]

かつて使用されていた東京都収入証紙。

東京都は2008年7月2日に「東京都収入証紙条例を廃止する条例」(平成20年東京都条例第83号)を公布し、2010年4月1日から施行した。一部の手数料の納付については東京都が現金での納付を認めまたは現金のみでの納付に限られている現状があり(旧東京都収入証紙条例2条後段に規定。)、売捌き所も他の道府県と比べて少なく、実情にそぐわないと判断されたため。

東京都収入証紙は施行日以後発行されておらず、すべての手数料は現金で納付する。既存の東京都収入証紙は2011年3月31日で通用は終了した。通用終了後の証紙は2016年3月31日まで、返還して還付金の支払いを受けることができる。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ^ このケースは、収入証紙自体は、新教育領域追加申請のための手数料納付のために必要ではあるが、勤務地や住民票上の住所に関わらず、基礎免許状の授与権者の管轄する都道府県の教育庁と同一の教育庁に申請しなければならない。よって、すでに所有している免許状の授与権者たる都道府県の証紙でなければならない。また、「授与」には当たらないため、免許更新制の期限延長や更新はできない。
  2. ^ あるいは、大学卒業と同時の申請・授与による取得、いわゆる「一括申請」による取得の場合は、学生の居住地および住民票上の住所にかかわらず大学本部所在地の都道府県となる。
  3. ^ 大学によっては、収入証紙相当分の金額を現金ないし大学の証明書発行機で金額分のシールなどを購入する形で支払い、授与申請者本人が収入証紙を購入する必要のない状態にするケースもある。
  4. ^ 仙台市立学校のように、勤務校の事務決裁の上で、仙台市教育局学校教育部教職員課人事企画係に直接出向いた上で提出の上、宮城県に回送し、宮城県から免許状が届いた際に取りに出向くという形態を採っている、各都道府県教育庁ないしは各市区町村の教育局・教育委員会事務所・教育委員会等が存在する。
  5. ^ 秋田県の場合は、以前は原則高校教育課(高校以外の免許状を単独で申請する場合は義務教育課や特殊教育課などが担当していた)が担当していたが、現在は免許状の校種に関わらず、義務教育課の担当に変更されている。
  6. ^ 現職の教員の場合は勤務校の所在する道府県、そうでない場合は住民票を置いている道府県が申請先となるため、それに応じた収入証紙が必要。
  7. ^ 宮城県のように無料で発行する教育庁の場合は、申請書と返信用封筒のみの提出で構わないが、有償の教育庁の場合は、1教科(1校種)あたり、概ね400円程度がかかるため、そちらも収入証紙を使用して手数料決済を行う。