双有理不変量

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代数幾何学において、双有理不変量(birational invariant)は、双有理同値写像で保存される性質である。

定義[編集]

双有理不変量は、代数多様体双有理同値類上の well-defined な量や対象である。言い換えると、双有理不変量は、代数多様体の函数体のみに依存する。

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最初の例は、ベルンハルト・リーマン (Bernhald Riemann) 自身の基礎的な仕事により与えられる。彼は論文で、各々の代数曲線に対してリーマン面を定義できることを示した。すべてのリーマン面は、代数曲線から生じ、双有理同値の違いを除いて well-defined で、2つの双有理同値な曲線は同じ曲面を与える。従って、リーマン面、あるいはより単純に、リーマン面の種数は、双有理不変量である。

より複雑な例は、ホッジ理論により与えられる。代数曲面の場合には、非特異射影複素曲面のホッジ数 h0,1h0,2 は双有理不変量である。ホッジ数 h1,1 は双有理不変量ではない、なぜならば、曲面上の曲線への点のブローアップ英語版によって増えることがあるからである。

参考文献[編集]

  • Reichstein, Z.; Youssin, B. (2002), “A birational invariant for algebraic group actions”, Pacific Journal of Mathematics 204 (1): 223–246, doi:10.2140/pjm.2002.204.223, MR1905199 .