即決裁判手続
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即決裁判手続(そっけつさいばんてつづき)とは、刑事訴訟法における手続きの一種である。2004年(平成16年)の刑事訴訟法の改正に盛り込まれており、2006年10月2日から導入された。
目次 |
[編集] 手続
検察官は、公訴を提起しようとする事件(死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる事件を除く)について、事案が明白であり、かつ、軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮し、相当と認めるときは、被疑者の同意を条件として、起訴と同時に、書面により即決裁判手続の申し立てができる(刑事訴訟法第350条の2)。その後、刑事裁判の冒頭手続きにおいて、被告人が起訴状に記載された訴因について自ら有罪である旨の陳述をしたときは、一定の場合を除き、裁判所が即決裁判手続を開始する決定をする(同法第350条の8)。
この手続きによる場合は、検察官側の恣意的な即決手続移行申立やその後の訴訟追行における恣意の防止を担保するため、必要的弁護事件とされ、弁護人なくしては開廷できない(第350条の9)。証拠調べの手続においては、伝聞法則は原則として適用されない(第350条の12)。検察官による冒頭陳述を省略するなど、証拠調べの方式について裁判所による裁量の幅が広がっている(第350条の10)。
もっとも、被告人の自白だけで有罪とされることはないし(第319条2項)、被疑者及び弁護人の同意は第一審の判決が言い渡されるまでにはいつでも撤回することが可能なため、司法取引そのものには当たらない。
最高裁は2009年7月14日に即決裁判手続の合憲判決を出した。
[編集] 判決
即決裁判の手続きにおいては、判決は原則として即日に言い渡される(第350条の13)。また、有罪判決であっても、懲役又は禁錮の判決を言い渡すときは、必ず執行猶予が付けられることになる(第350条の14)。この場合は、量刑を理由とする上訴しかできず、事実誤認を理由とする上訴は不可能となる(控訴につき第403条の2、上告につき第413条の2)。
[編集] 問題点
即決裁判については、判決に執行猶予が付くことが定められていることもあって、原則として被害者のいない自己使用目的の薬物犯罪について適用されることを念頭に置いていたが、昨今は傷害事件や詐欺事件など、被害者が存在し、被害の弁済が必要な犯罪にも適用されることが多くなり、専門家らの間で「加害者が罪と向き合わなくなり、被害弁償もしなくなる」と危惧する声がかねてより出ていた。これについては、神戸市で起こった次の事件により、危惧が杞憂ではなかったことが明らかになった[1]。
[編集] 脚注
- ^ 即決裁判で猶予判決の男、被害弁償せず不明…懸念が現実に 読売新聞 2008年8月19日