南関東ガス田

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南関東ガス田(みなみかんとうガスでん)は、千葉県を中心とした南関東一帯に分布する日本最大の水溶性天然ガス田。水溶性天然ガスとは地下地層)で地下水に溶解しているが、圧力が解放された地表ではから分離して気体になるガスのことで、主成分は都市ガスと同じメタンであり、地層中で微生物により生成された。

目次

概要 [編集]

南関東ガス田の範囲

千葉県を中心に茨城県埼玉県東京都神奈川県の一都四県に及び、鉱床面積は 約4,300 km²[1]、埋蔵量は7,360億[2]可採埋蔵量は 3,685億 m³と推定され[2][3]、日本国内で確認済みの天然ガス埋蔵量の9割を占める[4]。東京での生産も行われていたが、ガス採掘に伴う地下水汲み上げ(揚水)が地盤沈下を招いたことから採掘は規制され、現在は千葉県の茂原地区を中心とする九十九里浜沿岸部が最大の供給地区。地元では「上(うわ)ガス」[5]「野ガス」と呼ばれている[6]関東天然瓦斯開発は茂原地区を鉱区として持ち、その埋蔵量は 1,000億 m³ と推定される[3]

ガスは鹹水(かん水)と呼ばれる地下水に含まれている。鹹水は化石海水が起源とされており、海水に似た成分だが、海水の2,000倍ものヨウ素を含んでいる。これだけ高濃度の濃縮ヨウ素が存在する場所は世界的にも珍しく、日本はチリに次いで世界第2位のヨウ素産出国となっている[7]

地下において高い圧力下にある場合はメタンは地下水に溶けているが、大気圧のもとでは水にほとんど溶けないことから、地下水の汲み上げを行うとメタンガスが自ら分離して発生することとなる。南関東ガス田は他の水溶性ガス田に比べて鹹水に溶けているメタンガス濃度が99%と非常に高いのが特徴で、単なる化石海水ではなくメタンハイドレートを起源とするなどの説もある[8]

近隣の多くの自治体が条例などで無許可でのガス利用を禁じているため、個人が勝手に燃料として利用できず、地元の都市ガス会社が精製した天然ガスを各家庭が利用している。ただし、千葉県内を中心に旧家等で条例制定以前から天然ガスを利用している家庭(約300世帯)は例外的にガス利用が認められている場合がある[6]

構造 [編集]

関東平野の基盤を構成する上総層群といわれる地層のうち、上総層群中部と呼ばれる国本層、梅ヶ瀬層、大田代層、黄和田層の地下水に天然ガスが溶け込んだ状態で存在してガス層を形成する。特に梅ヶ瀬層と大田代層でガス胚胎が大きいとされている。

上総層群は第三紀鮮新世第四紀更新世古期(約300万年前〜約40万年前)に海底で堆積した地層で、砂岩泥岩および凝灰質砂礫などからなり、おおむね深度100mから2,000mに亘る広い範囲に堆積している。

地盤沈下公害 [編集]

天然ガスの採掘は1930年代から始まり、第二次世界大戦後は日本各地で行われた。南関東地域では、千葉県茂原市などのほか、江戸川区江東区を中心とする東京都内の「東京ガス田」でも行われていた。東京都下町低地地域で発生していた大規模な地盤沈下海抜ゼロメートル地帯発生など)の主要原因として、この東京ガス田による生産(地下鹹水の揚水)があった。このことから地盤沈下を抑止するため、東京都は1972年に民間企業から江東区、江戸川区の天然ガス鉱業権を買収し、地下水の揚水を全面停止している[9]

事故 [編集]

千葉県 [編集]

千葉県では地表から天然ガスが湧出する地域があり、このガスによる事故が発生している。事故を防ぐため、家屋の床下の基礎部分にガスを逃がす仕組みを設置している地域もある。鹹水のメタン発酵に伴い生成されるガスが地下水中で過飽和になることで遊離ガスとして発生し、これが地上まで上昇してくることによる。

東京都 [編集]

首都圏では鹹水を胚胎する帯水層の分布と重なる地域が多いことから、東京でも地下開発に伴う事故が発生している。

このほかの事例は、経済産業省関東東北産業保安監督部が作成した平成における可燃性天然ガスが原因と考えられる主な爆発・火災等事故事例を参照のこと。

脚注・出典 [編集]

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参考文献 [編集]

関連項目 [編集]

外部リンク [編集]