千社札
千社札(せんじゃふだ)とは神社や仏閣に参拝をした記念として貼る、自分の名前や住所を書き込んだ札のことである。愛好家は「せんしゃふだ」と発音する。紙製が多いが、木札や金属製のものも存在する。江戸時代中期以降に流行し、次第に手書きから木版製に移行した。近年ではシール状になっているものも多く、これらはゲームセンター等に設置されている専用の作成機で名前等を入力した上で作成することが出来る。
神社仏閣に納札するための単色刷りで屋号や土地名、模様と名前をスミ刷にした「貼札(はりふだ)」と呼ばれる「題名札」と、色を何色も使い、デザインにも凝った「色札(いろふだ)」と呼ばれる「交換納札」がある。
題名を記した札(題名札)が貼られている間は参籠(宿泊参拝)と同じ功徳があると民間信仰では考えられていた為、日帰り参拝者が参籠の代わりに自分の札を貼ったのが始まりであり、神社仏閣の許可をもらいご朱印を頂いた上で千社札を張るのが本来の姿である[1]。神社仏閣に無断で貼ったり、剥しにくいシールを貼ったりするのはマナー違反である。
奉納の際には通常目立つところに貼るが、「隠し貼り」といって風雨に晒されず目立たないところに貼ることもある。手軽に作成できるようになり、本来の用途とは外れた様々な用途に使用されることが増えてきている。
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[編集] 寸法
千社札(一丁札)の紙寸法は、幅一寸六分(58ミリ)、高さ四寸八分(174ミリ)。
この一丁札の中に子持ち枠と呼ばれる罫囲みがあり、この中に文字などを入れる。子持ち囲みは外枠が太枠、内が細枠。明治20年に、それまでまちまちだった子持ち囲みの寸法が外寸法で幅48ミリ高さ144ミリと決められた。比率はいずれも1:3となっている。札の上部に余白を開ける。
ほかに、連札(れんふだ)と呼ばれる横幅が二枚分の二丁札、そして三丁札、八丁札など大きさもいろいろある。元となる奉書全判は十六丁で、紙寸法は395×530ミリ。この紙全体を切らずに一枚のもで作った札を16丁札といい、通常はこの紙を短辺を半分にして、これを左右8分割して、全判を16分割したものを一丁札(いっちょうふだ)という。
[編集] 書体
千社札に使われる文字の書体は、江戸文字の「籠文字」が用いられる。小さく入れる場合は、「寄席文字(よせもじ)」も使われる。錦絵と同じ江戸木版画によって印刷される。
[編集] 抜け
神社や仏閣に奉納した千社札は天井や壁に貼られてゆき、長い年月が経過して紙の空白部分が腐食すると墨の印刷された部分のみが残る。これを「抜け」という。
[編集] 近年における千社札
最近では手軽に作れるシール形式の千社札が急増しており、宗教的な用途以外にも名札の代わりにしたり、気合を込めるの意味で太鼓の達人のプレイに使用する自作の撥に貼り付けたりと様々な用途が生み出されている。しかしその反面、神社などではマナーに欠けた参拝者の貼り付けを迷惑行為として千社札の奉納自体を禁じている場合もある。
[編集] 迷惑とされる行為
シールによる千社札の普及が、古くからある千社札の伝統や決まりを乱していると批判の対象になっている。
- 他人の千社札の上に貼る
- 特に「抜け」た跡に貼る場合などは、自覚無しに上貼りされることもある。
- 色札を貼る
- 本来は墨の単色刷りのもののみを貼るべきであり、目立つこのような札は貼るべきではない。さらに、悪質なものでは必要以上に名前以外の文字・絵を描いて宣伝に利用される場合もある。
- はがしにくいシールを用いる
- 千社札は施設の都合により剥がされることもあることを考慮に入れ、そのような場合でも建物を傷つけない接着物を用いる必要がある。
- 指定文化財に貼る
- 文化財指定を受けた神社仏閣に千社札を貼る行為は文化財保護法に抵触する。(史跡名勝天然記念物・重要文化財の場合5年以下の懲役若しくは禁錮又は30万円以下の罰金)
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 大藤時彦「千社札」『日本大百科全書』小学館、1984-89。Yahoo! 百科事典版。
