十界

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

十界(じっかい)とは、天台宗の教義において、人間の心の全ての境地を十種に分類したもので、六道に声聞・縁覚・菩薩・仏の四を付加したものである。十界論十方界あるいは十法界(じっぽうかい)とも言われる。天台教学の伝統を表した『仏祖統紀』巻50に出る。

地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人界界・声聞界・縁覚界・菩薩界・界に分類され、これらの総称が十界である。

六道(ろくどう)[編集]

六道とは、主に人間の内面において繰り返される(輪廻)世界を指す。

地獄界
あらゆる恐怖に苛まれた状態。地獄も参照。
餓鬼界
眼前の事象に固執する餓鬼の状態。
畜生界
動物的本能のままに行動する状態。食欲睡眠欲性欲物欲、支配欲など、欲望のままに行動する状態を指す。
修羅界
会話を持たず「武力」をもって解決を目指す状態。日常的な喧嘩から国家間の戦争に至るまでの全般を指す。
人界
平常心である状態。だが、人間的な疑心暗鬼を指すともされる。
天界
諸々の「喜び」を感じる状態。主に瞬間的な喜びを指す。

また、

  • 人間の忌むべき部分、地獄界・餓鬼界・畜生界の三種をもって三悪趣(三悪道とも)と括られる場合がある。
  • 三悪趣に「修羅界」を加え四悪趣(しあくしゅ)とされる場合もある。
  • 三悪道に対し、修羅界・人間界・天上界の三種を三善道ともいわれる。
  • 四聖(後述)を悟界というのに対し、六道を迷界ともいう。

四聖(ししょう)[編集]

四聖とは、天台宗において六道に付加された4つの世界を指す。寓画的な世界よりも、むしろ人間の精神状態といった意味合いが強い。この四聖を悟界(ごかい)という。

声聞界
仏法を学んでいる状態。仏法に限らず、哲学・文学・物理学、さらには大衆娯楽や子供の戯言に至るまで「学ぶ」状態を指す。
縁覚界
仏道に縁することで、自己の内面において自意識的な悟りに至った状態。仏界における「悟り」とは根本的に異なる。
菩薩界
仏の使いとして行動する状態。自己の意思はともかく「行動」そのものを指すとされる。
仏界
悟りを開いた状態。

関連項目[編集]