北総鉄道
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 市場情報 | 非上場
|
| 略称 | 北総 |
| 本社所在地 | 〒273-0107 千葉県鎌ケ谷市新鎌ケ谷四丁目2番3号 |
| 設立 | 1972年(昭和47年)5月10日 |
| 業種 | 陸運業 |
| 事業内容 | 鉄道による一般運輸事業、その他これに関連する事業 |
| 代表者 | 代表取締役社長 笠井孝悦 |
| 資本金 | 24,900百万円(2008年3月31日時点) |
| 売上高 | 14,386百万円(2008年3月期) |
| 営業利益 | 4,904百万円(2008年3月期) |
| 純利益 | 1,540百万円(2008年3月期) |
| 純資産 | -8,734百万円(2008年3月31日時点) |
| 総資産 | 115,898百万円(2008年3月31日時点) |
| 従業員数 | 302人(2009年7月1日現在) |
| 主要株主 | 京成電鉄株式会社 (50%) 千葉県 (22.29%) 独立行政法人都市再生機構 (17.27%) 松戸市 (1.37%) 市川市 (1.02%) 他(2006年3月31日現在) |
| 外部リンク | http://www.hokuso-railway.co.jp/ |
| 特記事項:北総開発鉄道として設立 | |
北総鉄道株式会社(ほくそうてつどう)は、東京都東部から千葉県北西部を結ぶ北総線を運営する日本の鉄道会社。
京成グループの企業の一つで、京成電鉄が筆頭株主であるほか、千葉県や松戸市など沿線地方公共団体が出資する。本社は千葉県鎌ケ谷市新鎌ケ谷四丁目2番3号[1]にある。
目次 |
[編集] 概要
千葉ニュータウンの建設開始に伴い、1972年3月の都市交通審議会(現在の運輸政策審議会)答申第15号が示した2本の東京都心直結ルートの一つを運営するために、京成グループ主体により設立されたものである。なお、もう一つについては「千葉県営鉄道#計画路線(北千葉線)」を参照。
その後、京成電鉄の経営悪化に伴い、千葉ニュータウン建設の事業主体である千葉県、1973年に事業に参加した宅地開発公団(後に住宅・都市整備公団、都市基盤整備公団を経て現在は都市再生機構)および沿線の地方公共団体や金融機関が出資者として加わり、第三セクター会社となった。
営業収益は毎年100億円以上(2010年度は151億円)あり、2000年度より11期連続黒字である。しかし、建設関連に伴う借入金の額が多く、2011年3月の時点で固定負債が937億円あり、約31億円の債務超過となっている。債務超過額は、かつては日本全国の第三セクター鉄道の中で第3位だった(2006年3月末現在のデータによる)[2]。
| 経常利益 | 純利益 | 翌期繰越損失 | |
|---|---|---|---|
| 2006年度 | 22億2,900万円 | 11億1,300万円 | 365億800万円 |
| 2007年度 | 24億5,300万円 | 13億3,300万円 | 351億7,400万円 |
| 2008年度 | 30億6,700万円 | 15億4,000万円 | 336億3,400万円 |
| 2009年度 | 33億100万円 | 18億3,400万円 | 301億3,000万円 |
| 2010年度 | 35億8,500万円 | 21億6,200万円 | 279億6,700万円 |
[編集] 歴史
北総鉄道は、その設立の経緯から千葉ニュータウンの建設と密接なつながりを持ち、歴史は千葉ニュータウン建設の歴史でもある。
千葉ニュータウンの建設は1966年に千葉県が構想を発表し、1969年に都市計画を決定した。1970年に小室地区から事業が着手されたものの、用地買収が計画通りに進まずスローダウン、その間に東京圏への人口集中が鈍化し、住宅確保の緊急性が薄れたこともあって、当初の計画から大幅な変更・縮小を余儀なくされている。これはそのまま北総鉄道の経営に影響を及ぼしている。そのような動きにより、既に不動産事業から撤退し、事業内容にそぐわない「開発」の名を都市基盤整備公団の撤退を機に社名より外し、「北総・公団線」と呼ばれた同線も「公団」を外して「北総線」とした。
2010年7月17日より、北総線を経由し都心と成田空港を結ぶ成田スカイアクセス(成田空港線)の新ルート開通により、北総鉄道の線路上を京成電鉄が運行する空港アクセス列車が走っている。
- 1972年(昭和47年)5月10日 北総開発鉄道設立。
- 1979年(昭和54年)3月9日 北総線(第1期)北初富駅 - 小室駅間開業。当初は新京成電鉄松戸駅まで乗り入れ。
- 1982年(昭和57年)5月 新東京国際空港アクセス鉄道として位置付け。
- 1984年(昭和59年)3月19日 住宅・都市整備公団千葉ニュータウン線小室駅 - 千葉ニュータウン中央駅間が開業し、運営を受託。
- 1988年(昭和63年)4月1日 住宅・都市整備公団千葉ニュータウン線の第2種鉄道事業者となる。同時に第一種鉄道事業区間を含めて「北総・公団線」と改称する。
- 1991年(平成3年)3月31日 北総・公団線(第2期)京成高砂駅 - 新鎌ヶ谷駅間(第1種鉄道事業)開業。
- 1992年(平成4年)7月8日 北初富駅 - 新鎌ケ谷駅間廃止。新京成電鉄新鎌ヶ谷駅の開業に伴う乗り入れ中止による。
- 1995年(平成7年)4月1日 千葉ニュータウン中央駅 - 印西牧の原駅間(第2種鉄道事業)開業。
- 2000年(平成12年)7月22日 印西牧の原駅 - 印旛日本医大駅間(第2種鉄道事業)開業。印旛車両基地供用開始。
- 2000年(平成12年)10月14日 共通乗車カードパスネット対応カードとして、「ほくそうパッスルカード」発売・運用開始。
- 2004年(平成16年)7月1日 社名を北総鉄道に変更、同時に北総・公団線を「北総線」と改称。
- 2007年(平成19年)3月18日 PASMOを導入。同時にSuicaと相互利用開始。
- 2008年(平成20年)1月10日 共通乗車カードパスネットの発売終了。
- 2008年(平成20年)3月14日 共通乗車カードパスネットの自動改札機での使用を終了。
- 2010年(平成22年)7月17日 北総線全線が京成成田空港線(成田スカイアクセス)の一部となり、京成上野 - 成田空港間の直通列車が運行を開始。
[編集] 路線
北総鉄道は32.3kmの路線を有するが、一部は第3種鉄道事業者の千葉ニュータウン鉄道が施設を保有する第2種鉄道事業区間である。京成電鉄が第2種鉄道事業者として成田空港へのアクセス列車を運行している成田空港線(成田スカイアクセス)は、北総線と施設を共用しており、2010年7月17日の成田スカイアクセス開業後は、京成高砂駅に加え東松戸駅・新鎌ヶ谷駅・千葉ニュータウン中央駅・印旛日本医大駅の各駅が共同使用駅となっている(京成高砂以外の管理権は北総鉄道のまま)。
- 北総線(第1種鉄道事業):京成高砂駅 - 小室駅 19.8km 12駅
- 北総線(第2種鉄道事業、第3種鉄道事業者は千葉ニュータウン鉄道):小室駅 - 印旛日本医大駅 12.5km 3駅
- 【廃止】北初富駅 - 新鎌ケ谷駅 0.8km
[編集] 車両
2010年3月現在8両編成7本(56両)が在籍するが、自社所有の車両は5本(40両)で、残りの2本(16両)は京成電鉄からのリース車である。そのほか、千葉ニュータウン鉄道所有の8両編成5本(40両)も管理している。便宜上、同社所有車についてもここに記す。また、千葉ニュータウン鉄道所有車・京成電鉄からのリース車両を含むすべての現有車両が京浜急行電鉄乗り入れ対策のため、先頭車を電動車としている。整備はともに京成電鉄で行われるが、当初9000形と9100形については新京成電鉄で整備されていた。
[編集] 自社車両
[編集] 現有車両
- 7500形:自社所有車。車体構造やスペックは京成3000形や新京成N800形と同一設計である。2006年2月20日より営業運転を開始。
- 7300形:元新京成乗り入れ対応車の自社所有車2本(16両)および京成3700形のリース車両1本(8両)。自社所有車は第2期区間開業時より営業運転を開始。
- 7260形(7268編成):京成3300形のリース車両。
[編集] 過去の車両
- 800形:新京成800形のリース車両。塗装は変更されなかったが、返却後に車体の車両番号表記がプレート式へ変更された。また2期線や新京成線以外の他社線への入線は行われなかった。
- 7050形:京成3150形のリース車両。このうち7064Fと7068Fの4連2本は前面帯が標準のものより薄い色だった。
- 7250形(7258編成):京成3200形のリース車両。2005年度に廃車回送された。
- 7150形:京急1000形を譲受の上運用した。このうち4両は晩年にカラードア試験を実施した。ただし、SR無線を装備しなかったので、7000形や7300形と違って新京成には入線できなかった。
- 7000形:自社所有車。元新京成乗り入れ対応車。前面がゲンコツ形のためゲンコツ電車と呼ばれる。7500形への置き換えで2007年3月25日のさよなら運転を最後に運転を終了し、全車が廃車された。
[編集] 千葉ニュータウン鉄道所有車
- 9100形:愛称はC-flyer(シー・フライヤー)。斬新なデザインに加えて車端部クロスシートを装備するが、スペック的には7300形と同じである。印西牧の原延伸と同時に営業運転を開始した。
- 9000形:当初は2000形と名乗っていたが、京急線への乗り入れに際して京急にも2000形があるため、地下鉄1号線乗り入れ協定に準拠して改番された。当時の住宅・都市整備公団千葉ニュータウン線開業と同時に営業運転を開始した。
1991年の第2期線開通当初は京成車両の北総線への乗り入れが行われていたこともあった。当時京成車で千葉ニュータウン中央行の場合、行先表示の「ニュータウン」を大きく表示して千葉中央行と区別していた。その後、北総線列車が羽田空港方面にシフトしたことや、親会社である京成電鉄からの経営支援策(京成線内における北総車の車両使用料を金銭で支払うことによる北総鉄道のキャッシュ・フローの改善)の側面などから、2000年から2006年12月までは行っていなかった。
また、京成電鉄から一時的に3400形が帯色を変更せずに貸し出されたことがあるほか、1回のみだが3000形(6両編成)が直通したことがある。
[編集] 運賃
北総線全線共通・大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)(2010年7月17日改定、括弧内は改定前の運賃)
| 距離 | 運賃(円) |
|---|---|
| - 3km | 190 (200) |
| - 5km | 290 (300) |
| - 7km | 350 (370) |
| - 9km | 420 (440) |
| - 11km | 480 (500) |
| - 14km | 540 (570) |
| - 17km | 600 (630) |
| - 20km | 650 (680) |
| - 23km | 690 (730) |
| - 26km | 720 (760) |
| - 29km | 750 (790) |
| 29.1km - | 780 (820) |
[編集] 乗り継ぎ割引
- 新柴又駅と京成高砂駅経由で京成本線(お花茶屋駅 - 江戸川駅)・押上線(京成立石駅)・金町線(全線)との間を乗車する場合は、各社大人運賃で10円(合計20円)の割引。
- 北総線内各駅と京成線経由で都営線各駅との間を乗車する場合は、各社大人運賃で10円(合計30円)の割引。ただし、北総線が大町 - 印旛日本医大間の各駅発着である場合は、北総線は20円・他社局は10円(合計40円)の割引(北総線内各駅と京成・都営線を経由して東京メトロ線各駅との間で利用する場合も割引となる)。
- 北総線内各駅と京成・都営・京急線経由で羽田空港駅との間で利用する場合は、大人運賃で北総・京成10円、都営・京急30円(合計80円)の割引。ただし、北総線が大町 - 印旛日本医大間の各駅発着である場合は、北総線は20円(合計90円)の割引。
- 北総線内各駅と印旛日本医大駅以東の京成成田空港線(成田湯川駅・空港第2ビル駅・成田空港駅)との間で利用する場合は、全区間京成成田空港線扱いの運賃が適用される(ただし、実際には印旛日本医大駅を境に両社の運賃を別々に算出した上で、成田空港線のキロ程と同額になるように乗継割引を適用した金額という扱いである)。
[編集] 運賃問題
[編集] 背景
北総鉄道は東京の通勤路線の中でも運賃が際立って高い。これは、建設コストが高くついたことと千葉ニュータウン事業計画の遅れによる利用の少なさに由来する。中距離の運賃設定は、JR東日本(首都圏)・東武鉄道・京成電鉄など接続鉄道と比較して最も高額になっている(距離に対する運賃額は「運賃」の節を参照)。
千葉県内を走る東葉高速鉄道も似たような運賃設定ではあるが、相互直通運転先の東京地下鉄が低運賃のため、沿線から都心に出る際の合算運賃は他の路線と比較して特段高額にはならない。これに対し北総鉄道は、直通先に京成電鉄、東京都交通局と事業者が連続し、都心に出る際の合算運賃はさらに高額になる。実際、2期区間の東松戸駅が開業した直後には京成バスで他社線の駅へ出た方が東京までの合計運賃は安くなったといい、結果的に乗客数の伸び悩みにつながったという(「東松戸駅#利用状況」も参照)。
同様に、県内に近年開業したつくばエクスプレスと比較しても一部で1.5倍近くに達している。同線は、北総線が高額運賃による乗客離れを招いていることを他山の石として対策を行った結果、好調な業績を達成しているとされ、北総線の高額さが際立っている状況である(詳細は「首都圏新都市鉄道#概要」「首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス#運賃」を参照)。
こうしたことから、通勤で交通費(定期券)が支給される場合を除いては沿線住民でも利用しにくい状況で問題視されている。開業時に開業後10年での達成を想定していた利用者累計5億人突破は、予定より18年遅れた。
[編集] 定期券割引
北総鉄道の定期券の割引率は他社に比べて低く、通勤定期の割引率は30%である。都営線との乗り継ぎの3社線割引で京成・北総線分は5%引きとなるが、それでも割引率は33.5%である。6か月定期でかろうじて40.15%となり、定期券購入の実効性が生じる状態である。なお、各種の割引を受けられる乗車券などが発売されている。
また、北総線内にある駅の定期券売り場では、京成電鉄が発行する京成カードのみではあるがクレジットカードによる定期券購入が可能である。ただし、定期券が高額なため、定期券売り場には「京成カードで定期券を購入される場合は、カードのご利用可能枠をご確認下さい」という旨の掲示がある。PASMO定期券で北総線の定期券を発行した場合、万一紛失しても再発行が可能である。
なお、沿線の印西市・白井市では過去に「北総線通学定期券助成」制度を設けていた(有効期間が2010年7月16日を超えない通学定期券のみ有効だった)が、後述の値下げ実施に併せて定期券の割引率も引き上げられたため終了した。
[編集] 沿線住民・自治体の動き
北総線沿線住民の間では、「財布落としても定期落とすな」と言われることがあるとの指摘があり[3]、値下げを求める運動が起きている[4][5]。また、成田スカイアクセスが開通すると北総線の線路を京成電鉄が運行する空港アクセス列車が運行されることになるため、沿線市町村や一部県議会議員も北総線の運賃を引き下げるよう関係機関などに求めている[5]。その空港アクセス列車は京成電鉄が第2種鉄道事業者として運行するため、同社の低廉な運賃体系を採用することも可能であるが、この場合、従前の北総鉄道の列車の利用客と著しい運賃の差が生じる。また、北総鉄道の運賃体系をそのまま適用した場合には空港アクセス列車も従前通り高額な運賃となる。こうした中、空港アクセス列車の運行により北総鉄道にも多額の線路使用料収入が見込まれることから、運賃引き下げを求めている。
2009年9月5日には、千葉県と沿線自治体6市2村が北総鉄道に対してそれぞれ年2億円の補助をする代わりに、5%以上の運賃値下げを要求することで、合意する目処がたった[6]。その間、成田スカイアクセスの運賃が認可されるまで、自治体側と北総鉄道・京成電鉄との間で運賃をめぐる交渉を行った。同年10月には、成田スカイアクセスの路線の一部となる北総鉄道の運賃値下げに「格段の配慮」を求める要望書を千葉県知事が国土交通大臣に提出した[7]。
2009年11月5日には、減収分の補填については県と沿線6市2村が年間3億円を5年間負担するほか、京成電鉄も年間2億5000万円を負担することで合意したことが千葉県から発表された[8]。
こうした動きの一方、2010年5月には成田スカイアクセスの運賃は北総線利用者の高負担で支えられているとして、国が京成に与えた運賃認可取り消しを求め、市民グループが国を相手に提訴することを発表した[9]。
[編集] 国会における議論
1999年の衆議院運輸委員会 11号(1999年7月1日)では、自由民主党の実川幸夫がこの問題を取り上げ、運輸省の鉄道局長(当時)は「現在の運賃をできるだけ長く、上げないで維持できるようにということで頑張っていきたいと思っております。」と答弁した。
2009年の衆議院総務委員会 (2009年3月13日)では、成田財特法改正案の審議の中で民主党の田嶋要がこの問題を取り上げた。国土交通省鉄道局次長は「千葉県と関係市町村で構成される北総鉄道利用促進協議会に参画し意見を言って行きたい。」とこれまで通りの答弁をし、成田財特法によるインフラ整備や運賃を下げるための資金援助といった北総鉄道への支援については消極的な姿勢を示した。また総務大臣(当時)鳩山邦夫は「国土交通省とも協議をし、総務省として何かできる方法がないかについて住民の立場に立って(関係各所に)意見を言って行きたい。」と答弁した。なお、この成田財特法を根拠として、新東京国際空港(現・成田国際空港)周辺の道路整備などのために多額の費用が投入されてきた背景がある。この法律の現在の監督官庁は総務省である。
[編集] そして、運賃値下げへ
前述の2009年11月に発表された合意に基づき、2010年2月19日、成田スカイアクセスの開業日(同年7月17日)決定と同時に運賃の認可も行われ、北総鉄道も運賃改定の認可を行い、成田スカイアクセスの開業日から運賃値下げを行うことになった。初乗り運賃は200円から190円になるなど普通旅客運賃は平均4.9%、通勤定期は1.1%、通学定期は平均25%の値下げとなる。なお、印旛日本医大駅から成田空港方面に跨って乗車する場合は、北総線内も含めて全区間で成田空港線の賃率を適用する[10](「京成成田空港線#路線データ」も参照)。
[編集] 白井市の動向
白井市を除く沿線5市(印旛・本埜両村は2010年3月23日より印西市に編入)と県では補助金として拠出する額を予算として可決した。しかし、白井市議会では上記沿線負担への同意を見合わせるよう求める決議を市長に無視された経緯もあり、「抜本的な値下げになっていない」として市が負担する補助金の拠出を認めず、これを削除した予算案を可決した[11]。その後、6月の議会でも補助金を加えた予算案を再提出したが、6月29日に再び修正削除された[12]。この動きに対し、県は合意の枠組み崩壊を懸念する一方、肩代わりについては否定している[13]。なお、白井市の補助金拠出の有無に関わらず、運賃の値下げは7月17日から予定通り実施されているが、北総鉄道は補助金の予算措置がなされない場合には遠くない時期に運賃を元に戻す可能性を示唆している[14]。
2度の否決を受けて、白井市長は予算の拠出を断念した[15]が撤回し、9月議会に再提出した。しかし、議長が賛成討論に加わったために賛成と反対が10対10の同数(定数は21、欠員1)となった上、仮議長に就任する者もいなかった(議長は採決には加われず、就任した側が過半数割れになる)ため、議会は空転。採決に至らないまま廃案となった[16]。これを受け、白井市長は白井市負担分の補助金約2360万円の予算支出を専決処分した[17]。これにより、すべての関連自治体で補助金が予算として執行されることとなった。議会の反対派や抜本的な値下げを求める市民団体等はこの専決は違法と抗議している。
また、白井市では6月議会を前にした時期に広報誌やチラシで補助金のPRを行ったほか、職員を休日出勤させて市民向けの説明会を3回開催した[18]。これらの支出が予算に基づいていないとして市民有志らが費用の返還を求めて住民監査請求を行っているがいずれも請求は退けられた[19]。
この問題は2011年になっても沈静化の気配は見られず、同年度予算案では北総鉄道への補助金支出は認められず修正削除された。さらに市長への不信任決議案が可決される事態にまでなった[20]。これに対し市長は、当初議会を解散する意向を表明したが失職を選択した[21]。なお、市議会の任期は元々2011年4月までで、議会解散に関わらず統一地方選挙で選挙が実施される予定だった。これにより、市長・議会共に一連の対応についての市民の信を問うこととなった。
4月24日に実施された市議会選挙では、補助金賛成派の獲得議席が、活発な選挙運動を展開した反対派をわずかに上回った[22]。また、5月22日に実施された市長選では期限付きでの補助金支出継続を主張した元市職員が当選した[23]。市長選では、他に4月の市議会選挙でトップ当選だった補助金反対派前市議が補助金支出反対を主張して選挙戦に望んだが落選、補助金支出継続を主張して立候補した前市長は最下位に終わった。結局、これまで相互の主張を頑として譲ってこなかった前市長と市議会反対派は共倒れに終わり、対話重視を掲げた新市長の下で当面の支出継続の見通しこそついたものの、抜本的な問題の解決は先送りされることとなった。
[編集] その他
- ニュータウンの新設鉄道であり、またマイカー対策という観点から第1期線開業前には総合的なデザインポリシー委員会を設置し、部内外の専門家によって約半年間に渡って検討が重ねられた。主だったところでは車両内外のデザイン・配色やつり革の撤廃、案内表示類に全面的に写植対応可能なナール・ヘルベチカの採用などがある。変わったところではホーム上の駅名標を電車に対してどちらに向けるかで揉めて結論が出ず、結果電車に対して平行・直角の4面に設置する事となった。
- 開業当初は各駅に自動精算機を設置していた。当時は国鉄(松戸駅は改札口が分離されていなかった)や新京成などは自動改札機に対応していなかった。精算機は係員がテレビカメラで券面を読み取り、コンピュータを操作して精算する原始的な方法で、新鎌ヶ谷駅(開業当初は信号所)から遠隔操作を行っていた。しかし、トラブルが続出したため、数年で撤去され、1982年頃には既に使用を停止されていた。だが、各駅に自動改札機を導入してから数年後に復活している。
- 鉄道施設をテレビや映画の撮影用などに提供し、その使用料を得る営業が早くから行われている。
- かつては、2007年限りで廃止された「サントリーオープンゴルフトーナメント」の前売り券を北総線の駅売店で販売していたことがあった。これは、会場の習志野カントリークラブや印西カントリークラブが沿線にあるためである。
[編集] 脚注
- ^ 地名改定前は千葉県鎌ケ谷市初富928-929
- ^ 『週刊ダイヤモンド』2007年12月15日号
- ^ 衆議院建設委員会 - 12号(平成11年5月14日)にて、斉藤鉄夫が運輸省(当時)鉄道局長に対する質問で言及している。また、日本共産党の機関紙にも言及がある(北総線 高運賃是正を要請 国交相に市民団体)。
- ^ 白井市北総線通学定期券助成の案内
- ^ a b 北総線の運賃値下げを実現する会
- ^ “運賃値下げへ要求案協議 県と沿線自治体の会議開催決まる 北総鉄道” (2009年9月5日). 2009年9月5日閲覧。
- ^ http://www.asahi.com/special/hanedahub/TKY200910200514.html
- ^ “北総鉄道値下げ支援3億円…千葉県と沿線6市2村”. スポーツ報知 (2009年11月5日). 2009年11月5日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 国相手に沿線住民、値下げ求め提訴へ 「まちづくり阻害」- 5月27日付毎日新聞
- ^ 千葉県及び沿線市村との合意に基づく運賃値下げの実施について - 北総鉄道、2010年2月19日。
- ^ 北総線「市負担分」を削除 6市合意の値下げ白紙も 白井市議会 - 3月30日付千葉日報
「5%では納得できず」 問われる市長の政治手腕 北総線値下げ白井市負担分削除 - 2010年3月31日付千葉日報 - ^ 【北総線値下げ問題】白井市長が株主に理解求める - 2010年6月28日産経新聞
市支出分再び削除 北総線運賃問題で 白井市議会 - 2010年6月30日付千葉日報 - ^ 白井市議会、再び負担金削除 森田知事「合意の枠組み壊れる」 北総線運賃値下げ問題 - 2010年6月30日付千葉日報
- ^ 【北総線値下げ問題】森田知事「白井市負担分肩代わりしない」 - 2010年6月9日付産経新聞
- ^ 市議会の重大な決定(平成22年6月29日)〔PDF〕
- ^ 【白井市議会】北総線値下げ、補助金三たび予算化できず 流会へ - 2010年9月29日付産経新聞
- ^ 【北総線値下げ問題】白井市長、補助金支出を専決処分「市民の不利益考え権限」 - 2010年10月13日付 産経新聞
[http://city.shiroi.chiba.jp/detail/3196235793.html 「北総鉄道運賃値下げ支援補助金」について専決処分しました] - 白井市(理由、経緯なども) - ^ 白井市:北総鉄道に関連する主な記事 - 白井市ウェブサイト。チラシや説明会開催の概要などの詳細も
- ^ 北総鉄道:高額運賃問題 白井市民、経費返還求め監査請求 /千葉 - 2010年6月17日付毎日新聞
- ^ 白井市議会:市長の不信任案可決、解散へ 選挙は予定通り来月/千葉 - 2011年3月
- ^ 不信任案受け入れ失職 白井市の横山久雅子市長 - 2011年4月7日産経新聞
白井市長の失職について- 白井市 2011年4月8日 - ^ 北総線補助金支出賛成派と反対派拮抗 白井市議会 今後も混乱? - 2011年4月25日 産経新聞
- ^ 白井市長選挙投開票状況 - 白井市
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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