包茎手術商法

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包茎手術詐欺 から転送)

包茎手術商法(ほうけいしゅじゅつしょうほう)とは、男性の陰茎の悩みに関する形成外科手術のうち、特に医業経営による利益を第一とし本来不必要な手術を行ったり、金銭を過剰に請求するような姿勢を捉えた俗称の一種。

目次

[編集] 概要

いわゆる包茎手術商法と呼ばれるものとして、本項では主にテレビ・ラジオや新聞・雑誌などで取り上げられている、自由診療美容整形を専門とする美容整形外科業界のうちに見出される、 患者の満足よりも病院の利益を優先する業態について説明する。なお後述するように包茎手術をおこなう医院やクリニックの全てが利益優先だったり悪徳商法だというわけではないが、その一部には国民生活センターなど公的機関が消費者に注意を発する事態にまでなっているケースも見出される。

これら美容整形外科では、テレビなどのマスコミやウェブサイトで、著名なタレントを起用した華々しい広告で信頼を与えて、「土日・祝祭日も診療(年中無休)」や「完全予約制」など時間的に自由が利くことや「契約ローンあり」(分割払いなど)といったような支払いの不安を和らげたり、あるいは「相談無料」などの羞恥心を和らげる宣伝コピーを謳うことによって男性患者が来院しやすいようにしている。また、これら業態の特徴として「包茎であることは不潔で恥ずかしいことだ」「包茎は一人前の男ではない」「包茎は女性に嫌われる」と位置付けて、真性包茎と本来手術の必要性の無い俗に言う仮性包茎とを一緒にしてコンプレックスを煽る宣伝活動が挙げられる。医療法69条、70条の中で病院の広告のガイドラインは規定されているが、この種の美容整形外科の広告は、関連して販売されるビデオCDなどの広告という形式(→バイブル商法)で新聞・雑誌に掲載されている。

その中には、保険治療の観点で生殖機能の面で必要のない(手術しなくても性交ができる)者に対して手術を勧めるために、不安を煽る情報を与える等の行為や、悪徳商法にみなされる一部の業態も国民生活センターや泌尿器科医師などから報告が挙がっている。

[編集] 悪徳商法

こと悪徳商法の場合では、手術をしようとやってきた患者に対して不安を煽るような情報を与えたり、事前に示された金額以外に追加で様々なものが必要だと後から説明するなどの問題が出ている。このような悪徳商法では、事前に示された金額よりも遥かに多い金銭を要求されることから、国民生活センターにもトラブル報告が寄せられている[1]。 またこういった手術では、手術後の痛みを和らげるとしてコラーゲンヒアルロン酸を大量に注射するのを勧めたり、女性の歓喜を誘うとの目的で「真珠(シリコンボール)埋め込み」「長茎手術」など肉体改造を勧め、この施術の代金としてやはり高額な金額を請求された事例も聞かれる。これらの事例では、判断能力の弱い未成年者に対して保護者の承諾が無い形で手術を勧める場合、特に問題視されている。

これらでは高額のローンを組まされる事例も多く、熊本県消費生活センターの警告するところでは未成年者が広告に記載された料金の14倍・140万円にものぼる請求をされたという事例もみられる[2]。こういった100万円超というケースも特異な例ではなく、上に挙げた2004年の国民生活センター発表では相談事例(579件)の平均契約金額は101万円である。

[編集] 本来の包茎手術との違い

亀頭包皮内板部が細菌感染等の理由により炎症を繰り返す場合や、排尿勃起射精といった陰茎の諸機能が損なわれている場合など、重篤な症状を治療するための手術は健康保険制度の適用範疇で泌尿器科にて治療が行われる。しかし排尿といった日常的機能や、勃起・射精などの生殖にかかわる機能に支障が無いにも関わらず包皮を切除する場合は一般の医療行為と異なり、自由診療(いわゆる「美容目的」としての美容外科の範疇)となり、健康保険が適用されず高額な手術費用が必要となる。

勃起にも疼痛をともなう真性包茎の場合、健康保険適用の範囲の手術で、2006年の泌尿器科での治療では自己負担額は1~3万円程度とされるが、美容外科における手術費用は一般的なクリニックでも10~20万円程度だという。また後述する泌尿器科医の石川英二が指摘するところでは、全男性の1~2%とされる真性包茎の場合でも、米国において9割程度がステロイド剤塗布治療で一定の成果が上がっているという。ただしステロイド剤は用法が難しく副作用も懸念されインフォームド・コンセントの重要性が見出される[要出典](→ステロイド)。

[編集] 包茎手術の問題

体質的にただれなどの皮膚障害の原因になっていたり、あるいは勃起障害につながっているなど、真に治療が必要な場合、マスコミで紹介されている美容外科外科以外でも美容形成的要素を考慮しなければ、健康保険が適用できる泌尿器科の診察と手術を受けることが可能である。

真性包茎でない陰茎に包皮切除を行う文化はイスラム教ないしキリスト教圏における儀礼的意味を含めた手術「割礼」や、コンプレックス産業的な側面のある日本や韓国で行われている。ヨーロッパでは包皮に亀頭が覆われている状態は正常とされておりコンプレックスを持つものはいない。かつて割礼が盛んだったアメリカでも包皮の重要性が見直されており、割礼をするものは少なくなっている。英語では仮性包茎というような単語自体が存在せず、手術してない陰茎は全てアンカットと分類されている。仮性包茎というのは日本で美容外科業界が広めた独自の概念であり、医学的な正式名称ではない。また世界的に通用する概念でもない。(本来不要な)手術促進のために作り出された造語のため、正確な定義すら曖昧である(どういう根拠をもって「仮性」なのか)。

無暗に矯正することを問題視する医師もおり、陰茎の機能を損なう場合の治療や、割礼のような社会的理由によるものを除けば、劣等感のみを理由とする全ての包皮切除手術は、必ずしも必要性がないとする主張もみられる[3]。その状態が個人の価値観において劣等感の元になっているのであれば、隆鼻や二重瞼の施術のように美容整形的措置でその要因を肉体改造など矯正することはしばしば行われ、その可否に関する議論の一種ともいえるが、場所が特殊であるために、固有の問題もみいだされる。

神戸市の泌尿器科医である石川英二は著書『切ってはいけません! 日本人が知らない包茎の真実』において、日本人の8割以上が本来は「包茎(仮性・真性問わず)」であるとして、本来の包皮の機能を説明、コンプレックスの解消を目的とした包皮切除手術を問題視している。この中で包皮は、亀頭とは別の感覚体が多数存在し、性交における性感体の役割を果たしていることや、包皮は性交時に膣内を自由に動き、摩擦を軽減させる役割を果たすことが示されている。

こういった手術では勃起時の状態で外皮の弛み具合を調節するが、これは熟練を要する施術でもあるため、十分な弛み具合が確保されていないような手術の場合では、逆に勃起時に表皮が引っ張られ痛みが生じる場合もあり、また手術方法如何では陰茎にはっきりとそれと判るような目立つ傷が残ることもあり、未熟な技術による手術では包茎を隠そうとしてより目立ってしまい、劣等感の元になる可能性もある。

[編集] 包皮の扱いに関して

日本小児泌尿器科学会理事の中井秀郎は、通常新生児は全て真性包茎であるが、思春期になると勃起時には自然に皮がめくれるようになるとしている。乳幼児の段階で無理に剥いてしまうと怪我をする危険性がある上、これが治る過程で将来に渡って陰茎と包皮が癒着したり剥けにくくなる真性包茎になる可能性を指摘しており、幼児の段階では簡単に剥けないならそのまま包皮ごと洗って清潔に保つだけでも十分だとしている。

手術の適用範疇は上に述べたとおり、勃起時に皮が引き伸ばされ痛みが生じたり、或いは亀頭部分が感染症や包皮炎を起こしやすかったり常に清潔にせざるを得ない場合に限られる。なお性交の場合は、泌尿器科医一般の見解として、挿入の直前に入浴して局部をよく洗えば必要十分な清潔さは保てると考えられている。

[編集] 備考

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  1. ^ 国民生活センター・美容医療にかかわる消費者被害の未然防止に向けて(PDF形式)
  2. ^ 熊本県消費生活センター・包茎手術被害について
  3. ^ 読売新聞の記事

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク