動物の倫理的扱いを求める人々の会
動物の倫理的扱いを求める人々の会(どうぶつのりんりてきあつかいをもとめるひとびとのかい、英:People for the Ethical Treatment of Animals)は、1980年にアメリカバージニア州ノーフォークで創設された世界最大規模の動物の権利擁護団体。イギリス、ドイツ、オランダ、インド、アジア太平洋地域に支部を持つ。英称の頭文字を取って、通称PETAと呼ばれる。
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概要 [編集]
キャンペーン [編集]
PETAは論争の的となるキャンペーンでも知られる。有名なのはPETA支持者が全裸となり毛皮反対を訴えるポスターである。大半のポスターには「Fur? I'd Rather Go Naked(毛皮?裸でいいわ)」などのフレーズがつく。
公の場で毛皮を着用するセレブリティをあげた『PETAワーストドレッサー』を発表し、毎回選ばれた有名人に対して皮肉の効いたコメントを発表している。例えば過去に選ばれたニコール・リッチーに対しては「毛皮を着るこのパーティー・ガールは、動物の皮をまとった骨のような女性。どんどん細くなっているけれど、きっとハートも小さくなっていってるんでしょう」[1]、ジェニファー・ロペスに対しては『彼女が身に着けている動物たちの一生は、彼女の恋愛関係に似ている。つまり短くてツライということ』[2]など。
問題点 [編集]
動物の権利を擁護してきた功績が評価される一方で、営業妨害や破廉恥行為、暴力沙汰が絶えないため、さまざまな方面から批判を受けている団体である。毛皮を着ている著名人にペンキをかけるなどの暴行事件、ケンタッキーフライドチキン(KFC)など大企業の店頭で水着や裸で抗議する過激なパフォーマンスで世界中に知られている。これらの著名人や大企業を標的にした過激なパフォーマンスと、多くのセレブリティを会員にし広告塔として利用する戦略は、寄付金を集めるための売名行為であるとしてたびたび批判の対象になっている。
また動物愛護を語るが、ペット産業の肥大化など結局は根本的な問題解決に力を入れていないという指摘も有る。
FBIからテロリストとしての指定を受けている過激派組織動物解放戦線に資金援助しているとの指摘がなされている[3]。
“動物の殺処分施設” [編集]
非営利団体消費者自由センター(CCF)によると、バージニア州ではPETAが引き取ったペットの約9割が“里親を探されず”殺処分されていることが州の記録で示されており[4]、又、ノースカロライナ州では、2人の職員が深夜、殺処分後の犬猫の死骸数十匹の不法投棄で逮捕され有罪となっているとされる[5]。PETAの職員は里親も探さずに、全く健康に問題の無い動物を回収した車中で即薬殺したと裁判で明らかにされた。州の調査官は、「動物の終の住処としての新しい飼い主を探すことを主目的としていない以上、PETAは、アニマルシェルターとして法規で定める条件を満たす施設として運営されていない」としている。これに対しPETAは「これ以上生きていくのが厳しい重病や重傷の動物だけを永眠させている」としている。
この問題はPETA Kills Animalsに詳しい。
エピソード [編集]
ポール・マッカートニーやピンクは、熱心なPETAの支援者である。2000年に開かれたPETAを支援するためのコンサートにはポール自身の他、ポールの呼びかけでB-52's、クリッシー・ハインド、イアン・ギラン、デヴィッド・ギルモアら数々のアーティストが参加した。
2003年、動物の扱いが不当である事を訴える目的で、ユダヤ人ホロコーストの犠牲者の死体が並べられた写真と、死んだ牛の写真を隣り合わせに展示し中央に大きなハーケンクロイツを掲げた巡業展示会を行った。これに対しユダヤ人への中傷に抗議する団体が、動物の権利の運動にホロコーストの比喩を使うのは「600万人のユダヤ人の殺害を卑小化するもの」 であると抗議をし、後にPETAの会長イングリッド・ニューカークが謝罪するに至った。 2006年、スペインの牛追い祭りの会場で裸で抗議した。「牛追い祭りは非文化的かつ非人道的で残酷な行為」と非難し、たびたびこの伝統行事の廃止を訴えている[6]。
2007年6月、日本の大阪梅田のKFCと、東京銀座のバーバリー付近で裸体にプラカードを纏った姿で、抗議活動を行っている[7]。2008年3月には日本プロフェッショナル野球組織の根来泰周コミッショナー代行(当時)に対し、地球温暖化対策を理由に揚げホットドッグやたこ焼きの販売をやめベジタリアンフードの売店を設置するよう求める書簡を送っている[8]。
2007年、PETAは環境問題に関し多くの発言をしているアル・ゴアに対し「本当に環境問題に真剣に取り組んでいるのなら、あなたはベジタリアンになるべきだ」という趣旨の意見書を送った[9]。
2008年、ケンタッキー州ルイビルにあるKFCの創始者であるカーネル・サンダースの墓標の近くに、KFCを誹謗する内容の文章が書かれた墓石が立てられた。この墓石には縦読みすると、"KFC Tortures Birds"「KFCは鶏を拷問している」と隠されたメッセージが書かれている。この墓石はPETAにより立てられ、誰も埋葬されておらず、存命中のPETAの活動家 "Matthew Prescott"の名前が刻まれている。これに関してPETAは「我々は事前に墓地管理者に、墓碑銘のデザインを通達している。許可は取得済みだ」とコメントしている。墓地管理側は「もし事前に(隠された中傷文が)分かっていれば許可をしなかった。撤去をしたい」とコメント。KFCは「PETAの行いは死者を冒涜する恥づべき行為である」と不快の意を表明している[10][11]。
2009年、カナダでアザラシ猟が行われていることに対し、「カナダ政府がアザラシの虐殺を禁止するまで、カナダ産メープルシロップの不買運動を支持する」とフランスの女優でPETAの会員であるブリジット・バルドーがキャンペーン活動を行っている。しかしアザラシ猟とメープルシロップの2つには当然ながら何の関連性も無い。カナダの象徴というだけでメープルシロップを攻撃の対象にするのは、理性的でない上に不公正な行為であるとケベック州政府はコメントしている[12]。
もうひとつのPETA [編集]
「倫理的扱いを求める会」に対抗・抗議すべくつくられた、同じ頭文字のPeople Eating Tasty Animalsなる団体が存在する。
画像 [編集]
脚注・出典 [編集]
- ^ ANAP (2006年12月4日). “ニコール・リッチー、アシュレイ・オルセン、毛皮を着るワーストセレブに”. 2009年2月9日閲覧。
- ^ BARKS (2004年12月29日). “ビヨンセ、再び動物愛護団体PETAから名指しで非難される”. 2009年2月9日閲覧。
- ^ guardian.co.uk (2004年3月1日). “"Beauty and the beasts"”. 2009年2月9日閲覧。
- ^ Center for Consumer Freedom (2009年3月25日). “"PETA Killed 95 Percent of Adoptable Pets in its Care During 2008 Hypocritical Animal Rights Group’s 2008 Disclosures Bring Pet Death Toll To 21,339"”. 2012年8月6日閲覧。
- ^ PETA Kills AnimalsPETAの必要のない動物殺しが裁判に
- ^ AFPBB News(2006年07月06日)動物愛護団体PETA、闘牛と牛追い祭りに「裸で」抗議 - スペイン
- ^ [1]
- ^ AFPBB News (2008年3月27日). “国際動物愛護団体PETA、「たこ焼きの販売やめて」と日本プロ野球に要請”. 2009年2月9日閲覧。
- ^ Bite Back (2007年3月26日). “Animal rights group tells Al Gore to become vegetarian”. 2009年2月9日閲覧。
- ^ Livedoorニュース(2008年01月30日) カーネル・サンダースの墓の近くに縦読みでKFCを批判する内容が書かれた墓石が置かれる
- ^ clickorlando PETA Headstone Hides Anti-KFC Secret Recipe(英語)
- ^ AFPニュース仏女優B・バルドー、カナダ産メープルシロップ不買を呼びかけ アザラシ猟反対で