動く歩道
動く歩道(うごくほどう、国際通用名[英語名]:moving walkwayなど)とは、連続的に平らな踏み面を持ったベルトコンベアに類似したスロープ方式の、主として人間用の輸送機器である。踏み面が平らか階段状かの違いを除き、構造や外観はエスカレーターとほぼ同じである。オートウォーク、ムービングウォーク、トラベレーターなどとも呼ばれる。
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種類 [編集]
踏み面の角度は水平になっているものと、緩やかな坂状になっているものとがあり、日本では1970年(昭和45年)の日本万国博覧会(大阪万博)以降、一般的に動く歩道と呼ばれる。坂状になっているものはエスカレーターと同様、主として建物の各階や比較的大きな段差の移動に利用される。三菱電機ではトラベーターと呼んでいる。また、傾斜しているタイプをオートスロープと呼ぶこともある。型式にも2通りがあり、エスカレーターの水平化であるパレット式とベルトコンベアのゴムベルト式が存在する。
動く歩道の主要メーカーは以下の通り。
- パレット式メーカー
- 三菱電機
- 日立製作所
- 東芝エレベータ
- フジテック
- ダイコー
- シンドラーエレベータ
- ゴムベルト式メーカー
特徴 [編集]
傾斜して動く歩道 [編集]
踏み面が平らである事により、エスカレーターやエレベーターにはない多くの利点を持っている。まず、エスカレーターと違いショッピングカートやベビーカー、車椅子、大型のスーツケースなどを乗せて容易に移動できる。しかも、エレベーターのように待つ必要性がなく、より多くの利用者が同時に利用できる。踏み面に段差がないことから、乗り降りが容易でつまずく心配も少なく、高齢者や子供など、足元の不確かな利用者にとって親切である。角度が緩やかであるため恐怖感がなく、足を踏み外す危険性もない。
このように多くの利点を持つため、欧米では商業施設、空港や駅で広く普及している。近年[いつ?]、日本でも大型の商業施設などでエスカレーターに替わって採用される例が増えている[要出典]。しかし、その性質上、傾斜を緩くしないと滑る恐れがあるために設置空間がエスカレーターやエレベーターの数倍も必要とされる欠点がある。結果的に施設の売り場面積などが犠牲になるので、導入される施設が郊外型の大型施設などに限定され、エスカレーターの代替としての導入例は少ない。ショッピングセンターに導入される場合は、ショッピングカートの車輪とステップの溝の幅を合わせ、カートが下へ逸走しない様な配慮がなされている[要出典]。
傾斜を持たない動く歩道 [編集]
傾斜を持たない動く歩道としての導入は、大型のスーツケースなど、大きな荷物を携帯して長距離を移動する必要のある空港内、大規模鉄道駅(東京駅など)や大型施設(KINTEXなど)や郊外型店舗などの連絡通路などでの導入例が多い。ただし設備の終点では慣性により前に投げ出されることになり、なおかつ利用者の多くは通常の歩道のように歩いて使うので、高齢者や障害者には特に注意が必要とされる。そのため終点近くには間もなく終点となる旨の看板を出して(場所によっては音声ガイダンスを併用)注意を呼びかけている[要出典]。
エスカレーターとの折衷 [編集]
傾斜を持たない動く歩道とエスカレーターとを連続連結し、動く歩道がそのままエスカレーターに、又はエスカレーターがそのまま動く歩道になるものもある。初めて登場したのは静岡県三島市にあるJR東海三島駅構内の地下南北連絡通路内である[要出典]。その他JR東日本秋葉原駅の山手線・京浜東北線ホームと地平通路を結ぶエスカレーター(上野寄り、上下)、京阪電気鉄道の出町柳駅の下りエスカレーター、JR西日本大阪駅、上野駅の東京メトロ銀座線のコンコースと中央改札を結ぶエスカレーター(上下)に存在する(参考動画)。
規格 [編集]
規格としては、横幅は800mm、1,200mm、傾斜角度0〜3度のものが標準的である。エスカレーターと同様、省エネルギーに配慮して、常時稼働ではなく赤外線センサーによって人の接近を検知して、稼働するものも製造されている。
構造 [編集]
- ステップ
- 踏み台:ステップのメインとなるところ
- 駆動ローラ:駆動させるためのローラ
- 駆動ユニット:動力の供給部
- ライザ ステップの横の部分
- 手すり
- 手すり駆動ローラ:手すりを駆動させるためのローラ
- ステップリンク:ステップとの速さを合わせるためのリンク
設置例 [編集]
世界 [編集]
日本以外の世界において、例えば、2002年7月1日にフランスの首都、パリにあるモンパルナス=ビヤンヴニュ駅に通常(約0.8m/s)の3倍の速さ(約2.5m/s)で動く歩道が設置され、世界的な話題となったが、あまりにも速いために乗降時に転倒する人が続出し、4日後の7月5日には一時使用停止に追い込まれた。これは先端および終端付近に独立して動くローラーがあり、先端ではだんだん早くなって高速コンベア部に接続し、終端ではだんだん遅くなって出口にたどり着くという構造である。
日本 [編集]
日本では、1967年に大阪市の阪急梅田駅に最初に設置された(阪急電鉄はこの動く歩道をムービングウォークと呼んでいる)。駅設備移転に伴う他鉄道との乗換不便解消のためのもので、横一列に幾本もの動く歩道が並び、現在でも日本最大規模を誇る。
3年後の1970年の大阪万博で日本において広く知られるようになり、関東地方では東京駅[1]や渋谷駅[2]、羽田空港、成田空港の構内、新宿駅の西口から新都心方面への遊歩道、桜木町駅からランドマークタワーへの連絡橋などに設置されている。東海地方では名古屋市で1989年に開催された世界デザイン博覧会に合わせて3会場のうちの白鳥会場に近い名古屋市営地下鉄名港線(当時は名城線)日比野駅に設置された(現存せず)。
日本では、高速を出せ、なおかつ安全に移動できるよう、加減速可能な動く歩道の研究が続けられている。これは、2重のコンベアを持つ複雑な構造で、IHIが開発している。
- 北海道
- 青森県
- 秋田県
- 秋田駅:東西連絡自由通路 ※傾斜式で、バリアフリー対応となっている。
- 福島県
- 郡山駅西口:ペデストリアンデッキ上
- 茨城県
- 栃木県
- 千葉県
- 成田国際空港
- 東京ディズニーランド内
- 船橋法典駅 - 中山競馬場:地下道内
- コストコ
- 埼玉県
- 東京都
- 神奈川県
- 長野県
- まつもと市民芸術館(ゴムベルト式曲走3次元型) ※世界初
- 静岡県
- 愛知県
- 大阪府
- 兵庫県
- 和歌山県
- 広島県
- 山口県
- 香川県
- 愛媛県
- 福岡県
- 長崎県
- グラバー園:園内2ヶ所(第1ゲート - 旧長崎地方裁判所長官舎付近 - 第2ゲート(旧三菱第2ドックハウス))
- 大分県
- 鹿児島県
- ホテル京セラ本館 - 別館:連絡通路内
- 沖縄県
- 沖縄都市モノレール(ゆいレール)那覇空港駅 - 那覇空港
- 那覇空港
- 国営沖縄記念公園
脚注 [編集]
- ^ 京葉線ホームへの連絡通路
- ^ 湘南新宿ラインへの連絡通路
- ^ 東埼玉道路上にある「kaze」「mori」を繋ぐセンターブリッジ内
- ^ 傾斜式。ビバホームではオートスロープの名称で設置されている。1Fと2Fを結ぶエスカレーターの代替設備
- ^ 傾斜式。2階売り場と1階駐車場間のみのエスカレーターの代替設備。他の階とはエスカレーターで結ばれている
- ^ 傾斜式。エスカレーターの代替設備
- ^ 琴平線・長尾線ホーム(1~3番線)と志度線ホーム(4・5番線)を結ぶ連絡通路
- ^ 前身の「いよてつそごう」時代に設置。同店の西方にある「伊予鉄市駅西駐車場」と、同店3階との間を連絡する。