矢崎拓也

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矢崎 拓也(加藤 拓也)
広島東洋カープ #41
2019年3月12日 マツダスタジアム
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 東京都中野区
生年月日 (1994-12-31) 1994年12月31日(29歳)
身長
体重
176 cm
95 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2016年 ドラフト1位
初出場 2017年4月7日
年俸 5600万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

矢崎 拓也(やさき たくや、本名・旧登録名加藤 拓也〈かとう たくや〉[2]1994年12月31日 - )は、東京都中野区出身のプロ野球選手投手)。右投右打。広島東洋カープ所属。

元々は「加藤 拓也」で登録していたが、2018年に結婚して改姓したのちに、2019年シーズンから登録名を「矢崎 拓也」としている(詳細後述)。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

中野区立鷺宮小学校の2年時に、白鷺ヘロンズで軟式野球を始める[3]、小学4年時から6年時まではリトルリーグの東京中野リトル、中野区立第八中学校在学中はシニアリーグの杉並シニアに所属していた。杉並シニアまでのポジションは捕手で、堀井翼(主にKrushで活動している格闘家)とバッテリーを組んでいたほか、杉並シニア時代には堀井と揃ってシニアリーグの東京選抜チームへ招集されていた。

慶應義塾高等学校1年時の秋から投手へ転向する[4]と、3年時の春からエースの座を確保。3年時夏の全国高等学校野球選手権神奈川大会ではチームを準々決勝にまで導いたものの、春夏とも甲子園球場での全国大会に届かなかった。

慶應義塾大学へ進学すると、1年時の春に東京六大学野球のリーグ戦へデビュー。秋季のリーグ戦で球速が150km/hにまで達したほか、2年時の春季リーグ戦では4勝を挙げてチームの優勝に貢献した[5]。4年時の秋季リーグ戦では、宮台康平喜入友浩がバッテリーを組んでいた東京大学を相手にノーヒットノーランを達成している。在学中のリーグ戦では、先発やクローザーを経験しながら、通算で24勝(12敗)と309奪三振を記録。最優秀防御率のタイトルを2度獲得しているほか、4年時(2016年)の11月5日に明治神宮野球場で開催された明治神宮外苑創建90年記念奉納試合では、東京六大学野球選抜チームの一員として東京ヤクルトスワローズの打線と対戦した[6]

2016年のNPBドラフト会議で、田中正義佐々木千隼を抽選を外した広島東洋カープから1巡目指名された[7]。契約金1億円+出来高払い5000万円、年俸1500万円(いずれも推定で当時の上限額)という条件で入団した[8]。入団当初の背番号は13で、登録名は当時の本名だった「加藤 拓也」(かとう たくや)。

広島時代[編集]

2017年は、レギュラーシーズン開幕直後の4月7日に、マツダスタジアムの対ヤクルト戦で先発投手として一軍公式戦にデビュー。9回表の一死までヤクルト打線を無安打無得点に抑えた末に、一軍公式戦での初勝利を挙げた[9][10]。一軍公式戦には7試合へ登板したが、白星が付いたのはデビュー戦だけで、2試合目以降は3連敗でシーズンを終えた。

2018年は、レギュラーシーズンが開幕する直前の3月に、1歳上の女性と結婚[11]。シーズン中は一軍登板はなかった。12月14日、登録名を「矢崎 拓也」(やさき たくや)へ変更した[12]

2019年には、一軍公式戦5試合に登板したものの、勝敗は付かなかった。

2017年6月18日マツダスタジアムにて
2017年6月18日マツダスタジアムにて

2020年は、二軍のウエスタン・リーグ公式戦で8試合に登板。通算で1勝0敗ながら、防御率は2.33で、奪三振数(33)が投球回数(27)を上回っていた[13]。一軍公式戦では6試合に登板したが、防御率9.39と振るわず、シーズン終了後に背番号を41に変更。

2021年は、ウエスタン・リーグ公式戦14試合の登板で2勝を挙げたほか、前年に続いて2点台の防御率を記録[14]。しかし一軍公式戦では4試合に登板しただけで、防御率は11.57に達した。

2022年は、オープン戦の途中から一軍へ合流したところ、中継ぎ要員として[15]入団後初めての開幕一軍入りを果たした[16]。3月29日の対阪神戦(マツダスタジアム)で、1点ビハインドの9回表に登板。このイニングを無失点で凌ぐと、その裏にチームがサヨナラ勝利を収めたことによって、一軍公式戦では自身5年ぶりの白星を手にした[17]。この年はシーズンの途中からセットアッパーを任されるほど好調で、一軍公式戦には入団後最多の47試合に登板。先発登板の機会こそなかったものの、2勝0敗1セーブ、17ホールド、防御率1.82という好成績を残した。シーズン終了後の契約交渉では、入団後初めて球団から年俸の増額提示を受けた末に、推定年俸2800万円(前年から2000万円増)という条件で契約を更改した[18]

2023年は、春季キャンプ中に左脇腹を痛めて離脱[19]。開幕一軍を逃したが、4月21日に1軍に昇格[20]。4月末に栗林良吏が離脱すると、クローザーを任された[19]。最終的に54試合に登板し、4勝2敗10ホールド、チーム最多の24セーブ、防御率2.81を記録[21]。12月5日、2800万円増となる推定年俸5600万円で契約を更改した[21]

選手としての特徴・人物[編集]

先発も救援もこなせる力投型の右投手[22]で、慶応大学時代にストレートで最速153km/hを記録[3][5]ノーラン・ライアン(長年にわたってメジャーリーグで活躍した右投手)のように左足を高く上げる投球フォームと、フォークボールの落差が大きいこと[23]が特徴で、投球にはスライダー も適宜織り交ぜている[23]

趣味は読書。3歳で本を与えられ、6歳で理解するよう教えられた[24]。実用書を中心にひと月5冊は読書する。小説よりは自己啓発書量子力学の書を好む[25][26]。また、2020年より島津清彦に師事し座禅を習慣としている[27]

矢沢永吉のファンであり、「止まらないHa〜Ha」を自身の登場曲としている。しかし、新幹線バスで眠りたいときに寝付けない体質であるため、気分転換やリラックスしたい時は、波の音を聴いている[26]

登録名について[編集]

元々本名だった「加藤」姓で広島へ入団する。その後、2018年の結婚で改姓したのちに、2019年シーズンから「矢崎」姓を登録名に使用している。その後、2022年1月に離婚したため2023年4月時点で本名も加藤姓に戻っているが、登録名では矢崎姓の使用を続けている[2]

本人は2023年の春季キャンプ中に、このような事情を自身の意向で初めて公表。理由について「悪いことでもないのに(離婚の事実が)自分以外のところから変(不本意)な形で伝わるぐらいなら、(結婚していた時期の苗字である)『矢崎』を(離婚後も登録名に)使い続けることによって(世間における離婚の)イメージが変わるようになった方が良い」ためとしている[28]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2017 広島 7 5 0 0 0 1 3 0 0 .250 136 29.1 20 2 31 0 1 28 3 0 14 14 4.30 1.74
2019 5 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 40 8.0 10 2 6 0 0 11 0 0 5 5 5.63 2.00
2020 6 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 39 7.2 11 3 5 0 1 10 2 0 9 8 9.39 2.09
2021 4 1 0 0 0 0 0 0 0 ---- 34 7.0 7 1 7 0 0 6 0 0 9 9 11.57 2.00
2022 47 0 0 0 0 2 0 1 17 1.000 204 49.1 35 2 25 1 0 51 2 0 12 10 1.82 1.22
2023 54 0 0 0 0 4 2 24 10 .667 221 51.1 48 5 24 5 0 38 0 0 17 16 2.81 1.40
通算:6年 123 6 0 0 0 7 5 25 27 .583 674 152.2 131 15 98 6 2 144 7 0 66 62 3.66 1.50
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手












2017 広島 7 0 6 0 1 1.000
2019 5 0 0 0 0 ----
2020 6 0 0 0 0 ----
2021 4 1 0 0 0 1.000
2022 47 1 6 1 0 .875
2023 54 5 7 0 0 1.000
通算 123 7 19 1 1 .963
  • 2023年度シーズン終了時

記録[編集]

初記録
投手記録
打撃記録
  • 初打席:2017年4月7日、対東京ヤクルトスワローズ1回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、2回裏に石川雅規から四球

背番号[編集]

  • 13(2017年 - 2020年)
  • 41(2021年 - )

登録名[編集]

  • 加藤 拓也(かとう たくや、2017年 - 2018年)
  • 矢崎 拓也(やさき たくや、2019年 - )

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 広島 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2023年12月5日閲覧。
  2. ^ a b 2023プロ野球オール写真選手名鑑(NSKムック)p.189
  3. ^ a b 【広島1位】慶大・加藤拓 最速153キロ直球は「鉛玉」”. スポニチアネックス (2016年10月20日). 2016年12月19日閲覧。
  4. ^ 広島1位加藤は気迫前面に 黒田に近づける投手に”. 日刊スポーツ (2016年10月21日). 2016年12月19日閲覧。
  5. ^ a b ルーキーズの素顔by瀬川ふみ子 広島ドラ1位・加藤拓也を紹介”. 中日スポーツ (2016年12月14日). 2016年12月17日閲覧。
  6. ^ 【プロ野球】明大・柳裕也、慶大・加藤拓也・・・注目「ドラ1」がヤクルト打線に真っ向勝負も1-12で完敗”. 産経新聞 (2016年11月5日). 2016年12月17日閲覧。
  7. ^ 広島が慶大・加藤を外れ外れ1位で指名」『日刊スポーツ』、2016年10月20日。2023年2月24日閲覧。
  8. ^ 広島ドラ1加藤、先発でも抑えでも“OKボーイ””. 日刊スポーツ (2016年11月9日). 2024年1月27日閲覧。
  9. ^ 初勝利・加藤 九回1死までノーヒット・ノーラン”. 毎日新聞 (2017年4月8日). 2017年4月8日閲覧。
  10. ^ 広島D1・加藤、あと2人でノーヒットノーラン逃すも鯉党の前でプロ1勝”. サンケイスポーツ (2017年4月7日). 2017年4月8日閲覧。
  11. ^ 広島・加藤が結婚へ 1歳上一般女性と 今季1勝、来季飛躍だ」『スポーツニッポン』、2017年10月3日。2018年12月14日閲覧。
  12. ^ 広島加藤拓也投手の登録名を「矢崎拓也」に変更」『日刊スポーツ』、2018年12月14日。2018年12月14日閲覧。
  13. ^ 2020年度 広島東洋カープ 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)NPB日本野球機構
  14. ^ 2021年度 広島東洋カープ 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)NPB日本野球機構
  15. ^ 広島佐々岡監督、中継ぎ残り1枠は13日に決定 菊池保則、矢崎拓也らが候補」『日刊スポーツ』、2022年3月12日。2023年2月24日閲覧。
  16. ^ 【一覧】セ・リーグ開幕一軍登録選手」『日刊スポーツ』、2022年3月24日。2023年2月24日閲覧。
  17. ^ 【広島】矢崎拓也5年ぶり勝利投手 9回4番手で登板し無失点 サヨナラ勝利でプロ2勝目」『日刊スポーツ』、2022年3月29日。2022年4月1日閲覧。
  18. ^ 【広島】矢崎拓也2000万円アップ2800万円、6年目で初の昇給 使い道は「自分に投資」」『日刊スポーツ』、2022年11月13日。2023年2月24日閲覧。
  19. ^ a b 【広島】矢崎拓也、倍増の5600万円「2年前から8倍。夢がある仕事」今季チーム最多24S”. スポーツ報知 (2023年12月5日). 2024年1月28日閲覧。
  20. ^ 【広島】矢崎拓也は倍増の5600万円で更改「夢がある仕事だなと思います」抑えで活躍”. 日刊スポーツ (2023年12月5日). 2024年1月28日閲覧。
  21. ^ a b 広島・矢崎拓也が5600万円更改 倍増続きに「2年前から8倍ぐらい…夢のある仕事」”. サンケイスポーツ (2023年12月5日). 2024年1月27日閲覧。
  22. ^ 2017年度 新入団選手発表!”. 広島東洋カープ公式サイト (2016年12月13日). 2016年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月22日閲覧。
  23. ^ a b 「日本一」目指す広島、加藤拓也らが入団会見、「黒田投手」の背中追いかける声援頼もしく・・・”. ひろスポ! (2016年12月13日). 2016年12月20日閲覧。
  24. ^ 「普通じゃないですか」「分かんないっす」「抑えればラッキー」…広島の新セットアッパー・矢崎拓也の“投げる哲学者”語録”. 文藝春秋社 (2022年9月12日). 2023年6月25日閲覧。
  25. ^ プロ野球2023特別中継ゆる~く深く!プロ野球「広島×巨人」NHK総合 2023年6月25日放送分
  26. ^ a b 広島「カープに聞いてコイ!」矢崎拓也投手”. NHK広島放送局 (2023年6月8日). 2023年6月25日閲覧。
  27. ^ 広島・矢崎 今季台頭の裏に“座禅の教え”2年前から実践し効果「打たれたら学び、抑えたらハッピー”. スポーツニッポン (2022年10月31日). 2023年6月25日閲覧。
  28. ^ 前原淳 (2023年2月24日). “【広島】矢崎拓也が離婚公表「隠すことでもない。(離婚の)イメージが変われば」登録名変えず”. 日刊スポーツ. 2023年2月23日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]