加藤和也 (数学者)

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加藤 和也
(かとう かずや)
人物情報
生誕 1952年1月17日(62歳)
日本の旗 日本和歌山県
居住 日本の旗 日本アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
国籍 日本の旗 日本
出身校 東京大学
学問
研究分野 数学
研究機関 東京大学
東京工業大学
京都大学
シカゴ大学
博士課程
指導教員
伊原康隆
博士課程
指導学生
兵頭治斎藤秀司栗原将人辻雄
主な業績 整数論
主な受賞歴 日本学士院賞恩賜賞(2005年)
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加藤 和也(かとう かずや、1952年(昭和27年)1月17日 - )は日本の数学者シカゴ大学教授東京大学名誉教授和歌山県生まれ、愛媛県育ち。

業績[編集]

専門は整数論で、局所類体論の高次元化とその一般化、大域化。保型形式岩澤理論の部分的解決、p-進 \varepsilon-元の(\varphi, \Gamma)加群の構成、BSD予想への貢献、スペンサー・ブロックと共にHodge-Tate予想への貢献、L関数における玉河数に関するBloch-加藤予想の提起や、ジャン・マルク・フォンテーヌリュック・イリュージーと共にlog代数幾何学を生み出した業績で知られる。

独特の語り口が魅力で講義が人気。「素数の歌」の作者としても有名。

略歴[編集]

エピソード[編集]

  • 「素数の歌」「ゼータ笑いの歌」「p進数の歌」「平方剰余の相互法則の歌」「数の線路の歌」「ゼータみすかの歌」「紙時計の歌」「吉田塾合宿の歌」を作詞した。
  • 学生のころ大学ノートを1日1冊使い切った。[3]
  • 現在では整数論における世界的リーダーだが、学生時代は進振りの成績が良くなく、進みたかった天文学科に進めずに航空学科に進んだ。航空学科では留年した。ところが数学科に転科して代数のテストを受けたところダントツだった。[4]
  • 「ゼータ惑星」出身説。[5]
  • 「類体論人間」や「コホモロジーの加藤」などの異名を持つ。[6]
  • 素数の声が聞こえる。[7]
  • 数列の収束したい気持ちを理解している。[8]
  • 「素数踊り」を考えた。[9]
  • 山や街を徘徊するのを好み、大学院のゼミは井の頭公園の池のボートの上、「骨董品」と称するガラクタが至ることろに積まれた喫茶店、あるいは、秩父山中のけもの道で行われることが、しばしばである。[10]
  • 学部4年時の指導教官は河田義敬であり、修士課程・博士課程時の指導教官は伊原康隆である。[11]
  • 自身は兵頭治斎藤秀司栗原将人辻雄らの師である。
  • 2006年国際数学者会議の基調講演において、ゼータ世界とゼータの化身を説明する際、日本の昔話「鶴の恩返し」について4枚の彩色された挿絵付きで解説した。[12]
  • Hodge-Tate予想に関する結果をIHESでの講演で初めて発表した際、ピエール・ルネ・ドリーニュが驚きのあまり床に転げた。[13]

著書[編集]

単著[編集]

共著・編著・共編著[編集]

論説[編集]

  • 「三鷹付近の青春」、『カーマ トーラス』1978年
  • 完備離散付値体のガロア・コホモロジー」、『京都大学数理解析研究所講究録378「整数論」シンポジウム報告集』1980年
  • 「代数的 K 理論と類体論」、『第4回 代数セミナー報告集』1981年
  • 「類体論と Zero-cycle」、『代数幾何学シンポジウム報告集』1983年
  • 「Brauer 群に関する Merkurjev・Suslin の結果について」、『第29回代数学シンポジウム報告集』1983年
  • 「p進 étale cohomology の双対定理」、『代数幾何学シンポジウム記録』1984年
  • 「書評 (Jean-Pierre Serre; “Corps locaux”, Andre Weil; “Basic Number Theory”)」、『カーマトーラス Vol.18』1984年
  • 「高次元の分岐について」、『代数学シンポジューム報告集』1987年
  • 高次元の分岐について」、『京都大学数理解析研究所講究録0609「代数的K-理論と代数的整数論」シンポジウム報告集』1987年
  • 「高次元の分岐理論(l-進層の Riemann-Roch,Serre の予想)」、『代数幾何学シンポジウム』1987年
  • 類体論とD加群」、『京都大学数理解析研究所講究録638「代数解析学の発展」シンポジウム報告集』1988年
  • 玉河数と Hasse zeta の値に関する予想」、『京都大学数理解析研究所講究録658「代数的整数論:最近の種々の話題について」シンポジウム報告集』1988年
  • 数学セミナー編集部(加藤和也 談)「今月の人 加藤和也さん」、『数学セミナー(特集/数セミの読書週間)』1988年12月号、日本評論社、1988年4月。
  • 「代数多様体の退化と logarithmic structure」、『第35回代数学シンポジウム報告集』1989年
  • 整数論」、『数学セミナー(特集/数学の最前線3)』1990年1月号、日本評論社、1990年4月。
  • 「類体論の解説と展望」、『BASIC数学(特集/類体論入門)』1990年3月号、現代数学社、1990年4月。
  • 2次元正則局所環のArtin指標」、『京都大学数理解析研究所講究録721「代数的整数論」シンポジウム報告集』1990年
  • 「兵頭治氏の業績について」、『数論的幾何学シンポジウム報告集「兵頭治氏をしのんで」』1991年
  • 「Artin-Hasse-Weil L 関数(ガロア理論型 L 関数)」、『第9回 整数論サマースクール「ゼータ関数」報告集』1992年
  • 「ゼータ元に関する一考察」、『第37回代数学シンポジウム報告集』1992年
  • Hasse-Weil L関数の岩澤理論の構想」、『京都大学数理解析研究所講究録797「代数的整数論における最近の話題」シンポジウム報告集』1992年
  • modular curve の K2 と "L(E,1)≠0 ⇒ #E(Q)<∞"」、『京都大学数理解析研究所講究録805「保型形式と関連するゼータ関数の研究」シンポジウム報告集』1992年
  • explicit reciprocity law と zeta の値」、『京都大学数理解析研究所講究録810「代数解析学と整数論」シンポジウム報告集』1992年
  • p 進 Hodge 理論とゼータの値」、『代数幾何学シンポジューム記録』1992年
  • 数論の現在」、『数学セミナー(特集/日本の現代数学)』1992年4月号、日本評論社、1992年4月。
  • 「宇宙が先か素数が先か」、『数学ゲンダイ──その不思議・美・屈折・快感(朝日ワンテーママガジン1)』1993年
  • Kazuya Kato (1993). Lectures on the approach to Iwasawa theory for Hasse-Weil L-functions via BdR. Part I. Lecture Notes in Math. Volume 1553. Springer. ISBN 3540571108 ISBN 978-3540571100. http://link.springer.com/chapter/10.1007%2FBFb0084729. 
  • Kazuya Kato (1993). Lectures on the approach to Iwasawa theory for Hasse-Weil L-functions via BdR. Part II. unpblished preprint. 
  • 「河田先生を偲ぶ」、『柔らかい頭と強い腕 河田義敬追想集』1994年
  • 普遍行列式」、『数理科学(特集/行列式の進化)』1995年4月号、サイエンス社、1995年
  • 楕円曲線:保型形式の岩澤理論」、『京都大学数理解析研究所講究録925「代数的整数論と数論的幾何学」シンポジウム報告集』1995年
  • 「p 進 Hodge 理論の発展とその影響」、『第41回 代数学シンポジウム報告集』1996年
  • 「Log geometry について」、『第42回 代数学シンポジウム報告集』1997年
  • 「log Hodge 構造と分類空間(臼井三平氏との共同研究)」、『代数幾何学シンポジウム記録』1998年
  • 1000年の数学者/グロタンディーク・岩澤健吉」、『数学セミナー(特集/1000年の数学者)』2001年4月号、日本評論社、2001年4月。
  • Blochの導手公式」、『京都大学数理解析研究所講究録1200「代数的整数論とその周辺」シンポジウム報告集』2001年
  • 素数の世界への誘い」、『数学セミナー(特集/連続の役割)』2003年5月号、日本評論社、2003年4月。
  • CLASSIFYING SPACES OF DEGENERATING POLARIZED HODGE STRUCTURES」、『京都大学数理解析研究所講究録1345「Local invariants of families of algebraic curves」シンポジウム報告集』2003年
  • 「素数の歌が聞こえる」、『数学のたのしみ2004年夏(現代数学のひろがりと模索)』、日本評論社、2004年
  • 非可換岩澤理論における岩澤main conjecture」、『京都大学数理解析研究所講究録1376「代数的整数論とその周辺」シンポジウム報告集』2004年
  • 「11月号 ACADE見IC No.146 「理学研究科 加藤和也教授」」、『らいふすてーじ』2004年11月号。
  • 「辻雄氏の業績(2005年度日本数学会賞春季賞)」、『数学 Vol.57』、日本数学会、2005年
  • 「岩澤理論の発展」、『第51回代数学シンポジウム報告集』2006年
  • 「おわびと決意」、『岩波講座 現代数学の展開「月報 No.12」』2008年
  • 数論幾何の発展」、『別冊・数理科学 代数学の魅力 進化する多彩な数学とその交流』2009年4月号、サイエンス社、2009年4月、 ISSN 0386-8257
  • フェルマーの最終定理」、『数学の50年 数学セミナー創刊50周年記念』2013年2月、日本評論社、2013年4月。
  • モチーフの高さについて」、『第58回代数学シンポジウム報告集』2013年

脚注[編集]

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  1. ^ 博士論文書誌データベース
  2. ^ 朝日賞:過去の受賞者”. 朝日新聞. 2009年11月10日閲覧。
  3. ^ 「11月号 ACADE見IC No.146 「理学研究科 加藤和也教授」」、『らいふすてーじ』2004年11月号。
  4. ^ 東大数理ビデオゲストブック2006年度”. 2013年3月8日閲覧。
  5. ^ 黒川信重「数学まなびはじめ 問題を解くより予想を」、『数学のたのしみ no.30』2002年4月、日本評論社、2002年
  6. ^ 「加藤セミナー(セミナー紹介)」、『カーマトーラス Vol.25』1988年
  7. ^ 素数の歌が聞こえるぷねうま舎2012年6月22日ISBN 978-4-906791-02-6
  8. ^ 数論への招待 (シュプリンガー数学クラブ)』 丸善出版、2012年11月27日ISBN 978-4621065198
  9. ^ 東大数理ビデオアーカイブス 2006年度 数理科学特別講義I 数理科学続論C”. 2013年3月8日閲覧。
  10. ^ 「加藤セミナー(セミナー紹介)」、『カーマトーラス Vol.23』1987年
  11. ^ 「河田先生を偲ぶ」、『柔らかい頭と強い腕 河田義敬追想集』1994年
  12. ^ International Congress of Mathematicians Madrid 2006”. 2013年3月8日閲覧。
  13. ^ 斉藤秀司「加藤和也氏の無限遠点への旅」。

リンク[編集]