劇団カクスコ

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劇団カクスコ(げきだんカクスコ)は、かつて存在した日本の演劇ユニットである。


概要[編集]

「劇団GAYA」所属俳優により、劇団GAYA解散後の1987年に結成され、主に新宿THEATER/TOPS紀伊國屋ホール大阪近鉄アート館などで年約2回のペースで公演を行っていた。後期にはTHEATER/TOPSでの新作公演期間は1ヶ月を超え、1998年に第33回紀伊國屋演劇賞を受賞。NHK BS-2や日本テレビ「劇場中継」[1]などで公演が放送されるなど、一定のファン層と評価を得ていたが、2002年1月20日をもって解散した。

築50年以上の古いアパート「サツキ荘」や、「古道具屋朝日堂」などの小さな仕事場を舞台に、男ばかり6人[2]の息の合った掛け合いが魅力であった。この掛け合いはアドリブは一切無しの、「間とテンポ」を重視したものであることが特徴である。簡単な筋はあるものの、ストーリー性は特に重視されない。

作品は変わってもメンバーの演じる役どころはほぼ一定であり、ある作品で演じられたシチュエーションが多少手を加えられて後の作品に再登場することもあった。特に彼らの最終公演となる「今日までどうもありがとう」は、「廊下は静かに!」「空き室あり!」をミックスさせたストーリーをベースに、他の作品のシーンを繋ぎあわせたリミックス作品である。

また、登場人物たちは必ず「唄うことが好きである」という設定である。2~3曲のアカペラを唄うシーン、中村育二がギターを、井之上隆志がパーカッション(ボンゴなど楽器を使うこともあるが、大抵はそのあたりにある楽器ではない何かを叩いている)を演奏しながらフォークソングを唄うシーンが各公演に必ず設けられていた。公演の他に、独立したアカペラライブを行い、数枚のCDをリリースしている。

活動期間中、「ラブジェネレーション」や「二千年の恋」など、6人揃ってテレビドラマに出演することもあった。特に「ラブジェネレーション」では、アカペラを披露するシーンもあるなど、彼らの舞台上での持ち味をそのまま生かした出演であった。

所属していた俳優[編集]

上演作品[編集]

  • MEN AT WORK 1 ~建築現場を駆ける男達。こいつらヤッパリ馬鹿だった。(1987年)
  • MEN AT WORK 2 ~作業場を駆ける男達。こいつら本当に馬鹿だった。(1988年)
  • MEN AT WORK 3 ~暁荘を駆ける男達。こいつら-馬鹿!!(1988年)
  • MEN AT WORK 総集編 ~SUPER EDITION~(1989年)
  • WORK BOX 1 ~鈴木さんたちの119 (1989年)
  • WORK BOX 2 ~サツキ荘207(1989年)
  • WORK BOX 3 ~あたり構わず(1990年)
  • さつき荘9月(1990年)- 特別公演 第4回青山演劇フェスティバル参加作品
  • WORK BOX4 ~陽当りヨシ!(1990年)
  • オイ、山本!~花見の酒はアタマにくる。(1991年)
  • 二本松酒店 ~軽トラは師走の街でビュンビュン走る!(1991年)
  • 年中無休!~セコハンなんでも高く買います!(1992年)
  • しゃかりき!~ペーパー・ムーンの12月(1992年)
  • 年中無休!~朝日堂、もうすぐ春(1992年)- 大阪公演
  • 旬が毎月 ~ヌイさんと一緒(1993年)- 特別公演
  • 廊下は静かに!~サツキ荘の初夏(1993年)
  • カクスコ総集編・年中無休!(1993年)- 特別公演 FROM A ACT-ALIVE参加作品
  • とっぱらい ~ラビット企画頑張る(1993年)
  • 春はどこから ~サツキ荘空き室あり(1994年)- 特別公演 東京演劇フェア参加作品
  • カクスコ総集編・年中無休!(1994年)ー 北海道公演
  • 人材求ム!~便利屋 WORK BOX '94(1994年)
  • 二本松酒店(1994年)- 大阪公演
  • MEN AT SONGS(1995年)- ライヴ:渋谷CLUB QUATTRO
  • 松原六丁目あたり(1995年)
  • 廊下は静かに!(1995年)ー 北海道公演
  • 空き室あり!~サツキ荘'95・秋(1995年)
  • 廊下は静かに!(1996年)ー 特別公演
  • 年中無休!(1996年)- 特別公演
  • じゃあ、明後日!~マンモス工房の師走(1996年)
  • 上りの始発 ~丸子組、旅に出る。(1997年)
  • 空き室あり!(1997年)- 特別公演
  • 正月どうすんの? 便利屋 WORK BOX '97・冬(1997年)
  • MEN AT SONGS 2(1998年)- ライヴ:三軒茶屋 シアタートラム
  • 空き室あり!~サツキ荘'98・秋(1998年)- 特別公演
  • 見積無料 古道具屋朝日堂の夏(1998年)
  • MEN AT SONGS 2(1998年)- ライヴ:大阪 近鉄小劇場
  • 見積無料 古道具屋朝日堂の夏(1999年)- 北海道公演
  • 表へ出ろ!? 馬鹿のケンカほど面白いものはない!(1999年)
  • 上りの始発 ~丸子組、旅に出る。(2000年)- 特別公演
  • 借りたら返す!~レンタルショップ"USHIGAMI"の師走~(2000年)
  • 借りたら返す!~レンタルショップ"USHIGAMI"の師走~(2001年)- 特別公演
  • 今日までどうもありがとう カクスコの総べて見せまーす!?(2001年、最終公演)

脚注[編集]

  1. ^ [1]参照
  2. ^ 1994年の「春はどこから」(東京芸術劇場)のみ、客演として女性が参加している

外部リンク[編集]