初期質量関数

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星形成
Heic0411a.jpg
星形成中の天体
理論上のコンセプト
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初期質量関数(しょきしつりょうかんすう、英initial mass function略してIMF)は経験的に得られた関数であり、恒星母集団質量分布(恒星質量のヒストグラム)をその初期質量(恒星形成時の質量)により記述する。恒星の特性とその進化はその質量と密接な関係にあるので、IMFは天文学者が多数の恒星を研究する上で重要な診断ツールのひとつとなる。IMFは恒星のグループ間であまり違いがない。

初期質量関数の成立[編集]

IMFはべき乗によって表記される。ある体積の空間にある質量M の恒星の数N(M)M^{-\alpha} に比例するが、\alpha は無次元の指数である。IMFは質量=光度関係を使った初期光度関数から推定できる。

我々の太陽より質量の大きな恒星に共通するIMFを発見したのはエドウィン・サルピーターで1955年のことである。彼は指数\alpha=2.35 にこだわった。この形式のIMFをサルピーター関数またはサルピーター IMFという。これにより各質量レンジにおける恒星の数は質量の増大とともに急速に減少することが明らかになった。

その後の研究でIMFの対象は1太陽質量以下まで拡張した。Glenn E. MillerとJohn M. Scaloは、IMFが1太陽質量以下で『平坦になる』(\alpha=0 に達する)ことを指摘した。Pavel Kroupaは0.5太陽質量以上では\alpha=2.3 を維持しながら、0.08-0.5太陽質量では\alpha=1.3 、0.08太陽質量以下では\alpha=0.3 を導入した。

褐色矮星の領域ではまだ不明の点が多い。

参考文献[編集]

  • Edwin Salpeter, The luminousity function and stellar evolution, ApJ 121, 161 (1955)
  • Glen Miller & John Scalo, The initial mass function and stellar birthrate in the solar neighborhood, ApJS 41, 513 (1979)
  • John Scalo, The initial mass function of massive stars in galaxies. Empirical evidence, Luminous stars and associations in galaxies; Proceedings of the Symposium, Porto-Kheli, Greece, May 26-31, 1985. Dordrecht, D. Reidel Publishing Co., 1986, p. 451-466.
  • Pavel Kroupa, On the variation of the initial mass function, MNRAS 322, 231 (2001) arXiv preprint
  • Pavel Kroupa, The initial mass function of stars: evidence for uniformity in variable systems, Science 295, 82 (2002) arXiv preprint