分布容積

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分布容積(volume of distribution、Vd)とは薬物が瞬時に血漿中と等しい濃度で各組織に分布すると仮定したときに求められる容積(L/kgあるいはmL/g)。体内において薬物の分布する実体積を示すパラメータではない。1-コンパートメントモデルに従う薬物の場合、ある時間における体内薬物量(X)を血漿中濃度(Cp)で割った値が分布容積である。


Vd=X/C_p

分布容積から薬物の組織への移行のしやすさが推定することができる。例えば、分布が血漿中だけに限られる場合は分布容積は血液量と一致する(0.05-0.06L/kg)。エバンスブルーはほとんど組織に移行せず血漿中に分布する性質を持つ。一方、臓器に高濃度に蓄積する薬物の場合には血漿中濃度が小さくなり、分布容積が1L/kgを超える場合もある。分布容積が大きな薬物の例としてチオペンタールジゴキシンイミプラミンなどが挙げられる。

参考文献[編集]

  • 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
  • 中島恵美 編集 『薬の生体内運命』ネオメディカル 2004年 ISBN 4990197003