内田義彦

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内田 義彦(うちだ よしひこ、1913年2月25日[1] - 1989年3月18日[1])は、日本経済学者である。

愛知県名古屋市生まれ[1]専攻経済学史社会思想史。アダム・スミスカール・マルクスと、近代日本思想史の研究で知られる[1]。著書『社会認識の歩み』で、歴史認識と現代認識の関係、理念とハウ・トゥの関係、読み方について、を論じて、日本における社会科学の進展も交え考察している。

1954年8月16日に学位論文『経済学の生誕』で、専修大学から経済学博士の学位を受ける[2]

略歴[編集]

著書[編集]

  • 『経済学の生誕』未來社、1953年、新装版1994年
  • 『経済学史講義』未來社、1961年、新装版2015年
  • 『資本論の世界』岩波新書、1966年
  • 『日本資本主義の思想像』岩波書店、1967年。毎日出版文化賞受賞
  • 『社会認識の歩み』岩波新書、1971年
  • 『学問への散策』岩波書店、1974年
  • 『作品としての社会科学』岩波書店、1981年、同時代ライブラリー、1992年。大佛次郎賞受賞
  • 『「作品」への遍歴 大佛次郎賞受賞記念講演』時潮社、1982年。専修大学社会科学研究所編・ブックレット
  • 『読書と社会科学』岩波新書、1985年
  • 『形の発見』藤原書店、1992年、改訂新版2013年 ISBN 4894349442。主に講演・対話集
  • 『学問と芸術』山田鋭夫編・解説、藤原書店、2009年 ISBN 489434680X 

著作集[編集]

  • 内田義彦著作集』岩波書店 全10巻、1988-89年
1 経済学の生誕
2 経済学史講義
3 経済学史・思想史研究
4 社会認識の歩み・資本論の世界
5 日本資本主義の思想像
6 学問への散策 散策もう一度
7 対談への試み
8 作品としての社会科学
9 読書と社会科学
10 歩みの跡
補巻 時代と学問。野沢敏治・酒井進編、2002年、全巻総索引付
  • 『内田義彦セレクション』藤原書店 全4巻、2000-2001年
    • 『生きること学ぶこと――なぜ「学ぶ」のか? どのように「生きる」か?』新装版2004年、2013年、ISBN 9784894349452
    • 『ことばと音、そして身体――芸術を学問と切り離さず、学問と芸術の総合される場を創出』対談集。ISBN 9784894341906
    • 『ことばと社会科学――どうすれば哲学をふり回さずに事物を深く捕捉し表現しうるか?』ISBN 9784894341999
    • 『「日本」を考える――普遍性をもふくめた真の「特殊性」を追究する独自の日本論』ISBN 9784894342347

共編著[編集]

  • 『古典経済学研究 上巻』編 未来社 1957
  • 『経済学入門』都留重人・末永隆甫共編 東京出版 1958
  • 『資本主義の思想構造』小林昇共編 岩波書店 1968
  • 『内田義彦対談集 読むということ』筑摩書房 1971、増補版1979
  • 近代日本思想大系 18 河上肇集』編集・解説 筑摩書房 1977
  • 『言葉と科学と音楽と』谷川俊太郎と対話、藤原書店 2008

研究評伝[編集]

  • 鈴木信雄『内田義彦論 ひとつの戦後思想史』日本経済評論社、2010年
  • 『内田義彦の世界 生命・芸術そして学問』藤原書店、2014年
  • 野沢敏治『内田義彦 日本のスミスを求めて』社会評論社、2016年
  • 山田鋭夫『内田義彦の学問』藤原書店、2020年

参考文献[編集]

  • 吉澤芳樹「日本の社会科学を目指した経済学史家――内田義彦先生を偲ぶ」『経済学史学会年報』第27号、経済学史学会、1989年、1頁、ISSN 04534786 

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 吉澤芳樹 1989
  2. ^ 書誌事項(CiNii Dissertations)”. 国立情報学研究所. 2017年5月19日閲覧。

関連項目[編集]