六ヶ所村核燃料再処理事業反対運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
六ヶ所村核燃料再処理事業反対運動(ろっかしょむらかくねんりょうさいしょりじぎょうはんたいうんどう)とは、日本原燃が青森県六ヶ所村で行っている核燃料サイクル事業に対する反対運動である。特に、2008年に本格稼動を予定している六ヶ所再処理工場に対して、強い反対が起きている。
[編集] 概要
六ヶ所再処理工場を中核とする日本原燃の使用済み核燃料再処理事業は、日本国内の反原発運動の中でも特に激しい反対運動の対象となっており、訴訟や本の出版、映画製作、講演会など様々な手段を用いた反対運動が展開されている。主なものを以下に示す。また、参議院議員の川田龍平は上記の9万人強の反対署名を受ける形で、2007年11月27日の参議院環境委員会において、この問題についての質問を行った[1]。ただしこの質問中のプルトニウムの毒性に関する認識には事実誤認の可能性が指摘されている(後述)。
[編集] アメリカのプルトニウム政策と六ヵ所再処理工場
中村政雄(元読売新聞論説委員)の取材によると、アメリカ連邦政府周辺の核不拡散政策関係者は六ヵ所再処理工場におけるプルトニウム抽出が北朝鮮にウラン再処理の口実を与えているとの理解で一致しており、また北朝鮮以外のアジア諸国が今後ウランを再処理してプルトニウムを抽出しようとする際にも、その正当性を主張する論拠として日本のプルトニウム抽出が引き合いに出されることを懸念しているとされる。
アメリカ政府は1988年の日米原子力協定があるので公式に六ヵ所再処理工場への反対はしていないが、代わりにロックフェラー財団などの有力財団が出資している核管理研究所と天然資源保護協会という組織が六ヵ所再処理工場反対運動に秘かに協力している可能性があることを中村は指摘している[2]。
[編集] 反対運動等
- 核燃サイクル阻止1万人訴訟
- 「原子力発電はあまりにも危険であり、また原子力発電を推進する人々の言葉は嘘やごまかしばかり」との立場[3]から、本施設を含む4事業の認可取り消しを求めて提訴。2007年12月、最高裁判所で敗訴が確定した[4]。このグループは事業認可取り消しを求めて複数の訴訟を並行して行っているが、放射性物質による地下水汚染と設備の耐震性を争点とした訴訟は2006年6月に1審敗訴、2審では被告である原燃のデータ隠蔽が裁判所によって認定されたが、控訴そのものは棄却された[5]。
- 「STOP ROKKASHO」
- 音楽家の坂本龍一による、主にポピュラー文化商品の製作者を中心とした反対運動STOP ROKKASHO。このグループは講談社より『ロッカショ:2万4000年後の地球へのメッセージ』(2007年)という本も出版しているが、この内容に対し「エネルギー戦略研究会」有志[6]、エネルギーフォーラム紙[7]、山名元(京都大学原子炉研究所・教授)[8]らは事実と異なる部分があまりにも多いと主張している。これらの指摘に対し、現在のところSTOP ROKKASHO運動側からは反論されていない。
- 映画「六ヶ所村ラプソディー」[9]
- 反原発論者で、本施設にも反対の立場である鎌仲ひとみ[10]が「中立の立場で」制作したとする映画六ヶ所村ラプソディー。この映画は各地で反原発の立場の論者の講演会とセットになった自主上映会が開催されている。代表的な講演者は鎌仲ひとみ、田中優、冨田貴史[11]、木下デヴィッド(プロサーファー)[12]である。
- 田中優
- 様々な市民運動に関わっている活動家の田中優による講演会[13]。
- 国際的環境保護団体グリーンピース (NGO)による反対運動[14]。
- サーフライダー・ファウンデーション・ジャパン
- サーファーらによる反対署名[15]
- 「豪快な号外」
- TEAM GO GOによるフリーペーパー、豪快な号外。
- 三陸の海を放射能から守る岩手の会
- 岩手県で活動する「三陸の海を放射能から守る岩手の会」による反対運動。
- 美浜の会
- 大阪で活動する「美浜の会(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会)」は近年では六ヶ所村核燃料再処理施設とプルサーマル発電計画への反対運動を集中的に展開している。
- 日本弁護士連合会
- 日本弁護士連合会(日弁連)も反対運動を行っている[16]。
- 「『六ヶ所再処理工場』に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク(阻止ネット)」
- 日本の食糧自給率の向上などを目指した消費者運動を軸にする7つの呼びかけ団体(生活協同組合あいコープみやぎ、生活協同組合連合会きらり、生活協同組合連合会グリーンコープ連合、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会、大地を守る会、NPO法人日本消費者連盟、パルシステム生活協同組合連合会)が600余りの賛同団体とともに、37万9,469筆(1月28日現在)の署名運動や、メッセージカード、集会とパレード、国会の院内集会で反対運動をしている。「汚染された食品を食べない運動」ではなく、「消費者が、生産者と連携して、六ヶ所再処理工場による環境や食品の放射能汚染を阻止する運動」[17]であることが特徴である。
- 岩手県内6漁協
- 重茂漁業協同組合、大浦漁業協同組合、織笠漁業協同組合、山田湾漁業協同組合、船越湾漁業協同組合、田老町漁業協同組合の署名活動に上記の「阻止ネット」が協力し、合計39万9,524筆(1月28日現在)の署名を内閣総理大臣と経済産業大臣に提出した。
- パタゴニア
- アウトドア用品メーカーのパタゴニア (企業)は原子力資料情報室や「六ヶ所村ラプソディ」に依拠して本事業に反対の立場を表明し、ウェブサイト内に本事業を非難するコーナーを設けている[18]
[編集] 議論
本施設に対する反対運動の主な主張とそれに対する各種の反論を以下に示す。なお、これらの主張は必ずしも科学的に実証された主張ではなく、論争の最中である。
[編集] 「六ヶ所再処理工場からの放射能は1日で原発1年分」
- 一方、これについて電気事業連合会は、そもそも日本の原子力発電所が1年間に排出する放射性物質は極めて少ないし、人体あたりの年間被曝量で計算すると約0.022ミリシーベルトとなり、日本国内での自然放射線量の地域差(最大で年間0.4ミリシーベルト)以下であると反論している[21]。また、六ヶ所再処理工場が本格稼働した際に1日に排出する放射能は通常の原発の180倍程度であり、さまざまな経路を経て実際に人への影響を考える放射線量では約1.6倍程度である[22]という岩手県議会での答弁がある。
[編集] 「六ヶ所再処理工場から排出される放射性物質が青森の米や魚を汚染する」
- 青森県は「本施設の稼働後には、米が90ベクレル、魚が300ベクレル放射能で汚染される」と予測している。国内の原子力施設で、日常的に環境や食糧を放射能汚染する施設は、六ヶ所再処理工場が初めてである。
- こうしたものは口にしたくないという意見[23]が存在しているが、こうした情報が一人歩きすることで風評被害が発生することを懸念する声[24]もある。汚染された食品を食べない運動ではなく、環境や食品を汚染させないための反対運動が展開されている。
- なお、上記の数字をより精密に表現するならば、生の米1キログラムあたりに含まれる炭素14の量がバックグラウンドレベル(自然界に通常存在する放射性物質のレベル)である生米1キログラムあたり87-110ベクレルから、更に90ベクレル程度増加すると推測されているという意味である。魚については生魚1キログラムあたりに含まれるトリチウムの量が、バックグラウンドレベルであるND(検出不可能)から、同300ベクレル程度増加すると推測されているという意味である[25]。
- これについて青森県は、炭素14やトリチウムは自然界にも存在する放射性物質であること、こうした放射性物質の増加に伴う人間一人当たりの被曝線量の増加は年間0.006ミリシーベルト、年間0.0004ミリシーベルトであること、この線量の数値は「六ケ所再処理工場の近くに住み、敷地周辺で生産される農畜産物や前面海域で漁獲される海産物(海産物への放射性物質の濃縮も考慮しています。)を毎日食べ続け、ほぼ毎日漁業を営むという仮定」の上であること、元々自然界から人間が受けている線量の地域差は上記の増加分の数値よりも大きいことを指摘している(前出リンク参照)。なお原発反対運動ウェブサイトの一つである美浜の会は、放射線被曝に関する国際的規準である国際放射線防護委員会を批判した放射線リスク欧州委員会の勧告を紹介しているが、この勧告における公衆被曝の年間限度量は0.1ミリシーベルトであり、これは上記の被曝線量増加分のおよそ17倍である。
[編集] 「六ヶ所再処理工場から海中に放出される放射能が三陸の海産物を汚染する」
- 前述の田中優は、再処理施設が海中に放出する放射性物質は太平洋には拡散せず、親潮に乗って三陸沖の漁場に滞留し、生物濃縮によって魚介類に蓄積するので、再処理施設の稼働は中止すべきであると主張している(前出動画資料参照)。また水産学者の水口憲哉は、田中と同様の事実認識に基づき、本施設を「六ヶ所再処理工場は、今世紀最大の海洋汚染の発生源」と形容したとされる[26]。
- これに対し、「1日で原発1年分」に該当するトリチウムやクリプトン85は生体濃縮されず、濃縮されるヨウ素129を対象として原燃の計算より高めの濃縮係数で計算しても、再処理工場から放出される放射性物質による被曝量は微々たるものという指摘がある[27]。
[編集] 「六ヶ所再処理工場から日常的に放出する放射能によって、世界全体で1万5000人が癌で死亡する」
- グリーンピースは、ロンドン大学のバーソロミュー・メディカル・カレッジで放射線生物学の学位を取得したフリーの環境コンサルタント、イアン・フェアリー(Ian Fairlie)に委託して作成させた報告書[28]を2008年2月に発表[29]した。
- この報告書によると、六ヶ所再処理工場が1年間の本格稼働で地球全体の集団積算線量(環境に放出する放射性物質から地球上のすべての人々が受ける被爆放射線量を合計した推計値)が7400[人・Sv]になるとし、これを「直線しきい値無し仮説」を採用した上で比例計算により評価すると「毎年、世界でおよそ370人が癌で死亡すると計算される」としている。ただしこの仮説は科学的に実証されたものではなく、有効性に疑問を呈する研究者も多い。詳細は「被曝」の項の「直線しきい値無し仮説」を参照。
また、予定されている40年間、再処理工場が最大能力の運転を休み無く続けた場合では「世界全体で1万5000人が癌で死亡する」としている。ただしフェアリーが同報告書中で用いている「person Sv(人・Sv)」という単位は集団線量を表す為の単位であり、実際にこのような被曝が起こるかどうかは別問題である。例えば100万人の集団が0.000001シーベルトずつ被曝した場合、この集団の集団線量は1人・Svである。前出7400人・SVという数字を2007年の推定世界人口である66億で割ると、1人あたりの被爆線量はおよそ0.00000112シーベルトとなり、フェアリーが発ガン率の推定に用いた1人あたり1シーベルトを遙かに下回る数値となる。こうした極めて低い線量もまた有意な発ガン率の増加をもたらしうるとするのが、前出の「直線しきい値無し仮説」を真とする立場である。2007年12月に発行されたICRPによる新勧告では、集団線量は生物学的にも統計的にも不確定であり、微小な被曝を大人口に掛け合わせてがんの死亡を計算するような使い方は「is not reasonable and should be avoided」とされている[30]。 - この報告書は、他にも「日本原燃と日本政府によるトリチウム、炭素14、クリプトン85、ヨウ素129の放出管理目標値の計算値は、フランスのラ・アーグ工場およびスイスのPWRの数値と比較した場合、矛盾する部分があるので、推定値の計算プロセスを具体的に公開すべきである。」「時間範囲を切り縮めない地球全体の集団線量による損失は、六ヵ所再処理工場の操業による利益を優に超える可能性がある。ただし実際の集団線量はヨウ素129の除去プロセスが設計値通りの動作をするかどうかに決定的に依存する。」「六ヶ所再処理工場からの推定放出量から見込まれる年集団線量は、セラフィールド再処理工場のおよそ4倍、ラアーグ再処理工場のおよそ1.3倍である。」「六ヶ所再処理工場からの放出核種量が大きいのは、1999年に他の二工場が再処理したそれより高い燃焼度の核燃料を再処理することになるためである。」などの指摘を行っている。
- 現在のところ、日本原燃など再処理事業を推進する立場からの反論は発表されていない。
[編集] 「イギリスやフランスの再処理工場周辺では白血病が増えているので、六ヶ所再処理工場でも同様の事態が懸念される」
- 同じく、イギリス(セラフィールド)やフランス(ラ・アーグ)の再処理施設周辺では、小児白血病が増えている[31]。つまり再処理施設周辺では小児白血病が増えるということなので、再処理施設は不要であるという指摘がある。これについては、セラフィールドやラ・アーグ周辺の白血病についてはイギリス、フランスの政府機関が調査を行い、白血病の発症率が有意に高いことが明らかとなったが[32][33]、再処理施設は他にも多数存在するし、原子力関連施設との関係を示す証拠も見つかっていない[34]という原燃の反論がある。また、セラフィールドでは80年代から放出量が低減化され現在の放出基準は過去の数十~百分の一となっており[35]、原子力安全委員会によると、2005年にセラフィールド再処理施設から放出された放射性物質による実効放射線量の増加分(1人あたり約220マイクロシーベルト)に比べても、六ヶ所村再処理施設の推測値はその1/10であるとされる[36]。
[編集] 「六ヶ所再処理工場で製造されるプルトニウムは使い道が無い」
- 福島県や新潟県は再処理施設で製造されるプルトニウムを用いたプルサーマル発電を拒否しているし、高速増殖炉も計画が難航しているので、プルサーマル発電は日本国内では実施出来ない。よって再処理施設も不要であるとの指摘が提出されている[37]。
- 一方、これについては平成24年以降に軽水炉でMOX燃料として使用する予定であるし[38]、2006年には佐賀県の九州電力・玄海原子力発電所3号機でプルサーマル発電を行う計画が地元自治体に了承されている[39]との反論もある。また、2008年1月には福井県の西川一誠知事が高浜原発で2010年までにプルサーマル発電を開始する計画に同意し、2008年2月には静岡県知事が浜岡原発でのプルサーマル計画推進を申し入れている。更に、高速増殖炉構想についても計画が断念されたわけではなく、原型炉「もんじゅ」が2009年2月に運転再開の予定であり、2008年8月には実証炉の開発協力について日仏米が覚書を取り交わしている[40]。
[編集] 「日本核武装のための六ヶ所再処理工場」
- 六ヶ所再処理工場で取り出すことのできるプルトニウムは、不安定なプルトニウム240の含有量が高くて原子爆弾の製造には不向きである。しかし、核燃料サイクルで計画されている高速増殖炉と組み合わせることにより、原子爆弾の製造が可能な兵器級のプルトニウムを生産可能になる[41]。
- ウラン鉱山-精錬工場-濃縮工場-燃料加工工場-原子力発電所-再処理工場(六ヶ所再処理工場)-MOX燃料加工工場-高速増殖炉(もんじゅ)-再処理工場-原爆製造工場
[編集] 「六ヶ所再処理工場が年間に海に放出する放射能は、47000人分の致死量相当」
- 同じく田中優は、再処理施設が海中に放出する放射性物質が年間で47000人分の致死量にもなり[42]、しかもこれは太平洋には拡散せずに海流の影響で三陸から関東の沿岸に滞留すると指摘している(前出動画資料参照)。この計算の根拠は「六ヶ所村核燃料再処理施設が年間で放出する放射性物質の放射線量を合計すると330000000mSV」であり、人間が短時間に被曝した場合99%以上の人が死ぬとされる放射線量[43]である7000mSVでこれを除した数字が47142.857142857145となるからであると推測される[44]。
- これについては、放出直後に十分に希釈されるし、大半は人体への影響を及ぼしにくいトリチウムの形での放出なので、リスクの過大評価であるとの反論がある[45]。
[編集] 「六ヶ所再処理工場で製造される物質であるプルトニウムは角砂糖5個分で日本が全滅する猛毒である。」
- プルトニウムの毒性は既知の毒物の中でも最悪レベルで、「角砂糖5個分で日本が全滅」するものであるという指摘がある。本施設に反対する人々の中には、この主張を根拠に本施設の危険性を強調する者もいる[46][47]。前述の川田龍平議員による国会質問においても、この命題は本施設の抱える問題の大きさを示す一助として用いられている(前出・参議院環境委員会議事録参照)。
[編集] 「六ヶ所再処理工場は過大な費用がかかるので中止すべきである」
- 脱原発の立場にあるウェブサイト原子力資料情報室などは、本施設の建設・維持にかかる費用が過大であり、また当初示されていた費用を遙かに超えていることを問題視し、最終的に国民の支払う電気料金が押し上げられると指摘し、再処理工場の稼働を中止すれば最終的な負担は大幅に軽減出来るとし、再処理工場の稼働を中止するよう求めている[49]。
- これについて日本原燃は、費用の額について直接はコメントしていないが、日本のエネルギー面での安全保障を考えた時に、ウランを代替しうる核燃料としてのプルトニウムは必要であることが、国家の長期政策として決定されていると回答している[50]。
- また原子力資料情報室は、電気事業連合会の試算が稼働率100%を前提としているので、実際の費用はこの試算より必ず増えるとも主張している(前出資料参照)。これについて電気事業連合会は、稼働率は定格を前提として試算されており、定格より5%稼働率が上がった場合は、それによって増える分の再処理費用をそれによって減る分の中間貯蔵費用・ウラン代が上回る為、全体では300億円の費用減、また稼働率が5%下がった場合には500億円の費用増になるとの試算を示している[51]。
[編集] 「六ヶ所村核燃料再処理工場からプルトニウムが排出され、三陸から房総半島先端の沿岸部のサーファーに劣化ウラン弾被害と同じような被害をもたらす」
- 田中優はセラフィールドの再処理施設がプルトニウムを排出したことを根拠に、本施設からもプルトニウムが海中に排出されるとしている。田中によるとプルトニウムは恐るべき猛毒であり、「少しでも入ってくるとすぐ白血病がおこったり骨髄腫がおこったり」するとされる。また田中は、プルトニウムは水に溶けにくい物質であるが、水に溶けにくい物質を水の中に入れると気泡の中に集まる性質があるので、海面近くで息を吸い込むことが多いサーファーに劣化ウラン弾と同様の被害をもたらすと主張している(田中、前出動画)。
- なお、本施設は2007年3月31日より実際に使用済み燃料を用いて本稼働と同じ条件でプルトニウムを製造する「アクティブ試験」[52]を開始しているが、日本原燃の定例報告データ上では、プルトニウムの放出はアクティブ試験開始後も検出されていない[53]。
[編集] 再処理工場の直下に未知の活断層がある
- 渡辺満久・中田高らの研究グループは2008年5月、再処理工場の直下にこれまで知られていなかった活断層を発見したと日本地球惑星科学連合大会で発表。最大でM8程度の地震が発生する可能性があると主張し、耐震性を再確認すべきであるとした。[54]日本原燃は3日後に反論を自社ウェブサイトに掲載。研究グループによる「出戸西方断層と大陸棚外縁断層が繋がっている」との主張については、両者の活動年代が数十万年ズレており、また方向も異なっているので、連続したものではないと主張した。また現在、工場の耐震性は国による審査を受けている最中であること、新しい知見が得られればそれを地震対策に反映させるつもりがあることを示した。[55]
[編集] その他の批判意見
- 再処理によってプルトニウムを抽出すると、逆に低レベル廃棄物は増えるので、再処理施設は不要であるとの意見がある(原子力資料情報室など)。
- 六ヶ所村の施設はクリプトン85の除去装置を設置していない。クリプトン85を回収することは技術的に可能であり、設置しないのは排出される放射性物質を可能な限り除去するという主張を裏切るものであるという意見に対し、日本原燃は、回収したクリプトン85を固定化し貯蔵する総合的な技術が確立されていないためと回答している[56]。また、英国核燃料公社 (BNFL: British Nuclear Fuels Limited) が六ヶ所村再処理工場に回収装置を設置しないよう促したとも報じられている[57]。
[編集] 注
- ^ 川田龍平ホームページ
- ^ 中村政雄『原子力と報道』中公新書ラクレ、2004年、136-143ページ
- ^ 核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団とは
- ^ 敗訴確定に「不当、残念」/ウラン濃縮工場訴訟
- ^ 放射性廃棄物施設:事業許可取り消し訴訟で原告控訴棄却
- ^ 貴社出版物「ロッカショ」に対する抗議文
- ^ 「報道特集 間違いだらけのロッカショへの反論」エネルギーフォーラム 2008年6月号
- ^ 「間違いだらけの原子力・再処理問題」山名 元著,ワック(2008)
- ^ 「六ケ所村ラプソディー」
- ^ 『六ケ所村ラプソディー』〜オフィシャルブログ
- ^ 『*・わたしにつながる いのちのために・*』
- ^ 『デヴィッド・木下公式サイト:@DAVID|ホーム』
- ^ 「六ヶ所村問題」編 未来バンク事業組合理事長 田中 優 氏 から緊急提言!ダイジェスト版
- ^ GREENPEACE「六ヶ所村核燃料再処理施設とは」
- ^ サーフライダ・ファウンデーション・ジャパン
- ^ 六ヶ所再処理工場のアクティブ試験についての会長声明
- ^ 「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク 賛同と活動参加のお願い。
- ^ 六ヶ所再処理工場 - いま、私たちが知るべきこと。
- ^ "Greenpeace資料 再処理工場からの放射能は1日で原発1年分"
- ^ 原子力資料情報室
- ^ 六ヶ所再処理工場についての最近の一部報道等での記述について
- ^ 岩手県環境福祉委員会会議記録
- ^ エネルギー問題について
- ^ 青森県への要望書提出行動の報告
- ^ 再処理工場の操業にともなう環境モニタリングへの影響
- ^ 今世紀最大の海洋汚染!水口憲哉氏
- ^ 再処理工場廃液の生体濃縮について
- ^ 報告書原文は[1]。グリーンピースによる和訳は[2]
- ^ グリーンピース「六ヶ所再処理工場のために15,000人が癌死と推定」
- ^ [3]
- ^ セラフィールド再処理工場からの放射能放出と白血病
- ^ Summary of the work of COMARE as published in its first six reports
- ^ [4]
- ^ 日本原燃「ご質問にお答えします。
- ^ 滝澤行雄「六ケ所再処理工場から放出される放射性物質の環境への影響
- ^ 「原子力安全 意見・質問箱」に寄せられた御意見・御質問とその回答
- ^ Greenpeace「プルトニウム問題」
- ^ 六ヶ所再処理工場アクティブ試験開始に伴うプルトニウム利用計画に関するお知らせ
- ^ 九州電力・玄海原子力発電所3号機のプルサーマル計画について
- ^ 日本原子力研究開発機構、フランス共和国原子力庁及び米国エネルギー省の間のナトリウム冷却高速実証炉の協力に関する覚書の改正について(平成20年8月26日)
- ^ 槌田敦ほか『隠して核武装する日本』影書房、2007年12月、ISBN 978-4877143763
- ^ ナマクラ流・脱原発ムーブメント2006
- ^ 人体に対する放射線の影響
- ^ 三陸の海を放射能から守る岩手の会
- ^ 再処理工場は一年間に47,000人分の致死量の放射能を海に排出する
- ^ [5]
- ^ NO NUKES MORE HEARTS ~ストップ再処理 パーティー&パレード
- ^ 「12/25佐賀新聞・12/28毎日新聞(西部版)・12/29西日本新聞・1/21読売新聞(西部版) 全面意見広告」について
- ^ 六ヶ所再処理工場のコストは11兆円!!
- ^ 再処理政策、再処理コスト、再処理の安全性などについて教えてください。
- ^ 原子燃料サイクルのバックエンド事業コストの見積もりについて
- ^ アクティブ試験の概要
- ^ JNFL環境モニタリング放出状況
- ^ 六ケ所村:核燃料サイクル施設の直下に未知の活断層 青森
- ^ 「六ヶ所再処理工場の直下に活断層か」などの主張に関する当社の考えについて
- ^ 日本原燃からの回答とコメント
- ^ 「BNFLは、クリプトンに関する勧告を無視」美浜の会

