全有機炭素

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全有機炭素ぜんゆうきたんそTOC、Total Organic Carbon)とは、水中の酸化されうる有機物の全量を炭素の量で示したもの。代表的な水質指標の一つ。

概要[編集]

従来、水中に含まれる有機物量の指標は、BODCODによって行われていたが、これらは有機物の種類、測定条件等によって一義に比較することが難しかった。そのため、これらに代わり有機物量の指標にTOCが使用され始めている。しかし、TOCは水質に影響をあまり与えない難分解性有機物も、通常の有機物と同様に測定するため目的に応じた使い分けが重要である。

測定原理[編集]

試料水中に含まれる有機物態炭素を二酸化炭素に酸化させる。そして、その二酸化炭素量を測定することによってTOCを求める。

酸化方法によって、燃焼酸化方式と湿式酸化方式に大別される。

燃焼酸化方式

試料水を空気または酸素とともに、酸化コバルト,白金,バラジウムなどの酸化触媒を充填し900-950℃に加熱した燃焼管に送り込み、有機物を二酸化炭素に酸化させる。その二酸化炭素量を赤外線分析計などで測定し全炭素量を求める。

その後、無機炭素の測定を行うため、試料水をリン酸などの無機炭素用の酸化触媒を充填し約150℃に熱した燃焼管に送り込み、全炭素量を測定した方法同様に、二酸化炭素を発生させ測定する。全炭素量から無機炭素量を引き、その差を全有機炭素量とする。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 『水の分析 第五版』日本分析化学学会北海道支部著 ; 化学同人 2005年 ISBN 4759809910