全国商工会連合会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
全国商工会連合会
Central Federation of Societies of Commerce and Industry
略称 全国連
種類 商工会
法人番号 9010005017583 ウィキデータを編集
法的地位 特別民間法人
目的 都道府県連合会の指導・連絡・意見総合など
所在地 東京都千代田区有楽町1丁目7番1号
ウェブサイト www.shokokai.or.jp
テンプレートを表示

全国商工会連合会(ぜんこくしょうこうかいれんごうかい Central Federation of Societies of Commerce and Industry)は、商工会法(昭和35年5月29日法律第89号)に基づき全国の商工会を会員として組織した特別民間法人。略称は全国連。英文字略称は、CFSCI

1962年(昭和37年)2月21日、商工会法第三章の「全国商工会連合会」に基づき法人として設立されたが、2002年(平成14年)4月1日に特別民間法人となった。

所在地は、東京都千代田区有楽町。商工会の振興に寄与するため、都道府県商工会連合会を会員とし商工会間の意見等を総合、調整したり、国内外の経済団体との提携を進めたりする機関。2023年時点の会長は、森義久(鹿児島県商工会連合会会長)。

毎年11月に行われる「ニッポン全国物産展[1]」の主催である。

目的[編集]

商工会連合会は、商工会の健全な発達を図り、もつて商工業の振興に寄与することを目的とする(商工会法第五十五条)。全国連合会は、その目的を達成するため、次に掲げる事業を行なうものとする。

  • 都道府県連合会の組織又は事業について指導又は連絡を行なうこと。
  • 都道府県連合会の意見を総合して、これを公表し、又は国会、行政庁等に具申し、若しくは建議すること。
  • 第一号から第四号まで、第六号及び第八号に掲げる事業
    • 一 商工会の組織又は事業について指導又は連絡を行なうこと。
    • 二 商工業に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。
    • 三 商工業に関する調査研究を行なうこと。
    • 四 展示会、共進会等を開催し、又はこれらの開催のあつせんを行なうこと。
    • 六 関係経済団体との提携又は連絡を行なうこと。
    • 八 行政庁等の諮問に応じて、答申すること。
  • 前各号に掲げるもののほか、全国連合会の目的を達成するために必要な事業を行なうこと。

各地商工会[編集]

市町村商工会は全国に1,649団体あり、そのうち市にあるものが788、町にあるものが680、村にあるものが148、複数行政区域にまたがるものが33である(2020年現在)。

都道府県商工会連合会[編集]

各連合会に青年部と女性部があり、また全国商工会青年部連合会、全国商工会女性部連合会も設置されている。

北海道・東北[編集]

北海道青森岩手秋田宮城山形福島

関東[編集]

茨城栃木群馬埼玉千葉東京神奈川山梨

北陸[編集]

新潟富山福井石川岐阜

東海[編集]

長野静岡愛知三重

近畿[編集]

滋賀奈良京都大阪兵庫和歌山

中国[編集]

島根鳥取広島岡山山口

四国[編集]

香川愛媛徳島高知

九州・沖縄[編集]

福岡佐賀長崎大分宮崎鹿児島沖縄

全国商工政治連盟[編集]

全国商工会連合会と同一ビルに事務所を構える政治団体。

総務省に提出された令和4年分政治資金収支報告書によれば、代表者は田上好道(石川県商工会連合会会長)、会計責任者は轡田倉治(福島県商工会連合会)、事務責任者は青山淳(全国商工会連合会組織運営部長)であり[2]、実質的に全国商工会連合会と同一組織である。

平成16年の第20回参議院選挙で組織内候補の松村祥史が自民党から全国比例で当選して以降、平成22年の第22回参議院選挙渡辺猛之、平成25年の第23回参議院選挙宮本周司、令和4年の第26回参議院選挙越智俊之と、令和4年時点で4人の組織内候補が現職の国会議員として所属している[3]

商工会法では政治的中立が求められており、また、商工会・各都道府県商工会連合会・全国商工会連合会の人件費等の運営費の多くは、国・自治体からの補助金で賄われていることから、その存在は国会でも問題視されている[4][5]

自民党や上述の組織内候補に対する政治献金のほか、組織内候補が所属する自民党派閥の政治資金パーティ券を購入しているが、その資金作りのために各地の商工会に高額の書籍を購入させていたことが赤旗の調査によって明らかとなっている[6]

不祥事[編集]

経済産業省から指定を受けて事務局を務めている小規模事業者持続化補助金について、全国商工会連合会から再委託を受けていた鹿児島県商工会連合会が2014年度から2018年度にわたって計586万円の不正受給を行っていたことが2019年に発覚した際、当時、経済産業大臣政務官であった宮本周司が全国商工会連合会・鹿児島県商工会連合会が補助金交付停止処分を受けないように働きかけていたことが赤旗の調査によって明らかになっている[7]。経済産業省の当初の処分案は「補助金交付停止」だったが、2021年6月に経済産業省は補助金の不正受給に関して処分基準を改正し、鹿児島県商工会連合会に対する処分は「補助金交付停止」よりも軽い「厳重注意」で処分は終わった[8]

また、鹿児島県商工会連合会は、経済産業省から厳重注意が行われた2021年6月25日から間を置かずに経済産業省の別の補助金を受給していたことが衆議院予算委員会で明らかになっている[9]

2023年、経済産業省から指定を受けて事務局を務めている事業環境変化対応型支援事業費補助金について、全国商工会連合会から再委託を受けていた大垣市商工会で人件費の水増し請求を行ってたことが明らかになった[10][11]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ニッポン全国物産展
  2. ^ 総務省、政治資金収支報告書令和5年11月24日公表(令和4年分定期公表)。
  3. ^ ホーム”. 全国商工政治連盟. 2024年4月13日閲覧。
  4. ^ 第94回国会衆議院商工委員会第12号(昭和56年4月22日)
  5. ^ 第151回国会衆議院経済産業委員会第12号(平成13年5月25日)
  6. ^ 赤旗日曜版2021年10月31日号
  7. ^ 赤旗日曜版2021年8月29日号
  8. ^ https://www.asahi.com/articles/ASQ1R5H5KQ1RULFA00K.html
  9. ^ 第208回国会衆議院予算委員会第12号(令和4年2月8日)
  10. ^ 日本放送協会. “大垣市商工会 去年もウソの報告書提出し補助金不正受給の疑い|NHK 東海のニュース”. NHK NEWS WEB. 2024年4月13日閲覧。
  11. ^ 日本放送協会. “インボイス制度など相談装う 大垣市商工会補助金不正受給疑い|NHK 岐阜県のニュース”. NHK NEWS WEB. 2024年4月13日閲覧。

外部リンク[編集]