児童福祉

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児童福祉(じどうふくし)とは、児童に対して行われる福祉サービスのことを指す。 児童に対する福祉は、従来、障害児孤児母子家庭の児童に代表されるような、特別に支援を要するとされる児童に対する施策を中心に行われてきた。しかし、近年、特に日本において高齢化と同時に社会の少子化が急速に進行していることを受け、全ての家庭において児童が健全に育成されること、また、児童を生み育てやすい社会環境を整えることを主眼とした施策が中心となってきている。また、近年児童虐待の相談件数が急増しており、これへの対応も、児童福祉の大きな課題の一つである。

児童の定義[編集]

児童をどのように定義するかはその局面によって異なるが、児童福祉法においては、児童を「満18歳に満たないもの」と定義している。このほか、制度によっては「20歳未満のもの」「18歳に達した後最初の年度末までの間にあるもの」などと児童を定義するものもある。

少子化対策[編集]

1990年、政府の人口動態調査によって前年の合計特殊出生率が1.57であることが発表された。これは、丙午のため出生が大きく落ち込んだ1966年の1.58を下回るものであり、今後の日本の年齢別人口構成比が大きくバランスを崩すことへの懸念、いわゆる1.57ショックが起こった。将来の健全な人口ピラミッドの形成を図るべく、政府は少子化対策の施策を進めてきたが、その一環として、2003年7月、次世代育成支援対策推進法を施行した。これは、日本において急速に進行する少子化に、社会全体が対応していくべきだという観点から、国や地方自治体だけでなく、子育てをしやすい環境作りのために企業も責務を負わなければならないと定め、具体策として、国、地方自治体、300人以上の従業員を雇用する企業が次世代育成のための行動計画を定めなければならないとしている。この行動計画を中心に、育児休暇の取得促進、保育所を中心とした子育て支援センターの創設、待機児童の解消、児童手当制度の拡充などの施策が、検討、あるいは実行されている。

施設における児童福祉[編集]

一方、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」(児童福祉法第1条第2項)という観点から、健やかな成長を阻害する環境下にある児童に対しては、各種の児童福祉施設に入所あるいは通所することにより、その回復が図られている。

詳しくは、児童福祉施設を参照のこと。

児童に対する手当[編集]

出産子育てをする者への金銭的援助として、健康保険制度上の出産一時金制度や、児童手当といった手当が用意されているほか、障害児や父のいない児童などへの手当として児童扶養手当特別児童扶養手当障害児福祉手当などの制度がある。

児童福祉に関する機関・窓口[編集]

児童相談所[編集]

都道府県政令指定都市は、児童に関する様々な相談を受け付ける児童相談所を設置することが義務づけられている。児童相談所は親からの子育てに関する相談や、児童虐待に関する通報などを受け、適切な処置を指導したり、相談所内の一時保護所に児童を保護したり、各種施設や里親に児童を委託するなどの措置を行う。

児童委員[編集]

民生委員法に定められた民生委員は、児童福祉法により児童委員を兼ねることとされている。児童委員は地域ごとの担当を持ち、児童に関する相談を受け付け、適切な制度を紹介したり、行政機関との連絡を行ったりする。

参考文献[編集]

関連項目[編集]