児玉中継局

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児玉中継局(こだまちゅうけいきょく)は、埼玉県本庄市及び児玉郡美里町陣見山にある、埼玉県の地上デジタルテレビジョン放送及びアナログテレビを送信する電波塔で、県内の大規模なテレビ中継局である。FMラジオ放送の送信設備は設置していない。

テレビ埼玉の県北部における基幹中継局となる送信所は本庄市に、NHK放送センター民放キー局の中継局は美里町にそれぞれ設置されている。埼玉県北西部、群馬県南部を主な放送エリアとしてカバーしている。


目次

[編集] 地上デジタルテレビジョン放送送信設備

各局の放送設備(送信機)の概要は以下の通りである。

リモコンキーID 放送局名 チャンネル 空中線電力 実効輻射電力 放送対象地域 放送区域
世帯数
開局日
1 NHK総合東京 13 3W 31W 関東広域圏
茨城県以外)
18万7454世帯  2006年12月1日
2 NHK教育・東京 26 全国放送
3 テレビ埼玉 32 10W 115W 埼玉県 42万5977世帯
4 日本テレビ 25 3W 31W 関東広域圏 19万3960世帯  2008年11月17日
5 テレビ朝日 24
6 TBSテレビ 22
7 テレビ東京 23
8 フジテレビジョン 21

現在は日本放送協会(NHK)と民放キー局、テレビ埼玉(テレ玉、TVS)が使用している。2006年12月1日より日本放送協会とテレビ埼玉が先行して秩父中継局と同時に開局となった。平塚中継局と同様、垂直偏波である。なお、放送大学学園(UD)は送信していないため、当中継局では受信できないが、東京タワーあるいは前橋中継局で受信可能となる地域がある。

2008年11月17日より民放キー局の放送を開始した。当初2007年度中に予定されていたが延期となった。当初想定した放送エリアの大部分が東京タワー及び前橋中継局からの電波でカバーされたことから、エリアの計画を見直したこと、及び近隣の局との混信が予想されそれらの対策の検討に期間を要したこととしている。

将来的にはアナログテレビでは実現できなかった日本放送協会(NHK)の埼玉県域放送を、NHKさいたま放送局が実施する構想もある。実現には現在東京タワーから放送されている関東広域圏向けのNHK総合テレビの扱いをどうするかや、現在でも首都圏としての需要がある点をどう評価するかなどの課題がある。

北方向(群馬県伊勢崎市、高崎市方向)にはビームが向いていないため、テレビ埼玉以外のデジタル在京局・NHKは、埼玉県内でも本庄市(旧本庄市)の西半分や上里町の大部分がエリア外となっている。

[編集] 電波法による放送区域

NHK在京キー局
埼玉県
群馬県
テレビ埼玉
埼玉県
群馬県

上記は目安であり、エリア内であっても障害物等により良好に受信できない場合がある。また、受信報告から実際にはこれより広範に飛んでいると考えられる。

[編集] 地上アナログテレビジョン放送送信設備

各局の放送設備(送信機)の概要は以下の通りである。

チャンネル 放送局名 空中線電力 実効輻射電力 放送対象地域 放送区域内世帯数
30(28) テレビ埼玉 映像100W
/音声25W
映像1.15kW
/音声290W
埼玉県 約20万1000世帯
35 NHK教育・東京 映像30W
/音声7.5W
映像290W
/音声72W
全国放送
51(33) NHK総合・東京 映像290W
/音声73W
関東広域圏
53(25) 日本テレビ
55(23) TBSテレビ
57(21) フジテレビジョン
59(19) テレビ朝日
61(17) テレビ東京

現在は日本放送協会(NHK)と民放キー局、テレビ埼玉(テレ玉、TVS)が使用している。平塚中継局と同様、垂直偏波である。

この中継局では大規模なアナアナ変換が行われた。括弧内の数字が変換前のチャンネルである。アナアナ変換により現在30chで放送されているテレビ埼玉は、標高が高い美ヶ原から送信されているテレビ信州(TSB)のアナログ放送(長野県・映像出力10kW)と、2006年4月より開始した千葉テレビ放送(CTC)のデジタル放送(千葉県船橋市三山送信所・出力500W)とチャンネルが同一である。そのため、アナアナ変換前の28chでは問題が無かったため一部の地域では、以前は正常に受信出来たのに、最近は混信が発生する世帯がある。

[編集] その他

  • 開設当初はテレビ埼玉のみ設置していたが、地元の強い要望により1986年3月12日に、在京局の中継局も設置された。これは埼玉県北西部で東京電力が設置している超高圧送電線によるVHF波の電波障害(後述)が発生しており、直進性が強く、電波障害に強いUHFの在京中継局が必要とされたこと、また群馬県にある前橋中継局の在京局中継はあくまで群馬県域向けであり、ビームも群馬県の「鶴舞う形」の鶴の首部分に集中しており、埼玉県西北部で受信する場合は「スピルオーバー(漏れ電波)受信」扱いであったためであること、さらに寄居・皆野地区の受信改善等が大きな理由である。
  • 県北部の本庄市深谷市付近では、NHK総合・教育、関東広域(在京民放)局の受信は児玉中継局や東京タワーよりも、群馬県榛名山にある前橋中継局からの電波を受信するほうが、良好に受信できる場合があるため、榛名山方面だけにUHFアンテナを向けている家があり、児玉中継局にアンテナが向いてない世帯が一部にある。大きな理由としては、1978年から1979年ごろにかけて埼玉県北部から群馬県東部へ延びる、超高圧送電線の敷設工事が始まる関係で、FM波[1]やVHF(特に1ch~3ch)の影響が出るため本庄、上里、岡部地域などでVHF(東京タワー)から、直進性が強く送電線障害に強いUHF(群馬県・榛名山の前橋中継局)へ切り替える大規模なアンテナ切り替え工事(費用は東京電力負担)が1978年になされた事実が挙げられ、当該工事により同地域のほとんどの世帯[2]に榛名向けUHFアンテナが敷設された。このため同地域では結果的に、群馬テレビの視聴の促進がなされたことになり、それ以降「テレビ埼玉は映りが悪いが、群馬テレビはきれいに映る」世帯がほとんどとなった。当時は児玉中継局にはテレビ埼玉のみ中継が予定され、在京局の中継局設置予定がなかったことが災いし、このとき受信は考慮されなかった。
  • 上記アンテナ切り替え工事の内容は、世帯ごとに前橋中継局受信用の20素子のUHFアンテナ(在京局の利得が足らない[48dBに満たない]場合は上級機種)を榛名方向に向け新規に設置し、それだけでは群馬テレビ以外の在京局受信には利得が不足[3]するため、増幅用に直下にブースターを取付、VHFしか受信できないTV受像機には周波数変換器(ごつい箱型の筐体で、榛名中継局に合わせた数個のボタンで局を選択する。VHF2chのRF出力があり、TVはVHF2chにチャンネルをあわせて受像)をさらに追加する、というものであった。前橋中継局向けUHF受信設備の追加設置であり、結果各家のUHFアンテナとアンテナマストには、ブースターの増幅部が付き、テレビの上にはブースターのスイッチつき電源部が鎮座することになった。また、この工事ではVHFの受信設備の撤収はしなかった。その後児玉中継局が開局しテレビ埼玉の中継が開始されたが、榛名向けUHFアンテナだけでも、遠距離受信の場合のように「映りが悪いがなんとか視聴に堪える」レベルであったため、上記地域では児玉中継局向けのアンテナを新たに設置する世帯はほとんどなかった。
  • テレビ埼玉では中継局開設当初は水平偏波であったが、1986年3月12日に在京局の中継が開始され、その新規設置される中継局が垂直偏波であることに偏波面を合わせ、同局も同時期に垂直偏波に変更された。変更時テレビ埼玉は広報ビデオを作成・放送で流していたが、内容は水平偏波で設置してある撮影用のUHFアンテナを、アンテナの軸を女性アナウンサーが持ち、くるりと軸を中心に90度回転させ、垂直方向に骨が向いたところで「カチャン」と音がして止まり、「このように、水平から垂直に設置してください」と説明し、補償工事の案内をするものだった。もちろんアンテナは視聴者にわかりやすくするため、撮影・説明用に特別な回転機構の加工を施したものであり、実際にはそのようなUHFアンテナは存在しない。また補償工事の中身は、水平偏波で受信していたアンテナを再利用し、アンテナ軸に穴をあけ垂直偏波に改造し再設置するというものであった。ただ当時補償対象世帯は、前述の理由のため大変少なかった。補償工事期間中は水平・垂直両方で送信し、その後垂直偏波のみに切り替わった。しかし当時は前述の東電工事で、在京局は前橋(榛名)局のみで全て視聴可能なこと、NHKは前橋中継局の方が混信が無い[4]こと、前橋(榛名)局用アンテナと混合するためのU-U混合器は当時大変高価であったことなどのため、児玉(陣見山)中継局で在京局中継が開始しても、寄居・皆野地区等の恩恵を直接受ける地域は別として、前橋(榛名山)中継局向けアンテナを設置済みの世帯が新たにテレ玉用に追加設置しようとする世帯は少なかった。また皮肉なことに、榛名向けのみのアンテナを設置している世帯は、偏波切り替え前は「テレビ埼玉は映りが悪い(方向は悪く[5]理論上は駄目だが、テレ玉中継局の出力は強く、ブースターもあるため、映りが悪い程度には受像できた)」から偏波切り替え後は「テレビ埼玉はほとんど映らない(方向が悪く、偏波面も榛名の水平偏波とあわなくなったため、結果として映らなくなった)」状態に変わってしまい、偏波面を変更したことにより、結果的にテレ玉が事実上視聴不能になる世帯が続出した。
  • 上記地域はアナアナ変換で、また大規模にアンテナ付け替えがあり、現在では児玉方向・榛名方向に各々アンテナを建て、放送大学(40ch)と群馬テレビ(48ch)は榛名、テレ玉、在京局は児玉中継局を選択する地域専用のU-U混合器[6]を設置するのが主流になっている。児玉中継局の在京局chがローチャンネルからハイチャンネルへ変換し前橋(榛名)中継局の隣接チャンネルに割り込んだためである。
  • 逆に群馬県太田市では、児玉中継局を受信する地域が点在している。前橋(榛名山)中継局や桐生(茶臼山)中継局が太田金山や唐沢山等で阻まれ受信できない地帯があるため。
  • テレビ埼玉のアナログ放送(30ch)では、隣接する長野県テレビ信州美ヶ原局からの電波がかぶるため、障害が出たり綺麗に見られなかったりする。更に2006年4月から始まった、千葉テレビのデジタル放送も同じ30chを使用するため、ますます混信がひどくなっている。
  • NHK総合のデジタル(13ch)も東京MXテレビのアナログ放送(14ch)への影響を避けるためか、NHK教育のデジタル放送(26ch)よりも非常に弱い。

[編集] 脚注

  1. ^ 本庄・上里地域では、送電線敷設以前は、TOKYO FMは東京タワー方向に八木アンテナを敷設すれば良好に、モノラルラジオであれば室内アンテナでも受信が良好に出来ていたが、送電線敷設後は室内受信は出来ず多素子の八木アンテナを設置しても、利得はあっても受信音質がレコードの擦り切れたような音(音の大きさに比例しジャリジャリという雑音が発生)になる受信障害が全域で発生し、聴取困難になった。前述のとおりテレビ受信は送電線敷設に際し全世帯を対象にVHF(東京タワー)から送電線障害に強いUHF(前橋中継局)に切り替えるアンテナ工事が実施されたが、TOKYO FM(当時はエフエム東京)のエリアは熊谷市までとされ、受信対策はなされなかった(当時は民間FM局開局ラッシュ前であり、関東地方でも民間FM局はTOKYO FMのみであったため「スピルオーバー」「区域外受信」という概念は無く、電波の届く可聴範囲(エリア内)であれば当時は受信対策は行なわれていた)。またNHKさいたまFM放送(当時・NHK浦和FM放送)は、NHKFM前橋FM放送が聴取可能という理由で同様であった。その後NACK5やJ-WAVEなどが開局したが、これらの局は同様の受信障害が、開局当初から発生することとなった。NACK5は1998年6月に本局の送信所を浦和市(現・さいたま市)の平野原送信所から、比企郡都幾川村(現・ときがわ町)の飯盛峠に移設し、送信所の高度を稼ぐことで、障害を聴取に問題のないレベルまで軽減させたが、現在でも遠距離で高度の足りないNHKさいたまFM放送・TOKYO FM・J-WAVEなどは聴取に同様の障害を受け続けている。
  2. ^ 本庄市街地内で榛名方向がビル影になり前橋中継局受信が不可能な場合は、UHFアンテナを敷設したり難視聴型ケーブルテレビにはせず、VHFの電波障害対策型アンテナ(反射器が天地方向に広いタイプのアンテナ)で対処している地帯が少数であるが存在した。
  3. ^ 映像出力だけで比較しても、群馬テレビの出力1kwに対し、在京局は100wである。在京局の出力は群テレの10分の1である。ブースターなしで前橋中継局を受信すると、群馬テレビ(加えて現在では放送大学もある)だけはきれいに映り、他の在京局は利得が不足しスノーノイズが入った。なお地上デジタル放送では、アナログと異なり在京局も群馬テレビに準じた出力になっている。
  4. ^ 当時NHK総合の33chは混信からか薄くビートノイズが入っていた(たとえば近隣の桐生中継局にも同一の33chで中継局(テレビ朝日)が存在するなど、混信しやすかったといえる)。逆に在京局民放は児玉中継局の方が良好であった。
  5. ^ 榛名山(前橋中継局)の方角へ向くと、陣見山(児玉中継局)は直角方向に近い。
  6. ^ この地域特別仕様U-U混合器の前橋中継局(榛名)側の入力は、13ch - 36chと50ch以上をカットするフィルターが入っており、アナログ群テレとアナログ放送大学だけ受信できるようになっている。この設備で地上デジタル対応テレビを接続し「前橋中継局のTBS(36ch)と日本テレビ(33ch)のデジタル放送が受信できない(実際は群馬テレビ(19ch)と放送大学(28ch)のデジタル放送も同様)」という相談が相ついだ。前橋中継局側は36ch以下がカットされることによること、児玉中継局でテレビ埼玉とNHKのみしかなく、在京民放が無いことが原因であった。なお児玉中継局の在京民放中継が開始されれば、児玉中継局の在京民放が受信可能になる。但し、それでも群馬テレビと放送大学は受信できないままである。抜本的な対策としては、混合器を取り替える以外はない。

[編集] 関連項目