先天性無痛無汗症

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先天性無痛無汗症(せんてんせいむつうむかんしょう、Congenital Insensitivity to Pain with Anhidrosis, CIPA)とは、遺伝的要因により主に神経障害などを含む先天的な疾患群である。遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー( - ニューロパシーとも言う、hereditary sensory and autonomic neuropathies, HSAN)の疾患の内の一つに数えられ、IV型に分類される。

難病ではあるものの、厚生労働省の指定する特定疾患には未だに含まれていない。但し、東京都などでは遺伝性運動感覚(知覚)性ニューロパチー(hereditary motor and sensory neuropathies, HMSN)と共にHSANも遺伝性(本態性)ニューロパチーの疾病として難病医療費等助成(公費負担医療)の対象とされている。

原因[編集]

先天性無痛無汗症を含めHSANの発症の原因は現在の医学では解明されておらず、根本的な治療方法も今のところ無いのが現状である。また、患者数が少なく認知度も低い。 常染色体劣性の先天性無痛無汗症は、ノックアウトマウスの研究からTrkAの遺伝子変異が原因と考えられている。

症状[編集]

大まかには名称の通りで、痛みを感じず、もかかないというものである。症状のレベルには個人差があり、痛みや熱さ、冷たさの感覚が全く無い人から少しは感じる人もいる。感覚が無い故、知らぬ間に自分のを噛み切ってしまったり、誤って大火傷などをしてしまう恐れがある。そして、先天的な症状であるためそれらの危険を学習することが難しい。また、軽度、あるいは境界線上程度の知的障害を併発することも多い。それがさらに危険認知を難しくしている。さらに、発汗性が無く体温調節ができず、直ぐに体温が上昇してしまい、常に気を使っている必要がある。そのため、健常者並みの基礎的な運動能力はあっても体温上昇のため運動は不可能であり、プールでの水泳のような体温の上昇を伴わない運動しかできない。ただしプールでは逆に低体温に注意する必要がある。

鑑別診断[編集]

同じく侵された部分の皮膚が感覚がないハンセン病における、著しい手足の外傷に似ているために、ハンセン病療養所に誤診で入所した例がある。

  • 非らい(Non-leprosy)とは、ハンセン病療養所に入所しているハンセン病患者以外の患者、またその病名である。 レックリングハウゼン病、関節リウマチ、 熱傷瘢痕、PSS、全身性無感覚症(手足の症状がハンセン病に似る)、離断性角化症などがある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]