借王

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借王
漫画:借王
原作・原案など 平井りゅうじ
作画 土山しげる
出版社 リイド社
掲載誌 リイド・コミック
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借王』(シャッキング)は、リイド・コミックで連載されていた、平井りゅうじ原作・土山しげる作画の漫画作品。

1997年から2002年に日活製作・配給により哀川翔主演で映画化された(全9作)ほか、2009年と2011年にWOWOWで連続ドラマとして、2014年にはテレビ東京で単発テレビドラマとして放送された。

ストーリー[編集]

ひかり銀行大阪中央支店で次長を務める安斉満は、東大卒のエリート銀行マン。周囲からは「出世街道まっしぐら」と言われ、大変期待されている存在。だが、一つだけ弱点があった。大金を預金している顧客・青柳様の15億円を使い込んでいたのである。青柳様から「黙っている代わりに1億ずつ返して欲しい」と言われ、首が回らなくなってしまった。たまたま出会った浪速南署の刑事・水沼正三警部補と、経営がうまく行かなくなった高級クラブ「バセロン」のママ・森下怜子の3人でビジネスパートナーシップを組み、悪質な仕事をしている会社及び人間を騙し、金を巻き上げる。

登場人物[編集]

  • 安斎満(あんざい みつる)
本作の主人公。東大卒のエリート銀行マン。
  • 水沼正三(みずぬま しょうぞう)
浪速南署の刑事。警部補。
  • 森下怜子(もりした れいこ)
高級クラブ「バセロン」のママ

書誌情報[編集]

『借王』 リイド社〈SPコミックス〉

  1. 1996年3月発売、ISBN 978-4-8458-1378-0
  2. 1996年8月発売、ISBN 978-4-8458-1379-7
  3. 1996年11月発売、ISBN 978-4-8458-1328-5
  4. 1997年3月発売、ISBN 978-4-8458-1374-2

『借王2』 リイド社〈SPコミックス〉

  1. 2000年3月発売、ISBN 978-4-8458-1521-0
  2. 2000年9月発売、ISBN 978-4-8458-1522-7
  3. 2001年4月発売、ISBN 978-4-8458-1523-4

『新・借王』 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉

  1. 2001年10月発売、ISBN 978-4-537-10033-4
  2. 2002年2月発売、ISBN 978-4-537-10064-8
  3. 2002年6月発売、ISBN 978-4-537-10095-2

映画・オリジナルビデオ[編集]

日活製作・配給にて哀川翔志賀勝夏樹陽子主演で実写映画化された。シリーズ第1作『借王』と第2作『借王2』は同日(1997年10月11日)に公開された。

シリーズ化され2002年まで全9作が製作された。借王3人(安斉満、水沼正三、森下怜子)が身元を偽装して相手方に取り入り、大型詐欺をおこなうストーリーである。ハードな役柄が多い哀川翔であるが、この作品ではクールな銀行マンを演じている。

第8作『狙われた学園』第9作『ファイナル』は同じキャスト・スタッフでオリジナルビデオとして公開された。

第1作完成時に当時の日活社長・中村雅哉は、「この作品を新生日活の看板映画として、超大作としてほしい」とコメントしている[1]

キャスト(映画・オリジナルビデオ)[編集]

レギュラーキャラクター[編集]

安斉 満(銀行屋)
演 - 哀川翔
東大卒のエリートサラリーマンで、ひかり銀行大阪中央支店の次長。東京の銀座支店、京都の伏見支店を経て、異例の早さで出世しており、まさに「出世街道まっしぐら」であるが、大口顧客・青柳様の預金15億円を使い込み、青柳にバレた為、返済する羽目になった。このことは水沼、怜子、青柳以外は誰も知らない。借金残高15億円(第1作冒頭)。元来の頭の良さを悪事にフル活用し、悪質業者に売り込み、騙し、金を巻き上げる。東京でレストランをしている弟がいる。家族構成は妻ショウコ・娘ミサト。
水沼 正三(水沼はん)
演 - 志賀勝
大阪府警浪速南署捜査四課警部補競馬競輪などのギャンブル中毒で、常に女子高生と援助交際をしており、ねだられると何でも買ってしまう為、借金だらけで全く金が無く、常に借金の取立てから追い掛け回されている。借金残高不明。すぐに拳銃を出すのが癖。着メロ競馬GI西日本開催ファンファーレ。安斉と出会い、安斉の考案したアイデアに乗ることになる。
森下 怜子(怜子ママ)
演 - 夏樹陽子
大阪のクラブ・バセロンのオーナーママ。バブル期には大変繁盛し、ブティックなど多角経営していたものの、不景気により経営はうまく行っていない。借金残高5億円(第1作冒頭)。その美貌を武器に暴れまわる。
青柳 美乃(青柳様)
演 - 絵沢萠子
京都の大富豪で邸宅を構える青柳流家元。銀行担当者の安斉を信頼し、ひかり銀行に15億円を預金していたものの、安斉が全額使い込んでいたことを知る。口止めの代わりに、安斉に1億ずつ返済するよう要請する。口止めの一つなのか、安斉を自宅に呼んで性行為を迫ることもある。
支店長
演 - 浜田光夫(第1作・第2作)、村野武範(第3作 - ファイナル)
ひかり銀行大阪中央支店長。安斉を信頼しきっている。

スタッフ(映画・オリジナルビデオ)[編集]

  • 監督:和泉聖治(1,4-8)和泉聖治・香川秀之(2)香月秀之(3,9)
  • 製作総指揮:中村雅哉
  • 企画:山口友三・吉田達(1,2)吉田達(3,4)吉田達・本間浩一郎(5,6)横手実・横山和幸・吉田達(7,8)猿川直人(9)
  • 企画協力:本間浩一郎(7,8)和泉聖治・本間浩一郎(9)
  • 原作:「借王」土山しげる/平井りゅうじ/リイド社
  • 脚本:松本功・旺季志ずか(1,2)松本功・岩澤勝己(3,4,5)岩澤勝己(6,8)香月秀之(7)香月秀之・土肥清美(9)
  • 撮影:鈴木耕一(1-6)近森眞史(7,8)下元哲(9)
  • 照明:三萩国明
  • 録音:柿澤潔(1,2)曽我薫(3,4)谷村彰治(5,6)中山隆匡(7,8)永口靖(9)
  • 編集:福田憲二(1-4)三條知生(5,6)只野信也(7,8)松尾浩(9)
  • 美術:坂本亨大
  • 助監督:荒川栄二(1,2)金祐彦(3,4)谷口正行(5,6)金佑彦(7,8)M.HONDA(9)
  • 音楽:嶋田英二郎・山下力哉(1-8)高瀬ゆい(9)
  • スチール:長浜谷普(1,2)加藤光男(3-6)阿部昌弘(7,8)中居挙子(9)
  • 琉球舞踏指導:嘉陽則子・諸見喜子(5)
  • マリンアクション:石川靖・石川幸次(5)
  • 船舶指導:大城一男(5)
  • 現像:東映化学、ソニーPCL
  • 製作協力:MOVIE BROTHERS CO.,LTD.(1-8) / MOVIE BROTHERS CO.,LTD. フレッシュハーツ ジャパン・エース(9)
  • 製作・配給:日活株式会社

シリーズ一覧[編集]

※印はオリジナルビデオ作品

1997年[編集]

1. 借王

1997年10月11日公開

2. 借王2

1997年10月11日公開

1998年[編集]

3. 借王3

1998年7月4日公開

  • キャスト
    • 堂島経営研究所 堂島銀太郎(総会屋) - 萩原流行
    • 堂島の部下 - 山口剛
    • ミヤノ建設 公共建設課長 伏見 - 新藤栄作
    • 貸植木業者従業員 榊俊一 - 中野英雄
    • 伏見良一(伏見の父) - 織本順吉
    • サキ(女子高生) - 栗林知美
    • 民自党 滋賀県議会議員 馬場 - 亀石征一郎
    • 借金取り - 木村圭作
    • ひかり銀行本店 総務課長 佐古雅之 - 田島真吾(※二役)
    • タチバナ組準構成員 高石 - 木村栄

4. 借王4

1998年7月4日公開

  • キャスト
    • 阪南証券 株式担当常務 戸波公一郎 - 清水綋治
    • 阪南証券 株式主任 カナモト - 平賀雅臣
    • 証券担保 山福証券 山根 - 中本賢
    • 朝内製薬 社長 - 江見俊太郎
    • サキ(女子高生) - 栗林知美
    • 九州弁のヤクザ(賭博) - 古井榮一(複数役)
    • サトウ(借金取り) - 佐藤忠志
    • マリコ - 西川峰子
    • 東西銀行 調査部 タカヤ - 須藤正裕
    • 朝内製薬 副社長 - 織田無道
    • リカ(ホステス) - 林由美香
    • タクシー運転手 - 轟二郎
    • 工藤ファイナンス社長 工藤敏雄 - 堀田眞三


1999年[編集]

5. 借王 THE MOVIE 沖縄大作戦

1999年2月20日公開

6. 借王 ナニワ相場師伝説

1999年7月24日公開

  • キャスト
    • 内藤繁樹(北浜の風雲児) - 根津甚八 ※特別出演
    • ヤクザ - 三角八朗
    • 大阪府議会議員 石丸健介 - 出光元
    • 大淀信用金庫 理事長 小野塚正太郎 - 南原宏治
    • 大淀信用金庫 常務 井上 - 河原崎建三
    • 大淀信用金庫 部長 曽根潔 - 片岡五郎
    • 大阪弁のヤクザ(賭博) - 古井榮一(複数役)
    • ワキサカボクシングジム 会長 脇坂雄造 - なべおさみ
    • 瀬田(ワキサカボクシングジム所属 ボクサー) - 庄司哲郎
    • サキ(女子高生) - 栗林知美
    • ミヨシ総業 社長 - 大和武士
    • 証券金融オカキン 岡崎孝 - 中西良太
    • 魚屋の大将 - 石井光三


2000年[編集]

7. 借王 THE MOVIE 2000

2000年7月22日公開

  • キャスト
    • システム金融・向井グループ会長 向井郷太郎 - 宍戸錠
    • 神永法律事務所 弁護士 神永四郎(システム金融会社顧問弁護士) - 片桐竜次
    • 大阪府警 浪速南警察署 石原 - 宮内洋
    • 喫茶店「ニューピープル」経営 本宮孝夫(安斉の義兄) - 嶋大輔
    • 借金取り - 大槻博之
    • 商工ローン「スピーディー商事」坂上 - 山口仁
    • 商工ローン「スピーディー商事」 - 中野裕斗
    • 商工ローン「スピーディー商事」ミユキ - 海野けい子
    • 街金業者 営業マン - 小林滋央
    • 信用即決融資「ハヤカシ」部長 - 古井榮一(複数役)
    • サキ(女子高生) - 美崎涼香
    • ソノコ・ギャバン - 原ひさ子
    • コウちゃん - 梅津栄

2001年[編集]

8. 借王 狙われた学園

2001年1月26日発売

  • キャスト
    • 私立讃徳学園 先生 相原佐織(学園長の姪) - 中村綾
    • シゲモト修 - 野村祐人
    • 私立讃徳学園 学園長 相原肇 - 前田武彦
    • 私立讃徳学園 事務局長 ハンダ - 鹿内孝
    • 大手進学塾「GET」チェーン 会長 桂木義彦 - 白竜
    • サキ(女子高生) - 美崎涼香
    • 大阪府警 浪速南警察署 石原 - 宮内洋
    • イマガワ(受験屋) - 近藤弐吉
    • 私立讃徳学園理事 - 大門正明
    • 稲村成浩(稲村の甥) - 川本淳一
    • 私立讃徳学園筆頭理事 稲村(電話) - 大友龍三郎

2002年[編集]

9. 借王 ファイナル

2002年3月22日発売

  • キャスト
    • ひかり銀行 取締役 岸田悟 - 堀田眞三(二役)
    • ひかり銀行 銀行員(安斉の後輩) - 川本淳市(二役)
    • ひかり銀行 調査部 次長 サカグチ - 布川敏和
    • ミサト - 志田未来(子役)
    • 渡辺ボーリング工業 社長 - ゆーとぴあピース
    • はんこ屋 - 寺田農(二役)
    • 怜子の弟 - 加勢大周
    • ひかり銀行 次長 村西 - 小林滋央(二役)
    • ひかり銀行 頭取 岩崎 - 小林勝彦

テレビ放送(映画・オリジナルビデオ)[編集]

第7作「借王THE MOVIE2000」は、『金曜ロードショー』(日本テレビ系列)で放映された。

当日、金曜ロードショーの裏番組としてフジテレビ系列は『タイタニック』を放送していたが、『金曜ロードショー』が同時間帯で同局に次ぐ視聴率2位となった。

テレビドラマ[編集]

WOWOW[編集]

WOWOWの「ミッドナイト☆ドラマ」枠で連続ドラマとして2シーズン放送された。

シーズン1は2009年10月10日 - 11月28日に『借王〈シャッキング〉-銭の達人-』、シーズン2は2011年1月8日 - 2月26日に『借王〈シャッキング〉II-運命の報酬-』のタイトルで放送された。

キャスト(WOWOW版)[編集]

第1弾
第2弾

スタッフ(WOWOW版)[編集]

  • 脚本・監督 - 香月秀之
  • 主題歌 - パク・ヘジン
  • プロデューサー - 青木泰憲(WOWOW)、櫻井一葉(フレッシュハーツ)
  • 企画協力 - 柴田幹雄(リイド社)
  • 製作協力 - フレッシュハーツ
  • 製作著作 - WOWOW

テレビ東京[編集]

借王<シャッキング>〜華麗なる借金返済作戦〜
ジャンル テレビドラマ
脚本 香月秀之、呑繁
監督 香月秀之
出演者 哀川翔
製作
プロデューサー 濱谷晃一(TX)、不破敏之、桜井卓也(PROTX)、櫻井一葉(フレッシュハーツ)
制作 テレビ東京
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2014年12月17日
放送枠水曜ミステリー9
回数1
テンプレートを表示

2014年12月17日テレビ東京水曜ミステリー9枠で『借王<シャッキング>〜華麗なる借金返済作戦〜』のタイトルで放送。主演は映画版と同じく哀川翔。

キャスト(テレビ東京版)[編集]

スタッフ(テレビ東京版)[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]

マンガ
映画・オリジナルビデオ
テレビドラマ