佐藤尚之

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さとう なおゆき
佐藤 尚之
生誕 Sato Naoyuki
(1961-06-01) 1961年6月1日(62歳)
東京都大田区
国籍 日本の旗 日本
別名 さとなお
出身校 駒場東邦中学校・高等学校
早稲田大学政治経済学部経済学科
職業 コミュニケーション・ディレクター
クリエイティブ・ディレクター
コピーライター
エッセイスト
ブロガー
活動期間 1985年 -
代表作 スラムダンク1億冊感謝キャンペーン
星野仙一優勝感謝新聞広告
NECショートフィルム『it』
影響を受けたもの インターネット
広告
グルメ
ソーシャルメディア
身長 183 cm (6 ft 0 in)
配偶者 既婚
受賞 JIAAグランプリ
新聞広告賞グランプリ
広告電通賞金賞
カンヌ国際広告祭銅賞
ACC賞
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佐藤尚之
言語 日本語
代表作 ファンベース
明日の広告
デビュー作 うまひゃひゃさぬきうどん
公式サイト 個人サイト「www.さとなお.com」(SINCE1995)
ウィキポータル 文学
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佐藤 尚之(さとう なおゆき、1961年6月1日 - )は、日本東京都出身のコミュニケーション・ディレクター。

株式会社電通でコピーライター、CMプランナー、ウェブプランナーを経てシニア・クリエイティブ・ディレクター、コミュニケーションディレクター。JIAAグランプリなど受賞多数。

2011年電通から独立し、株式会社ツナグ設立。株式会社4th代表。さとなおオープンラボ主宰。2019年に株式会社ファンベースカンパニーを創業(取締役会長)。 大阪芸術大学客員教授。一般社団法人助けあいジャパン共同代表。一般社団法人アニサキスアレルギー協会代表。TCS認定コーチ。アートナビゲーター(美術検定一級)。花火師(公益社団法人日本煙火協会 煙火消費保安手帳保持)。50代以上のコミュニティ「Good Elders」主宰&管理人。

元・内閣官房参与。元・復興庁政策推進参与。元・国際交流基金理事。元東京大学大学院非常勤講師(情報学環)。元・学習院大学特任講師。元・上智大学非常勤講師。

人物・来歴[編集]

ネット創生期の1995年から「さとなお[1]」の名で個人サイトを運営。2023年に50代以上のコミュニティ「Good Elders」を設立。個人サイト「www.さとなお.com」を、Yahoo!Japan(1996年)やGoogle(1998年)のサービス開始以前の1995年8月から運営し、5000万アクセス超えの人気サイトになる。1998年から「さとなお」名義で複数のエッセイ本を出版、2008年からは佐藤尚之名義で広告・コミュニケーション関連の著書を複数出版する。

2009年には当時の鳩山由紀夫首相に直接Twitter(ツイッター)の利用を勧め[2]、翌年から首相がTwitter利用を開始するなど鳩山内閣ソーシャルメディア・プロジェクトを担当。2011年ソーシャルメディアに対応した消費行動モデル概念『SIPS(シップス)』[3](共感 →確認 →参加 →共有・拡散)を電通「サトナオ・オープン・ラボ」より発表した。

25年勤務した電通から独立後は、商品の機能やスペック訴求の広告ではなく、広告コミュニケーションの枠を越え「全体ソリューション」を構築し、コミュニケーション全体を設計する仕事を中心に活動。ファンを「企業やブランド、商品が大切にしている『価値』を支持している人」と定義[4]し、中長期的に売上や価値を高め、情緒価値をより大切にする[5]「ファンベース」という考え方を提唱した[6]。共感→熱狂、愛着→無二、信頼→応援を「ファンベース」のアプローチを主軸に活動。顧客の開拓よりファンを大切にする「ファンベースマーケティング」を実践している[7]。コミュニケーション関連の講演は、年間100本ベース[8]で実施している。

経歴・履歴[編集]

東京都大田区生まれ。駒場東邦中学校・高等学校卒業。中高とラグビー部(ポジションはスクラムハーフ)に所属。1浪(駿台予備学校)を経て、早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業。

株式会社電通入社後、15年間、関西支社にてコピーライターCMプランナー、ウェブ・ディレクターを経てコミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。クリエイティブ局にウェブ部門を立ち上げる。スラムダンク1億冊キャンペーンでJIAA(インターネット広告推進協議会)グランプリ獲得。東日本大震災を機に公益社団法人(元、一般社団法人)「助けあいジャパン」の代表理事に就任。他に「くらしのある家プロジェクト」「MOJO」などの支援団体を立ち上げた。

2011年、株式会社ツナグ設立[9]。2015年に株式会社4thを立ち上げ「コミュニケーションからコミュニティへ」と不特定多数から特定少数に移行していっているプランニングの流れを、コミュニティを自らが主催し体現している。4thとはfamilyという生活仲間、friendsという遊び仲間、workmatesという仕事仲間の次の「4番目の仲間」を意味する。2019年ファンベースカンパニー設立。

ブログエッセイでは「さとなお」名義を使用し書評、バレエ評論なども雑誌などで執筆し、グルメサイト「ジバラン」の運営や、食べ歩き本を何冊も執筆し、著書に『ジバラン・フレンチレストラン・ガイド』『極楽おいしい二泊三日』『うまひゃひゃさぬきうどん』『沖縄上手な旅ごはん』などがある。

2018年、突然アニサキス・アレルギーになる。アナフィラキシーショック[10]という重篤なアレルギー反応での入院をきっかけに、一般社団法人 アニサキスアレルギー協会を設立。

ひとりっ子。妻とは1994年に結婚し翌年に長女が誕生、一児の父。大学時代に早稲田ゴルフ会(WGS)を設立し初代部長に(ベストは72)。J-WAVE番組審議会委員。元朝日広告賞審査員、元佐治敬三賞審査員、元YOSAKOIソーラン祭り審査員。元復興庁復興推進参与。元国際交流基金理事。花火師資格(煙火打揚従事者手帳)取得。ファン総合研究所 顧問。TCS認定コーチ美術検定1級(アートナビゲーター)。

年表[編集]

1900年代[編集]

  • 1985年4月 - 電通に入社。親戚も友人も誰もいない関西の支社クリエイティブ局[11]にてコピーライターCMプランナー(約13年)などを担当した後、ウェブ部門を立ち上げる
  • 1995年8月 - 日本にまだ個人サイトが100くらいしかない時に、個人サイト「www.さとなお.com」(satonao.com)を開設し、本・音楽・映画・食・コラムなど8,000記事以上を執筆する
  • 1996年7月 - 素人参加型の自腹覆面レストラン評価サイト「ジバラン」を2006年まで10年間主催し著書も出版
  • 1999年4月 - 朝日新聞夕刊全国版「さとなおの自腹で満足!コラム連載(1年半)

2000年代[編集]

  • 2000年 - 東京本社に転勤しインタラクティブ局にてクリエイティブ・ディレクター[12]として数々のキャンペーンを担当する
  • 2004年2月 - NEC 「IT」ショートフィルム を担当
  • 2008年 - 著書『明日の広告』がベストセラーに。個人サイト「WWW.さとなお.COM 」2,400万アクセス突破[13]

2010年代[編集]

  • 2011年 - 1月:電通「サトナオ・オープン・ラボ」で、ソーシャルメディアに対応した消費行動モデル概念『SIPS(シップス)[14]』を発表、3月:Tasukeai Japan 助けあいジャパン 代表理事に、4月:電通から独立し、コミュニケーション・デザイン[15]全般を扱う株式会社ツナグ[16]を設立。学習院大学法学部 非常勤講師(-2013年)に。復興庁 政策参与に
  • 2012年 - 高校の同級生斉藤徹(hint創業)と「unit SaSa」開始
  • 2013年 - 3月:電通とのエクスクルーシブ契約(他の広告会社と仕事をしない)終了、8月 - 国際交流基金 理事(コミュニケーション担当 2017年まで)に
  • 2015年 - 9月:著書『明日のプランニング』で「ファンベース」を提言。友人知人こそ最強メディア[17]との考えから「不特定多数へのコミュニケーションから特定少数のコミュニティへ」と、コミュニティ活動に力を入れることを自らで実践するために主宰する「さとなおオープンラボ」のメンバーを主としたコミュニティ運営会社として株式会社4thを設立
  • 2016年 - 4月:大阪芸術大学客員教授に就任。東京大学大学院情報学環・学際情報学府の講師(非常勤 2017年まで)。やってみなはれ佐治敬三賞審査員に。
  • 2019年 - 1月:野村ホールディングスとアライドアーキテクツとの三者間で、「ファンベース」を基盤としたマーケティング支援事業を担う合弁会社設立検討の基本合意書を締結[21]、5月:株式会社ファンベースカンパニーを設立[22]、7月:1,000日チャレンジとして、3キロ以上のランニングを毎日実施、1,000日間で美術検定一級を取るなどの実施を開始[23]

2020年代[編集]

  • 2020年 - 4月:株式会社ファンベースカンパニー 会長[24]に就任、5月:『#応援させて』プロジェクト 開始[25]
  • 2021年 - 6月:一般社団法人 アニサキスアレルギー協会 代表理事に就任
  • 2022年 - 4月:1,000日チャレンジとして、魚介類完全除去・毎日RUN3キロ・美術検定1級合格 を達成、6月:アニサキスアレルギーサミット開催、7月:電通とファンベースカンパニーの「ファンベースCX」開始

著書[編集]

佐藤尚之名義での執筆[編集]

  • 2008年1月:『明日の広告』アスキー新書 ISBN 4756150942
  • 2011年10月:『明日のコミュニケーション』アスキー新書 ISBN 4048703005
  • 2015年5月:『明日のプランニング』講談社現代新書 ISBN 4062883023
  • 2018年2月:『ファンベース』ちくま新書 ISBN 448007127X
  • 2020年11月:『ファンベースなひとたち』(共著:津田匡保, おぐら なおみ/漫画)日経BP ISBN 4296107690

さとなお名義での執筆[編集]

  • 1990年代
    • 1998年10月:『うまひゃひゃさぬきうどん』コスモの本
    • 1998年11月:『ジバラン・フレンチレストラン・ガイド』日経BP社
    • 1999年6月:『胃袋で感じた沖縄』コスモの本
  • 2000年代
    • 2001年4月:『さとなおの自腹で満足!』コスモの本
    • 2003年6月:『沖縄上手な旅ごはん』文藝春秋
    • 2010年6月:『極楽おいしい二泊三日』文藝春秋

さとなお名義での執筆(文庫)[編集]

  • 2001年11月:『ジバラン・フレンチレストラン・ガイド』光文社知恵の森文庫
  • 2002年5月:『うまひゃひゃさぬきうどん』光文社知恵の森文庫
  • 2002年9月:『沖縄やぎ地獄』角川文庫(『胃袋で感じた沖縄』の文庫化)
  • 2005年3月:『人生ピロピロ』角川文庫
  • 2005年6月:『沖縄上手な旅ごはん』文春文庫

寄稿・対談など[編集]

主な出演[編集]

テレビ[編集]

  • 2016年3月10日:TBS系『Nスタ』[27]
  • 2020年4月9日:テレビ東京系『IKKOの奇跡の瞬間大連発!まぼろし~衝撃映像祭り』[28]
  • 2023年6月8日:NHK『おはよう日本』

新聞[編集]

  • 1998年9月11日『朝日新聞』「ジバラン」団長コメントが社説に掲載
  • 2009年12月9日『読売新聞』物心ついた頃から学生時代にかけて携帯電話やホームページ、インターネットによる検索サービスに触れてきた世代を「デジタル・ネイティブ第1世代」、ブログSNS動画共有サイトのようなソーシャルメディアクラウドコンピューティングを使いこなし青年期を過ごした世代を「デジタル・ネイティブ第2世代」と分類
  • 2010年4月9日『朝日新聞』〈メディア激変7〉横につながる―2 共有し合う「情報強者」
  • 2018年2月7日『日刊ゲンダイ』愉快な病人たち
  • 2018年11月18日『朝日新聞』食通・さとなおさん、魚で瀕死「一生食べられないのか」[29]
  • 2019年1月18日『毎日新聞』コミュニケーション・ディレクター 佐藤尚之さん ピークは80歳なんだ、笑っちゃうほど先は長い[30]

広告キャンペーン[編集]

  • Panasonic 「What's New」キャンペーン
  • Panasonic 企業フィルム(郵政大臣賞)
  • 星野仙一阪神優勝感謝個人広告(2004 新聞広告賞グランプリ)
  • カンヌ広告祭ショートリスト(2005 NEC it キャンペーン、スラムダンク)
  • スラムダンク1億冊感謝キャンペーン(2004 JIAAグランプリ、カンヌ広告祭銅賞)
  • 2005年新聞広告賞グランプリ(スラムダンク)
  • トヨタMarkXキャンペーン
  • JAL「idea JAL」キャンペーン

他に、広告電通賞金賞、ACC賞、ロンドン国際広告賞など

さとなおラボ[編集]

全10回。毎回5〜6時間は話すから、合計50〜60時間話してることになるんだけど、その中で何度も繰り返すのがここ30年の広告コミュニケーションの歴史のことです[31]

  • 2010年:サトナオ・オープンラボ(電通 コミュニケーション・デザインセンター内)発足[32](3月)
  • 2011年:電通モダン・コミュニケーション・ラボ[33][34](4月)
  • 2012年:「さとなおゼミ」を青山ブックセンター主催で開催(さとなおラボ 0期)

上記を経て、「伝えたい相手を笑顔にする[35]」ための私塾「さとなおオープンラボ」を主宰

  • 2013年:1期(7月)、2期(10月)
  • 2014年:3期(12月)
  • 2015年:さとなおリレー塾 1期(1月)、4期・さとなおリレー塾 2期(5月)、5期(10月)
  • 2016年:さとなおリレー塾 3期(1月)関西ラボ 1期(3月)、6期(4月)、7期・関西ラボ 2期(10月)
  • 2017年:8期(5月)
  • 2018年:9期(1月)
  • 2019年:10期(1月)
  • 2020年:11期・関西 3期(12月)

内容:プランニングの目的と基礎と俯瞰(「企画力を上げるラボ」ではない)全10回 対象者:広い意味で「プランニングの部署に属している方・今後そういう仕事を望んでいる人」

  1. オリエンと全体俯瞰。トップダウン広告。アイデアの作り方①
  2. トップダウン広告、[課題図書]
  3. 演習①、コミュニケーション・デザイン、[課題図書]
  4. コミュニケーション・デザイン、[課題図書]
  5. 演習②、時代把握・情報環境把握・全体俯瞰
  6. ファンベース、[課題図書]
  7. 演習③、ファンベース、プランニングの順番(総論)
  8. ファンベース、アイデアの作り方②、[課題図書]
  9. 演習④、全体俯瞰、まとめ、[課題図書]
  10. 最終課題(演習⑤)プレゼン大会

「さとなお」の発言[編集]

  • 人生は、思ってもみない落とし穴に遭遇することがあります。絶望から立ち直れなくて、うつに苦しんでいる人も多いでしょう。そんなとき、騙されたと思ってぜひ身体を動かしてみてください。気分転換のため、というより、「身体を動かす時間」を「自分に向き合う時間」にしてみる。これは僕の経験上、わりと効果があると思います。身体を動かすだけでもポジティブな気持ちが生まれますけど、同時に自分に向き合うことで、自分に対してもポジティブになれたりします。しかも、続けると体力もついてきて、心に明るい光が差してくることもある。うつになる人は真面目な方が多いと思いますが、その真面目さを「身体を動かしながら自分に向き合う」ことに向けてみるといいのかもしれません。「あなたはひとりじゃない」と伝えたい[36]
  • 人を囲い込む・刈り取るというのは、マーケティングが一番強くて悪い部分で。感情がある人間を「上から目線でコントロールしてやろう」とするものでそういう言葉を使っている時点でその方の考え方は全部透けて見えちゃうので、一番嫌いです(笑)。すみません。大切・誠実・丁寧というのを、照れずに使っていこうと思って。きれいごとだと言われても、お花畑だと言われてもいいから。でも、結局そこにしか幸せはない気がしていて。「囲い込み・刈り取り」という言葉は、マーケティングの一番強くて悪い部分[37]
  • 1万人の中の1人、つまり一番になるのは大変ですよね。会社なら社長になるようなことです。まぁ無理です。でも100人の中の1人にはなれる。それは「学校のクラス2つ分の中の1番」を目指す感じです。そのくらいなら、分野によってはなれるんです。英語とか数学とかでは無理でもサッカーとかゲームの腕とかマンガを読んでる量とかだったらなれたりする。まずその1/100を1つ持とう、と。で、例えばそれを違う分野で3つ持っていると、100×100×100で、「100万分の1の人」になれるわけです。かけ合わせる3つは何でもいいんですよ。「やっていて自分が飽きないこと」が重要かな。「100人に1人」を3つかけ合わせていく[38]
  • 2割のファンが売り上げの8割を支えるという『パレートの法則』というのがあります。その2割を大事にする。伝えてもらいたい人は、こちらが発信した情報を取りに来てくれる。ファンを大事にすると、その人たちの満足度が上がります。満足度が上がれば、周りの人に商品の良さを伝えてくれる。結果的に、企業の成長につながります。まずはファンの声に耳を傾け、なぜその商品を支持してくれるのか、しっかり分析することからです。共感してもらい、愛着を持ってもらい、信頼を強くすることが大切です[39]

人生のピークを80歳に[編集]

  • 世に「勝負をかけろ」「成功しろ」「トップを目指せ」と若者に発破をかける人はたくさんいる。確かに、若いうちにピークに立つと、違う景色が見えるだろうし、人生が大きくポジティブ回転していくこともあると思う。それは全然否定しない。でも、敢えて、ボクは、若い人にこうアドバイスしたい。一度でいいから、100歳まで生きると仮定して、自分の人生を「線」として俯瞰し、頭の中で折れ線グラフを書いてみて欲しい。横軸に年齢を置いたとき、自分の年齢は、いま、100歳までのどの辺に位置しているのか。ピークをどの辺にもっていくのが幸せっぽいのか。それを考えるだけで、視野はずいぶん広がる。それがあなたの毎日を少し違ったものにする。人生のピークを80歳にもっていく[40]
  • 無駄に焦んないように。同年代の先頭集団をあまり意識せず(いっそ彼らの成功談なんて読まない方がいい。それはスタートダッシュ型の知見だから)、ものごとを長期的に考えて、様々な分野で経験値を貯めたほうがいいとボクは思うな。「様々な分野で経験値を貯める」には、いろんな遊びをするのが一番。遊びってイヤなことはしないじゃん? 自然と自分が好きなこと、向いてることが見つかりやすい。だから、もっといろんなことに手を出して遊ぶといいと思う。周りを見回せばよくわかる。ちょっといいなと思う大人たちは、たいてい若いときにいろんな遊びをたくさんしてるから。そう言う自分はどうなんだ、と訊かれると、そうだなぁ、ボクは、あと25年後くらいの80歳くらいで自分的ピークがくるようなペースでゆっくり走りたいと思ってる。ある若い友人へ[41]

ファンベース[編集]

  • ファンベースというのは、100人、1000人のファンから口コミで友人に伝わるようにするアプローチです。簡単に言ってしまえば、「人は友人知人、特にファンからの言葉でしか動かない」という考え方です。そこでは、ファンからオーガニックな言葉を引き出す施策が重要になります。僕の行き着いた答えが、表現もアプローチもファンベースとマスベースで分ければいいということです、[42]
  • ファンベース施策で間違いがちなのは、ファンを大切にするあまり神様扱いすることです。*ファンを特別扱いして贔屓すると、ファンは増長してしまいます。たとえば、いつもファンを優待していると「あのときはあんなに安くしてくれたのに、今は正規料金かよ、けしからん!」みたいなことになる。そうではなくて、ファンとはあくまで企業が提供した価値を支持している人たちなので、もともと対等な関係なのです。企業が開発した商品やサービスが、自分の人生を豊かにしてくれると感じて、感謝すらしてくれる人たちがファンです。だから、優遇する相手ではなく、むしろ仲間や身内であると考えて接するべきです。価値観が近いんですから。[43]
  • 忘れてはならないのは「ファンは少数である」ということ。ファンと呼べる人たちの総数を増やそうとすると、そのための施策を打つことになる。すると、総花的で特色のないつまらないものになり、いたはずのファンもいなくなるだろう。ファンを増やすのではなく、ファンを探し、そのファンたちのツボを知ることがファンベースでは重要。[44]
  • 感情ある人間と向き合うのは、ファンベースの基本です。マーケターってどこかで人を動かせると思ってしまうから、「囲い込む」とか「刈り取る」とか、人をモノとかデータとして扱ってしまいがち。でも、感情ある人間を囲い込むなんてもともとムリですよね。[45]
  • 担当者がファンベースをやりたいと思って、課長、部長と承認を得たけれども役員の決裁が下りないといったことがあるかもしれません。役員クラスの方は、マス・マーケティングが非常に有効だった時代の成功体験を持つ人たちなので、なかなか受け入れてくれません。ロジカルに説得することが必須です。パレートの法則や社会の現状、時代の流れなど、ファンの支持を得ないと売上が安定しないというロジックをしっかり固めて臨む必要があると思います。そして、実施するファンミーティングにもぜひキーパーソンに来てもらいましょう。ファンミーティングでファンに実際に会うと、彼らは優秀ですので、ファンを大切にする意味を瞬時に理解してくれます。[46]

Twitter[編集]

  • 「企画」が不得意な人は、あることを意識するだけでずいぶん変わるので、参考にしてみてほしい。 企画の「企」は「くわだてる」という意味だけど、漢字の成り立ちは「人がつま先立ちして遠くを見ている様子」だ(企の上の部分が「人」で、下の止は「足跡」)。 もうね、これだけ。 これを意識する。[47]

ラグビー[編集]

  • ラグビーには知れば知るほど好きになるいろいろな魅力があるんだけど、でも、この辺の審判との関係性や、強面な男たちがどこまでもフェアに審判に従う感じを、ボクはとっても好きだし、愛しているのである。もしアナタがまだ「ラグビーってなんかピンとこない」「ルールが難しすぎてわからない」というのであれば、ガチムチロシア語版な男たちがすんごく素直に審判の判断に従う可愛さ、みたいなところに注目して観てみるのも面白いと思う。[48]

エピソード等[編集]

  • 以前の趣味は圧倒的に「食べること」だったけど、食物アレルギーになってからそれを失い「アート、読書、音楽、ジム」に変わった。
  • カラオケレパートリーは、チャゲ&飛鳥ひとり咲き』『流恋情歌』『万里の河』、BEGIN恋しくて』、堀江淳メモリーグラス
  • 「ボクが考えるコミュニティは、もっと「居場所」的なもの。コミュニティは、それぞれの参加メンバーで色を変える。つまりコミュニティはコピーできない。再現性に乏しい。そこが面白いところでもあり、難しいところ。「継続的かつ社会的包摂な居場所」なので、ゴールがないのがいいところ。」と考えコミュニティ運営をしている。

脚注[編集]

  1. ^ 文脈を理解できないマーケターに「さとなお」が苦言 『日経クロストレンド』エステー鹿毛執行役 100番勝負 第12回 2019年06月20日
  2. ^ 〈メディア激変7〉横につながる―2 共有し合う「情報強者」鳩山首相にツイッターを勧めた広告ディレクター、佐藤尚之さん(48)朝日新聞 asahi.com ニュース 特集 メディア激変,2010年4月9日20時47分
  3. ^ “電通「サトナオ・オープン・ラボ」がソーシャルメディアに対応した消費行動モデル概念『SIPS』を発表 株式会社電通 コーポレート・コミュニケーション局 広報部 2011/01/31
  4. ^ 佐藤尚之(さとなお)氏が提唱する「ファンベース」とは~顧客とじっくり向き合うマーケティング【セミナー取材・第1回】ボクシルマガジン BOXIL(スマートキャンプ株式会社)執筆:フリーライター 安住久美子,2019-03-04
  5. ^ 売れない時代にモノが売れるファン作りの極意 新規の取り合いは苛烈極めるレッドオーシャン東洋経済オンライン 和田裕美:株式会社HIROWA代表取締役,2022/09/06 12:30
  6. ^ クラシコムサロンVol.4「ファンベース視点から考えるブランドコミュニケーション戦略」2018年05月17日に開催 ログミー(クラシコムサロン) Published at 2018.06.27
  7. ^ 人口減、情報過多の時代を生き抜く 少数のファンこそ企業の味方日経ビジネス 佐藤嘉彦 他3名 日経ビジネス記者,2022.1.28
  8. ^ フ「新型コロナによって見えた、オンラインで"今"を共有する価値」──コミュニケーション・ディレクター 佐藤尚之マンガ・ファンマーケティング・データドリブンによって課題解決をめざす「マーケティング情報コンシェルジュサイト」『C-station』講談社,2020.07.29
  9. ^ 審判に黙って従うラグビー。審判をなんとか欺こうとするサッカー。さとなお(佐藤尚之)公式 note,2019/11
  10. ^ ある日突然、魚がNGに──。さとなおさんが明かす「アレルギーとの闘い」【極限メシ】 ホットペッパーグルメ「メシ通」西牟田靖の極限メシ リクルート 、2019/12/16
  11. ^ 環境の変化を「自分だけの強みづくり」につなげる方法とは日経ビジネス 福井崇人 アートディレクター/クリエイティブディレクター,2022.9.2
  12. ^ 佐藤尚之(さとなお)さんに聞く(後編)「効率じゃないコミュニケーションへ」AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議 並河進(電通ソーシャル・デザイン・エンジン コピーライター),2012.10.31
  13. ^ 消費者の変化を自覚し、いちばん伝わる方法を追求(インタビュー:電通 クリエーティブ・ディレクター 佐藤尚之さん)広告朝日 朝日新聞社,2008.08.01
  14. ^ 「SIPS」という考え方、そして共感の時代のメディア トリプルメディア時代のコミュニケーションadv.yomiuri 読売新聞社,2011.7.22/2011年2・3月号 特集
  15. ^ 貝洲岳洋(電通 コーポレート・コミュニケーション局/宣伝会議コピーライター養成講座2009年春・基礎コース修了)宣伝会議 コピーライター養成講座事務局,22012.10.15
  16. ^ ココが社長室|広告コミュニケーションの流れと、コミュニケーションデザインについて 佐藤尚之様 社内講演会 事業プロデュース集団 - 株式会社グランドビジョン 公式サイト
  17. ^ 伝わらない時代の「伝わる」プランニング ―マスベースとファンベース― THE YOMIURI SHIMBUN(読売新聞広告局 特集 ファンとコミュニケーションする) 
  18. ^ 「アニサキスアレルギー」の恐怖 集英社 週プレNEWS 興山英雄、2021/08/17
  19. ^ “さとなお”こと佐藤尚之氏がアライドアーキテクツの顧問に就任 広告主企業のファンベース施策を支援 MarkeZine(マーケジン)翔泳社 2018/07/23 13:00
  20. ^ GMOユナイトエックス:社内研究機関「GMOプランニングラボ」を設立 佐藤尚之(さとなお)氏がアドバイザーに就任日刊工業新聞,2018/9/10
  21. ^ 野村HDなど、「ファンベース」を基盤としたマーケティング支援事業を担う合弁会社設立の検討に関する基本合意書を締結 日本経済新聞 電子版 2019/1/11 15:30
  22. ^ さとなお氏ら3者がファンベースカンパニーを設立 元ネスレ日本の津田氏も参加 宣伝会議 編集部 2019.05.10 掲載
  23. ^ noteを1年毎日書いてきたけど、少しペースを緩めたいと思います さとなお(佐藤尚之)公式note 2020/07/12 23:03
  24. ^ 株式会社ファンベースカンパニー 社長の交代と「ファンベースを知る制度」開始のお知らせ PR TIMES 株式会社ファンベースカンパニー プレスリリース 2020年4月1日17時00分
  25. ^ 「#応援させて」プロジェクトを始めましたさとなお(佐藤尚之)公式note 2020年5月1日 22:01
  26. ^ 15人のトップクリエイターたちが語る「新しい答え」のつくりかた。  PR TIMES 株式会社誠文堂新光社 2021年11月23日 10時30分
  27. ^ 「Nスタ」 2016年3月10日(木)放送内容 価格.com テレビ紹介情報、2016/03/10
  28. ^ アニサキス・アレルギーの恐怖! 20〜30分でショック死してしまう可能性も。 ある日突然キバをむく”シャレにならない食べ物” テレ東プラス、2020/04/8
  29. ^ 食通・さとなおさん、魚で瀕死「一生食べられないのか」 朝日新聞デジタル 水野梓 2018年11月18日 15時50分
  30. ^ 人生は夕方から楽しくなる 毎日新聞夕刊 2019年1月18日
  31. ^ 生活者をみる。歴史を知る。真摯なマーケターに必要なのは「俯瞰力」佐藤尚之×森永真弓株式会社博報堂DYホールディングス 企業サイト hodo DY Media Partners コラム(hakuhodoDY holdings),2022/08/17
  32. ^ 生活者視点の次世代型ソリューションを提供する『サトナオ・オープンラボ』が発足(株式会社電通 ニュースリリース、2010年3月1日)
  33. ^ 電通、「電通モダン・コミュニケーション・ラボ」発足 主宰者・佐藤尚之氏は3月末で電通退社 MarkeZine(マーケジン)翔泳社、2011/03/30 12:20
  34. ^ 【SHARED VISION発刊記念 廣田周作氏×佐藤尚之(さとなお)氏対談】 広告会社はクライアントにヒントを与える「ファシリテーター」へ変革すべしAdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議,2013.06.10
  35. ^ 「あと70年生きるんでしょ? 焦らず俯瞰するといいよ」佐藤尚之さんが、30代マーケターに伝えたいこと企業Web担当者・マーケ担当者のための、「明日役に立つ」ノウハウやニュースを平日毎日更新でお届けするメディアサイト【Web担(Web担当者フォーラム)】(株式会社インプレス)内田佳奈の「あの人に会いたい」 執筆:河田顕治,2018/6/14 7:00
  36. ^ 【後編】突然失った人生の生きがい。絶望の淵から救ってくれたのは「走禅」、そして「必要とされること」だった。|コミュニケーションディレクター・佐藤尚之メンタリー Mentally,Inc.,2022.05.25
  37. ^ 運動音痴も障害も越えて楽しめる「ゆるスポーツ」“弱さ”をポジティブに転換できる場の価値『マイノリティデザインー弱さを生かせる社会をつくろう』刊行記念トークセッション 社会課題とビジネスは、どのようにつなげられるのか?澤田智洋 コピーライター/世界ゆるスポーツ協会代表理事 工藤眞平 MC 合同会社 SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS ログミーBiz,2021年03月09日
  38. ^ 「強み探し」は就活生だけのものじゃない。50代から探すには?『一人ひとりが“パーパス”を持って働くということ 福井崇人/アートディレクター/クリエイティブディレクター 日経BP 日経BOOKプラス,2022.8.18
  39. ^ 電通から独立「さとなお」さん モノ売れない時代「ファン」の愛着大切に神戸新聞NEXT,2019/12/22 16:00
  40. ^ 「人生のピークを80歳にもっていく」さとなお(佐藤尚之)公式 note,2019年1月3日 18:01
  41. ^ ある若い友人へさとなお(佐藤尚之)公式サイト satonao.com,2015年2月16日(月) 13:46:50
  42. ^ 伝わらない時代の「伝わる」プランニング―マスベースとファンベース―読売新聞広告局ポータルサイト adv.yomiuri 特集 ファンとコミュニケーションする 読売新聞 広告局,10:03:00 JST 2015/2015年8・9月号
  43. ^ 「ファンは“神様”ではない」佐藤尚之(さとなお)氏が語る“ファンベース”への取り組み方Webマーケティングメディア「ferret」 ライター:飯髙悠太(株式会社ベーシック),2018年07月23日
  44. ^ デジタル施策を単発で終わらせずファンベース施策につなげる【Web担】企業Web担当者・マーケ担当者のための、「明日役に立つ」ノウハウやニュースを平日毎日更新でお届けするメディアサイト(株式会社インプレス)デジタル施策で狙うべきは、新規獲得よりも既存顧客のLTV向上―なぜ“ファンベース”が重要なのか【前編】執筆:柏木恵子, 2019/8/29 7:00
  45. ^ 実践! ファンベース 第4回/全11回さとなお氏が聞く ネスレの成功に見る新規事業とファンベースの肝日経クロストレンド 日経BP 執筆:樋口可奈子(ライター/ファイナンシャルプランナー),2020年11月11日
  46. ^ ”愛してくれる人”に企業は学べ~さとなお氏に聞く、これから必須の「ファンベース」とは?wisdom NEC 日本電気株式会社,2019年03月28日
  47. ^ @satonao310さとなお公式Twitter,午前8:45 · 2022年9月7日
  48. ^ 審判に黙って従うラグビー。審判をなんとか欺こうとするサッカー。さとなお(佐藤尚之)公式 note,2019年9月21日 20:16

外部リンク[編集]