佐藤亜紀

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佐藤 亜紀(さとう あき、1962年 - )は、日本の小説家新潟県栃尾市(現長岡市)出身。

夫は、1993年に「イラハイ」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞した佐藤哲也[1]

目次

[編集] 経歴と人物

栃尾市立栃尾中学校、新潟県立長岡大手高等学校を経て成城大学文学部卒業。成城大学大学院文学研究科博士課程前期課程修了。専攻は、18世紀美術批評。大学院修了後の1988年〜1989年にはロータリー財団奨学金を得て、フランス留学

1991年、『バルタザールの遍歴』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。以後『戦争の法』『鏡の影』などの作品を主に新潮社より発表するが、編集者との関係悪化により2000年頃に同社との関係を断つ。

2002年に5年ぶりの長編『天使』を上梓し、芸術選奨新人賞(2003年) 受賞2004年にはその『天使』の姉妹編である『雲雀』、2006年には初の評論集となる『小説のストラテジー』を刊行した。2007年刊行の「ミノタウロス」は高い評価を受け、第29回吉川英治文学新人賞、2007年「本の雑誌が選ぶノンジャンルのベストテン」1位を受賞した。

1999年から2005年まで早稲田大学文学部文芸専修の講座において、小説の創作指導を担当(2002年4月以降は客員教授)。2007年4月より明治大学商学部特別招聘教授として「特別講義」を実施。2008年も5月から5回の特別講義の開催を予定している。

近代西洋の音楽、美術、文学に造詣が深く、その豊富な知識と批評眼に裏打ちされた重厚な構成と文体を特徴とする。オペラは大が付く程のファンであり、作品中にもたびたび登場人物がオペラを鑑賞するシーンが見受けられる。エッセイ集「ブーイングの作法」には、オペラの見方などを書いたエッセイが複数収められている。ピエール・クロソウスキーの『バフォメット』に登場するキャラクターから「大蟻食」を自称し、ファンからも「大蟻食さま」と呼ばれている。

自身のウェブサイトでは日々、様々な文芸作品の毒舌批評を繰り広げており、その容赦の無さが特徴である。たとえば、2006年度のワースト作品としてカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』をあげたり、山田正紀に対し「四半世紀前に『神狩り』を読んだ時既に終ってると感じられた作家」(2007年7月11日の日記より)、「二百万死のうと三百万死のうと人類の進歩と調和の前では無、な小松左京的粗野」(同日記より)と大家に対しても容赦がない。

[編集] 著作リスト

[編集] 小説

初出:小説新潮1991年9月号
初出:別冊文藝春秋 Autumn 1996「1809ーナポレオン暗殺 前編:第1章-第5章」、Winter 1997「同 後編:第6章-第9章」
初出:別冊文藝春秋 2002年3月号、5月号、7月号
初出:別冊文藝春秋 2003年5月号 「花嫁」、7月号「雲雀」、9月号「王国」、書き下ろし「猟犬」
初出:小説現代 2006年6月~7月、10月~2007年2月号(講談社)
  • 激しく、速やかな死(2009 文藝春秋 ISBN 4-16-327230-6 ※書き下ろしを含む短編集)

[編集] 小説(アンソロジー)

[編集] 小説(短編)

  • 瀝青の底の不死 - 小説新潮 1992年5月号(受賞第一作)
  • 情熱の犯罪 - 小説新潮 1992年10月号
  • 咎 - 小説新潮 1993年11月号
  • 悪意の庭 - 小説すばる 1994年9月号(集英社)
  • 魔法の島の歓楽 - 小説すばる 1994年11月号(集英社)
  • 黄色いペンキの神 - store 1998 Vol.2(光琳社)
  • フリードリヒ・Sのドナウへの旅(※1)- オール讀物 1998年4月号(文藝春秋)
  • 金の象眼のある白檀の小箱(※1)- オール讀物 1999年10月号(文藝春秋)
  • 弁明(※1)- オール讀物 2000年9月号(文藝春秋)
  • 荒地(※1)- 文學界 2003年7月号(文藝春秋)
  • アナトーリとぼく(※1)- SFマガジン2009年5月増刊号「STRANGE FICTION」(早川書房)

(※1)『激しく、速やかな死』(2009 文藝春秋)に収録

[編集] 翻訳

[編集] エッセイ・評論集

[編集] エッセイ・評論(アンソロジー)

初出:文藝春秋 1991年12月号
初出:環【歴史・環境・文明】No.2 2000年7月号(藤原書店)
初出:新刊ニュースNo.564 1997年7月号(トーハン) 「でもわたしは幽霊が怖い」にも収録

[編集] 解説

ダンテ神曲(下)(1998年 講談社漫画文庫 ISBN 4062604159)に再録

[編集] 連載

  • Field Work on Mode 映画のプリズム:太陽 1992年1月号~1992年12月号(平凡社)→「ブーイングの作法」所収
  • Time Out 映画国貴人伝:Switch 1992年11月号〜1994年1月号/隔月(スイッチ・パブリッシング)→「ブーイングの作法」所収
  • 出会いの風景:朝日新聞 1993年6月14日〜18日 夕刊→「でも私は幽霊が怖い」所収
  • 掠奪美術館:太陽 1993年9月号~1994年9月号(平凡社)→「掠奪美術館」所収
  • 鳩の目:鳩よ! 1994年1月号~1994年12月号(マガジンハウス)→「でも私は幽霊が怖い」、「ブーイングの作法」(※)所収
「でも私は幽霊が怖い」の‘60年代リバイバル?冗談じゃねえぜ'は2月号掲載
  • ストリートシーン:世界 1994年6月号~1996年4月号(岩波書店)→「陽気な黙示録」所収
  • 書評鼎談:RONZA 創刊準備(1994年12月)号、創刊(1995年4月)号~1996年11月号(朝日新聞社)→「皆殺しブックレビュー」所収
  • 外人術:リテレール No.14 1995年冬号~No.18 1996年冬号(メタローグ)→「外人術」所収
  • What's On!? CINEMA 佐藤亜紀の映画館襲撃:CREA 1997年1月号~5月号(文藝春秋) →「ブーイングの作法」所収
  • 語りかける本たち テーマ書評(7)-(12) 季刊アステイオン 1996春-1997夏(TBSブリタニカ)→ (10)エリゼ宮の食卓のみ「検察側の論告」所収
  • Cross Line:正論 2002年6月号~2003年8月号(産経新聞社)
  • 佐藤亜紀が読む:熊本日日新聞 朝刊 2003年5月18日~2007年2月25日号(熊本日日新聞社:不定期日曜掲載)
  • オオアリクイ通信:新潟日報 朝刊 2005年1月~2006年12月(新潟日報社:毎月第二土曜日掲載)
  • 小説のストラテジー:ユリイカ 2005年8月号~2006年7月号(青土社)→「小説のストラテジー」所収
  • 独楽日記:ハヤカワミステリマガジン 2008年1月号~連載中(早川書房)
  • 今月の拍手喝采?:HERS 2008年4月号~2008年10月号(光文社)
  • ダブルクリック:毎日新聞 夕刊 2008年7月1日~2008年10月1日(毎日新聞社:原則火曜掲載)
  • 半歩遅れの読書術:日本経済新聞 朝刊 2009年2月(日本経済新聞社:日曜掲載)

[編集] 紀行

  • [サウダーデ]の国・ポルトガルを訪ねて 情念の、或は何かの秘密の封印ーマヌエル様式の装飾美/CREA 1992年6月号(文藝春秋)
  • ハプスブルク物語 女帝マリア・テレジアとその時代/SOPHIA 1993年12月号 (講談社)
  • ウィーン・カルチャー紀行 皇妃エリザベート 心の旅路/GRAZIA 1996年11月号 (講談社)
  • フランス紀行&ガイド パリ+三都物語/Sports Graphic Number PLUS April 1998 特集「フランス98を愉しむ。W杯観戦完全ガイド」(文藝春秋)

[編集] インタビュー

  • 十歳から小説書いたお嬢/週刊朝日 1992年2月7日号 週刊図書館
  • 人間のどうしようもなさって大好き/朝日ジャーナル 1992年2月7日号 BOOK'S '92
  • 曖昧さが生むもの『戦争の法』by 濱美雪/スイッチ 1992年9月号 Writers At Work
  • 幻想文学の旗手に十二年越しのロマンス +佐藤哲也/週刊新潮 1993年12月9日号 結婚
  • 3万円ブック・ハンティング/CREA 1994年10月号
  • 『掠奪美術館』/クロワッサン 1995年9月25日号 最近、面白い本読みましたか
  • 見てきたように”昔のヨーロッパ”を書く作家/MORE 1995年12月号 ON BOOKS
  • クリエイターMAP 1998/広告批評 1998年3月号 ※斎藤美奈子が選ぶ10人の作家のひとりとして12問のアンケートへの回答

  ※斎藤のコメントは自身の『本の本—書評集1994-2007』(2008年 筑摩書房)に収録

  • 人間が住んでいるところ。『1809』by 塚田恭子/楽[RAKU]1998年3月号(マガジンハウス)

  ※『外人術』『略奪美術館』『ラモーの甥』『タレイラン評伝』を紹介。

[編集] 対談・座談会

  • 〈作家〉になるまで
酒見賢一/波 1992年1月号(新潮社)
中条昇平/イメージフォーラム 1993年2月号(ダゲレオ出版)今月の一本勝負
  • 心にしみる、忘れられない恋愛映画
中条省平/marie claire 1993年4月号(角川書店) 恋愛映画の魅惑
  • 変貌する恋愛映画の現在と未来
鈴木布美子+岡本太郎/marie claire 1994年2月号(角川書店)恋愛映画が観たい。
  • 本の海に溺れて物語のたくらみを産んで
小林恭二/早稲田文学 1994年10月号
アゴタ・クリストフ/鳩よ!1995年8月号(マガジンハウス)
  • 筒井康隆追悼座談会×インタビュー=筒井康隆へのラブコール
小林恭二+巽孝之+フォン・コウモリ/月刊頓知 1995年10月創刊号(筑摩書房)
  • ロシア人の魂とフランス人の政治性
島田雅彦/海燕 1996年4月号(福武書店)
  • 異様なる「視線の小説」-『偽造手記』
国分寺公彦/波 1999年2月号(新潮社)
  • マウス ワイド オープン『アイズ ワイド シャット』徹底検証“夫婦”座談会
巽孝之+小谷真理vs佐藤哲也+佐藤亜紀/
スタンリー・キューブリック-期待の映像作家シリーズ 1999年10月(キネマ旬報社 ISBN 4873765218
  • 99年の文壇を斬る!
福田和也/ダ・ヴィンチ 2000年1月号(メディアファクトリー)
  • お酒と小説の美味しい関係
鹿島茂+福西英三/オール読物 2000年5月号(文藝春秋)
  • R・パワーズは第二のピンチョンか?『舞踏会へ向かう三人の農夫』
柴田元幸+高橋源一郎+若島正 /文學界 2000年7月号(文藝春秋)
  • 出版産業はほんとうに作家の味方なのか?
小田光雄+保坂和志/季刊・本とコンピュータ 2000年秋 No.14(大日本印刷 ISBN 4924956678
  • 「食べ物」をめぐるテクストと時代性
池内紀/読書風景ifeel 2002年冬号(紀伊国屋書店)
  • シュレンドルフの「魔王」(1996)をめぐって
皆川博子/『魔王』DVD 2002(日活)※2001年9月15日シネ・リ-ブル池袋にて
  • 小説に未来はあるか
筒井康隆/小説現代 2002年5月号(講談社)
  • 生涯をかけて開かせた、傷の花
松山俊太郎+池田香代子/ユリイカ 2002年10月臨時増刊号「矢川澄子 不滅の少女」(青土社 ISBN 4791700953
  • ディスク・ディスカッション-モーツァルト歌劇《魔笛》
森泰彦+長木誠司/レコード芸術 2003年8月号(音楽之友社)
  • 「東」と「西」を超えて『わたしの名は紅』著者パムク氏に訊く
オルハム・パムク/環【歴史・環境・文明】No.21 2005年4月(藤原書店 ISBN 4894344467
所収:「父のトランク ノーベル文学賞受賞講演/オルハム・パムク」(2007 藤原書店 ISBN 4894345713
  • 皇帝の画家 ダヴィッド
山根基世+はな/NHK新日曜美術館 2005年11月13日
  • 死霊』は大いなる序章だった 『死霊』のありえた可能性を探り、未読の読者への影響力を考える
奥泉光/群像 2007年5月号(講談社)
  • 特集 笙野頼子 対談による全著作レヴュー
小谷真理/文藝 2007年冬季号(河出書房新社)
  • Mysteryゲストルーム『ミノタウロス』
豊崎由美/ミステリチャンネル 2007年12月
  • 歴史を生き直すために
池上永一/野生時代 2008年9月号(角川書店) 総力特集 池上永一が来た!!『テンペスト』刊行記念

[編集] 文学賞関連

 小説新潮 1991年9月号 ※「受賞のことば」収録

  • 第24回SF大賞 選評(候補作「天使」):高千穂遥・難波弘之・神林長平・川又千秋・巽 孝之

  SF Japan2004年3月 Vol.9(徳間書店)

  ※選考:関口苑生、杉江松恋、福井健太、豊﨑由美、香山二三郎、大森 望

  • 第一回プレイボーイミステリー大賞(第3位『ミノタウロス』)PLYABOY 2008年1月号(集英社)

  ※選考:大森望・香山二三郎・杉江松恋 

  • 本の雑誌が選んだ2007年度ノンジャンルのベスト10(第1位『ミノタウロス』) 本の雑誌2008年1月号  ストーブ遠吠え号(本の雑誌社)
  • 第29回吉川英治文学新人賞 受賞者紹介 (受賞作『ミノタウロス』)講談社 吉川英治賞 公式ページ
  • 第29回吉川英治文学新人賞 発表 群像2008年5月号(講談社)※「受賞のことば」収録
  • 第29回吉川英治文学新人賞 選評:浅田次郎・伊集院静・大沢在昌・高橋克彦・宮部みゆき 小説現代2008年5月号(講談社)

[編集] 大蟻食への言及

  • 二人の翠をめぐって/矢川澄子:『第七官界彷徨/尾崎翠:ちくま日本文学全集』(1991 筑摩書房 文庫版)
所収 『「父の娘」たち/矢川澄子―森茉莉アナイス・ニン』(1997 新潮社 ISBN10410327803X)
『「父の娘」たち/矢川澄子』 (2006 平凡社ライブラリー ISBN104582765793)
  • 私が推すいい女〈男性編〉/ 関口照生 自由時間 1994年3月3日号(マガジンハウス)「いい女」 可愛いだけの女はもういらない!
  • 恋敵(ライヴァル)を屠りて首夏の乗馬服/猫鮫 朝日新聞 1994年5月7日 夕刊 猿蓑倶楽部/小林恭二
  • 話題の「日蝕」で芥川賞を受賞した”京大生作家”平野啓一郎の盗作疑惑/曽我静太郎 噂の真相 2000年6月号
  • 盗作疑惑の「日蝕」平野啓一郎の不快 ネタ本の佐藤亜紀に何と警告書 噂の真相 2000年8月号
  • 『作家の値うち/福田 和也』(2000 飛鳥新社 ISBN104870313952)
  • 他人を言い負かしたいだけの人:『 考える日々III/池田晶子 』(2000 毎日新聞社)※初出:サンデー毎日 2000年上期
  • 解説(訳者あとがき)/堀茂樹『第三の嘘/アゴタ・クリストフ』(2002 ハヤカワepi文庫 ISBN4151200169)
  • 佐藤亜紀の文学的思想/虎谷 瞳 『文献探索2001 文献探索・書誌作成・書誌解説/深井人詩 編 ページ 582~590』(文献探索研究会 2002年)
  • 哲学と妻とお笑いと:佐藤哲也+豊崎由美 SFマガジン2002年8月号 佐藤哲也小特集(早川書房)
  • Anima Solaris 著者インタビュー『妻の帝国/佐藤哲也』2003年9月 
  • 『文学賞メッタ斬り!/豊崎由美&大森望』(2004 PARCO出版 ISBN 104891946822/2008 ちくま文庫 ISBN 10448042413X)

   ※日本ファンタジーノベル大賞の特殊性

  • 『文学賞メッタ斬り!2008年版 たいへんよくできました編/豊崎由美&大森望』(2008 PARCO出版 ISBN 104891947748)
  • 『グアルディア/仁木稔』あとがき(2004 ハヤカワSFシリーズ Jコレクション ISBN 9784152085887
  • 『そんなに読んで、どうするの? -縦横無尽のブックガイド/豊崎由美』(2005 アスペクト ISBN104757211961)
  • 『どれだけ読めば、気がすむの/豊崎由美』(2007 アスペクト ISBN104757213581)
  • 『グアルディア(下)/仁木稔』あとがき/文庫版あとがき(2007 ハヤカワ文庫 ISBN 9784150308865
  • 『本の本—書評集1994-2007/斎藤美奈子』(2008 筑摩書房 ISBN104480814876)
  • 『読むのが怖い! 帰ってきた書評漫才~激闘編/北上次郎&大森望』 (2008 ロッキング オン ISBN104860520742)
  • 『盗作の文学史/栗原裕一郎』(2008 新曜社 ISBN104788511096)

[編集] 新潮社との関係途絶の経緯

佐藤亜紀と新潮社の確執は、平野啓一郎を巻き込んで以下のように展開した。

『鏡の影』は新潮社から1993年に刊行された。1998年に発表された平野啓一郎の『日蝕』にとって、当初から異端探求をモチーフとする先行作品の一つと目されていた[要出典]が、佐藤亜紀による『日蝕』についての1999年時点の書評[2]は非常にシニカル[3]ではあったものの、類似性を指摘するコメントは取り立ててなかった[4]

問題が表面化したのは、2000年3月に佐藤が自らのウェブサイトにおいて、『日蝕』は佐藤の『鏡の影』の「ぱくり」であると示唆し、芥川賞の候補にあがった『日蝕』が『鏡の影』と「読み比べられたりしないよう」にと新潮社が『鏡の影』を絶版にしたのではないかというNo.13『バルタザールの遍歴』絶版の理由」をウェブサイトで発表したことによる。 大蟻食によれば当時新潮社は、佐藤が執筆していたウィーン会議を題材とした作品[5]の『新潮』掲載について「載せる余地が無くなった」として掲載約束を反故にし、前後して『鏡の影』『戦争の法』を絶版としていた。この掲載約束反故と相次ぐ絶版を新潮社による平野擁護策だと考えて反発した佐藤は、『バルタザールの遍歴』の版権を新潮社より引き揚げた[6][7]

この件はネットやゴシップ雑誌などで盗作疑惑として騒がれた[8]。佐藤自身も当初から「ぱくり」「習作段階での補助輪」という言い方をしており[9]、違法性のある盗作という言及の仕方はしていない[10]

平野自身は「1行も読んだことがない」と否定。書評が出た時点まで平野は佐藤亜紀と『鏡の影』を知らず、また佐藤の小説を「今後も読むつもりがない」としている[11][12]。 現在までのところ、新潮社はその事実関係について公式には何の発表もしておらず、またこれに関わる係争は起こしていない。

[編集] 脚注

  1. ^ ただし、「ファンタジーノベル大賞」が切っ掛けで知り合ったわけではなく、大学が同窓であり、学生時代からの交際である。
  2. ^ 1999年2月27日(土)付け朝日新聞朝刊クロスレヴュー 批評の広場 「三島の再来」実力のほどは
  3. ^ 書評から7年後の2006年9月15日に発表された平野啓一郎ブログ - web2.0的世界において、「名誉」を守るということについてでの平野自身の感想。
  4. ^ それまでにも佐藤は1999年2月に自身のサイト文句のある奴は前へ出ろ(30)で『日蝕』について辛辣な短評を記している。
  5. ^メッテルニヒの伝記」と呼ばれていた。
  6. ^ 掲載約束を反故にされたあとで佐藤は、平野の書き下ろし一千枚『ドラクロワ』が「新潮」に掲載予定となっていることを知り、そのせいで「三年来掲載の約束で書いてきた原稿」を載せる余地が無くなったのだと思いつめ、ついにウェブサイトでの「『バルタザールの遍歴』絶版の理由」公表に至る(No.13『バルタザールの遍歴』絶版の理由」)。
  7. ^ なお売り上げ不振が絶版の原因であるという指摘もされているが、『鏡の影』は禍転じて話題の的となり同年7月ビレッジセンターより復刊した。2003年、ビレッジセンターが出版部門を整理した際にも絶版されたが、ブッキングより再度復刊されている。現在他の2作品も他社より復刊されている。
  8. ^ ネット上と『噂の真相』『本の雑誌』、のちに別冊宝島1257『「パクリ・盗作」スキャンダル読本』(2006年1月 ISBN 4796650725) などでとりあげられた。
  9. ^ 佐藤はサイトにおいて何度も法的な問題ではないとしている。文句のある奴は前へ出ろ36以降より。
  10. ^ 佐藤と比較的親しい関係にある山之口洋も、両作品を比較検討した結果、細部においていくつか造形が似ていることを指摘するとともに、両者の目指す方向性自体がかなり違うことを指摘している - bk1の書評コラム「不審事物
  11. ^ 前掲 平野啓一郎のブログより。このブログエントリは、ウィキペディアの平野の項目になされた「佐藤亜紀『鏡の影』と『日蝕』の内容酷似問題」という書き込みに反論する形で発表された。
  12. ^ 佐藤寄りの山之口は、未読であれば小説家失格であろうと述べている。

[編集] 外部リンク