佐藤しのぶ (歌手)

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佐藤 しのぶ
出生名 佐藤 しのぶ
生誕 (1958-08-23) 1958年8月23日
出身地 日本の旗 日本
死没 (2019-09-29) 2019年9月29日(61歳没)
学歴 国立音楽大学
ジャンル クラシック音楽
職業 ソプラノ歌手
担当楽器 ソプラノ
活動期間 1985 - 2019
公式サイト 佐藤しのぶアートガーデン

佐藤 しのぶ(さとう しのぶ、1958年昭和33年〉8月23日 - 2019年令和元年〉9月29日)は、日本ソプラノ歌手声楽家。夫は指揮者現田茂夫

経歴[編集]

東京都生まれ。その後、大阪府高槻市に転居。4歳からピアノを始める。身長168㎝。大阪音楽大学付属音楽高等学校国立音楽大学声楽専攻卒業。声楽を島田和子中山悌一田原祥一郎に師事。文化庁オペラ研修所第4期に最年少で入所し首席で修了。文化庁芸術家在外研究員としてイタリアミラノへ国費留学。1985年帰国後「椿姫」でデビューにして主役を演じる。

帰国後のリサイタルではイタリアオペラを歌い、衛星放送を通して世界へ披露された。その後「トスカ」、「蝶々夫人」等のタイトルロールを次々に演じた。

1987年、オペラ歌手として初めてNHK紅白歌合戦に出演(以後、4年連続出演)。椿姫でオペラの素晴らしさを伝え、音大への関心を高めるのに一役買った(声楽科の競争率も上がった)[要出典]

「トスカ」で指揮助手を務めていた夫と知り合い結婚、1991年に長女を出産。

ブラティスラヴァ国際フェスティヴァル80周年のオープニングに、「トスカ」のタイトルロールで招聘され、ヨーロッパデビューを飾る。初のCDアルバムは、1990年1月、ハンス=マルティン・シュナイト指揮ベルリン放送交響楽団の演奏で、ベルリンにてモーツァルトのオペラアリア集を録音。その後も、ヴェルディプッチーニ等のオペラアリアのCDをヨーロッパ各地で録音した。

ウィーン国立歌劇場での「蝶々夫人」を皮切りに、ケルン市立歌劇場ベルリン・ドイツ・オペラなどヨーロッパ各地で公演。1996年韓国政府から初めての日本人正式招聘歌手として、5万人のソウルスタジアムでチョン・ミュンフン指揮KBOと共演。1997年新国立劇場開場記念オペラ『建』乙橘姫役。

1999年プラハにて世界首脳が列席の中、「ビロード革命10周年記念演奏会」でアシュケナージ指揮、チェコ・フィルと共演し、ニュースとして世界に放映。

2005年8月被爆60年平和巡礼コンサート(長崎広島)、2009年4月「天皇皇后両陛下ご成婚50周年&ご即位20周年記念コンサート」に出演。また、2009年11月「天皇陛下御即位二十年をお祝いする国民祭典」に出演し、3万人を前に歌う。

共演した指揮者は、コリン・デイヴィスクリスティアン・ティーレマンクリストフ・エッシェンバッハ小澤征爾エリアフ・インバルシャルル・デュトワピンカス・スタインバーグ等、オーケストラはローマ・サンタチェチーリア国立アカデミー管弦楽団、フランス国立管弦楽団フランクフルト放送交響楽団バイエルン放送交響楽団、チェコ・フィル、シカゴ交響楽団等。

文化放送音楽賞、ジロー・オペラ賞大賞、都民文化栄誉章、マドモアゼル・パルファム賞、Federazione Italiana Cuochi、日本文化デザイン賞大賞等を受賞。

1999年からテレビ神奈川佐藤しのぶ 出逢いのハーモニー」のパーソナリティを務めていた。CDは11枚リリース。

2019年9月29日に死去したことが同年10月3日に発表された。61歳没。死因は本人の意思により公表されていないが、体調不良のため10月以降のコンサートを中止することが9月24日に発表されていた[1][2][3]

著書[編集]

  • 福原義春サクセスフルエイジング対談 至福の時は「オペラ人」』資生堂 1998
  • 『佐藤しのぶ出逢いのハーモニー』東京書籍 2003
  • 『歌声は心をつなぐ 佐藤しのぶ出逢いのハーモニー』東京書籍 2007
  • 『明日へ続く歌 出逢いのハーモニー』東京書籍 2014

ディスコグラフィー[編集]

  • 「ドラマティック・コンサート 佐藤しのぶ」東芝EMI c1990
  • 「モーツァルト:アリア集」ハンス=マルティン・シュナイト指揮 ベルリン放送交響楽団 東芝EMI 1990
  • 「ヴェルディ:オペラ・アリア集/佐藤しのぶ」ピンカス・スタインバーグ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 東芝EMI 1991
  • 「ドラマティックコンサート1992 佐藤しのぶ」東芝EMI c1992
  • 「星への贈りもの/佐藤しのぶ」東芝EMI 1992
  • 「エッセンス/佐藤しのぶ」外山雄三指揮 NHK交響楽団 東芝EMI 1993
  • 「ドラマティックコンサート1993 佐藤しのぶ」東芝EMI c1993
  • 「プッチーニ:アリア集」ジェームズ・ロックハート指揮 フィルハーモニア・プロムナード管弦楽団 東芝EMI 1993
  • 「しのぶコレクション SPECIAL/佐藤しのぶ」東芝EMI 1999
  • 「ヴィリアの歌/佐藤しのぶ」東芝EMI 1999
  • 「みすゞのうた 金子みすゞmeets浜圭介佐野成宏共演 エイベックス・マーケティング 2007
  • 「アヴェ・マリア~佐藤しのぶシングス・フェイバリット・ソングス」King Records 2009

テレビ出演[編集]

NHK紅白歌合戦出場歴[編集]

年度/放送回 曲目 出演順 対戦相手
1987年(昭和62年)/第38回 オンブラ・マイ・フ〜なつかしい木陰 10/20 竜童組
1988年(昭和63年)/第39回 2 シューベルトのアヴェ・マリア 13/21 加山雄三
1989年(平成元年)/第40回 3 ロンドンデリーの歌 08/20 BAKUFU-SLUMP
1990年(平成2年)/第41回 4 (「ウエストサイド物語」から)トゥナイト 07/29 久保田利伸、アリスン・ウイリアムズ
注意点
  • 出演順は「出演順/出場者数」で表す。

映画出演[編集]

出典[編集]

  1. ^ 訃報/佐藤しのぶ(ソプラノ)|ニュース|音楽事務所ジャパン・アーツ”. www.japanarts.co.jp. 2019年10月3日閲覧。
  2. ^ NEWS”. 株式会社佐藤しのぶアートガーデン. 2019年10月3日閲覧。
  3. ^ 声楽家・佐藤しのぶさん死去 日本を代表するソプラノ歌手として活躍”. ORICON NEWS (2019年10月3日). 2019年10月3日閲覧。

外部リンク[編集]