会田誠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
あいだ まこと
会田 誠
生誕 1965年10月4日(48歳)
日本の旗 日本 新潟県
出身校 東京藝術大学
職業 美術家

会田 誠(あいだ まこと、1965年10月4日 - )は、日本現代美術家である。奈良美智草間弥生らとともに『新ジャポニズム』の代表的な作家とされる。

人物・作風[編集]

「取扱注意の作家」とも呼ばれ、美少女エログロロリコン戦争暴力の賛美など、社会通念道徳心に対するアンチテーゼを含む、センセーショナルな作品で知られる。ただし、近年(いつ?)は、センセーショナルな作風を好まなくなってきたと語っている。

『巨大フジ隊員VSキングギドラ』[1](1993年)で注目され、『あぜ道』『切腹女子高生』『美しい旗(戦争画RETURNS)』などが代表作。ミヅマアートギャラリーでの個展を中心に国内外で活動。『横浜トリエンナーレ2001』『六本木クロッシング2004』 (森美術館) などに出品。

アーティストグループ『昭和40年会』に参加したり、若手の芸術家や学生をまとめ、自宅で『西荻ビエンナーレ』を開催するなど、幅広い活動をしている。平面作品に限らず、映像作品の監督・出演、またフィギュアなどの制作もしている。

来歴[編集]

1965年新潟県新潟市に生まれる。父は社会学者で新潟大学教授の会田彰。小さい頃は授業中に走り回るなど落ち着きがなく「いまでいう典型的なADHD(注意欠陥・多動性障害)」[2]だったという。「基本的に飽きっぽくて同じ絵を繰り返し描くことができない」と本人が語っている[3]

新潟県立新潟南高等学校卒業後、代々木ゼミナール造形学校を経て、1989年東京芸術大学油画専攻卒業、1991年東京芸術大学大学院修了(油画技法材料第一研究室佐藤一郎)。在学中に小沢剛、加藤豪らと同人誌『白黒』(1 - 3号)を発行。レントゲン藝術研究所で開催された「フォーチューンズ」で本格的な活動を始めた。

2003年には、会田自身の制作を追ったドキュメンタリー映画『≒会田誠』(ビー・ビー・ビー株式会社)が公開。

2005年、写真「Girls Don't Cry」2003の一つが香港クリスティーズにおいて9253ドル(約110万円)で落札された。

私生活では、現代美術家岡田裕子2001年谷中墓地で式を挙げ結婚した。会田は、岡田裕子の半生を描いたドキュメンタリー風ドラマ『ふたつの女』(監督・ダーティ工藤、2007年)にも出演した。

2012年11月10日には渡辺正悟監督によるドキュメンタリー映画『駄作の中にだけ俺がいる』が公開。

2013年、第8回安吾賞受賞。

展示に関するトラブル[編集]

2012年12月に森美術館で開催された個展「会田誠展: 天才でごめんなさい」の際に、性暴力に反対する市民団体が、児童ポルノで性的虐待を肯定する表現として、公共空間である美術館で展示することを問題視した。[4]「食用人造少女・美味ちゃん」、「犬」シリーズ、等身大のゴキブリの像と女性が性行為をしている様子の写真は性的虐待を肯定しており、女性の尊厳を傷つけていることなどを取り上げた。[5]また、美術評論家の松岡久美子氏は「欧米の美術館では決して許されない、女性は弱い立場であってこそエロとして感じる男性の見方が背景にあるのではないか」と疑問を呈した。それに対し美術館側は、われわれが作者の業績をたたるためにも網羅するために展示する必要があったと説明した。[6]それに対し、米国の法務研究者であるダグラス・マクレーンは、「欧米ではこのような女性やこどもへの暴力を賛美するような絵が美術館で公開されることはほぼ無く、国によって法律は異なるが、仮に違法でなくとも展示が避けられるのは、このような絵の展示は性暴力正当化するという市民の共通の認識があるからだ」と森美術館の展示を厳しく批判した。[7]

作品[編集]

絵画
  • 河口湖曼荼羅(1987年)
  • 犬(1989年)
  • 無題(通称:電信柱)(1990年)
  • 火炎縁蜚蠊図(かえんぜつごきぶりず)(1991年)
  • 火炎縁雑草図(1991年)
  • あぜ道(1991年) (豊田市美術館蔵)
  • デザイン(1992年)
  • 巨大フジ隊員VSキングギドラ(1993年)
  • ポスター(1994年)
  • 無題(通称:駄作の中にだけ俺がいる)(1995年)
  • 美しい旗(戦争画RETURNS)(1995年)
  • 戦争画RETURNS(1996年)(高橋コレクション (高橋龍太郎_(精神科医)蔵)
  • 紐育空爆之図(にゅうようくくうばくのず)(戦争画RETURNS)(1996年)(高橋コレクション 蔵)
  • 題知らず(戦争画RETURNS)(1996年)
  • 大皇乃敝尓許曽死米(おおきみのへにこそしなめ)(戦争画RETURNS)(1996年)
  • ミュータント花子(1997年)
  • スペース・ウンコ(1998年)
  • スペース・ナイフ(1998年)
  • 犬(雪月花のうち“雪”)(1998年)
  • たまゆら(戦争画RETURNS)(1999年)
  • 無題(2001年)[8]
  • ジューサーミキサー(2001年)
  • 食用人造少女・美味ちゃん(2001年)
  • 新宿御苑大改造計画(2001年)
  • 切腹女子高生(2002年)
  • 人プロジェクト(2002年)
  • 大山椒魚(2003年)
  • じょうもんしきかいじゅうのうんこ(2003年)
  • ?鬼(2003年)
  • 無題(通称:考えてませ~ん)(2004年)
  • ヴィトン(2007年)
  • 727(2007年)
  • 滝の絵(2007-10年)
  • 万札地肥瘠相見図(原画)(2007年)
  • 灰色の山(2009-11年)
  • 1+1=2(2010年)
  • ニトログリセリンのシチュー(2012年)
  • Jumble of 100 Flowers(2012年)
  • 考えない人(2012年)
  • 電信柱、カラス、その他(2012年)
  • MONUMENT FOR NOTHING Ⅳ(2012年)
フィギュア
  • 愛ちゃん盆栽(2005年)
立体作品
  • 自殺未遂マシーン(2001年)
  • 新宿城(2002年)
書籍
  • 青春と変態(小説、ABC出版、1996年)
  • ミュータント花子(漫画、ABC出版、1997年)
  • Lonely Planet(画集、DANぼ出版、1998年)
  • 三十路(画集、ABC出版、2001年)
  • MONUMENT FOR NOTHING(画集、グラフィック社、2007年)
  • カリコリせんとや生まれけむ(エッセイ集、幻冬舎、2010年)
  • 少女ポーズ大全(会田誠監修・モデルほしのあすか、コスミック出版、2011年)
  • 美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか(幻冬舎、2012年)
映像
  • 上野バンタロン日記(1990年)
  • たいらっぴょう(1995年)
  • 日本に潜伏中のビン・ラディンと名乗る男からのビデオ(2008年)
  • 美術と哲学#2 フランス語、ドイツ語、英語(2011年)
関連作品
  • 映画「≒会田誠 無気力大陸」 (2003年) - 玉利祐助監督によるドキュメンタリー作品
  • DVD「アートアイドル声ちゃんの変躰ランド」(2004年)
  • 映画「駄作の中にだけ俺がいる」(2012年)- 渡辺正悟監督によるドキュメンタリー作品

展覧会[編集]

個展
  • 「絵は四角くなくなくてもよい」(谷中フルフル、1992年)
  • 「ポスター」(同和火災ギャラリー、1994年)
  • 「さりん」(なすび画廊、1994年)
  • 「戦争画RETURNS」(ギャラリーなつか、1996年)
  • 「NO FUTURE」(ミヅマアートギャラリー、1996年)
  • 「パリ・津田沼」(ミヅマアートギャラリー、1998年)
  • 「道程」(三菱地所アルティアム、1999年)
  • 「男の酒」(ミヅマアートギャラリー、2000年)
  • 「会田誠・岡田(会田)裕子・会田寅次郎 三人展」(ミヅマアートギャラリー、2001年)
  • 「会田誠展-食用人造少女・美味ちゃん-」(ナディッフ、2001年)
  • 「Drink,SAKE alone.」(Lisa Dent Gallery サンフランシスコ、2005年)
  • 「Donki-Hote」(Man in the Holocene at IBID Projects ロンドン、2005年)
  • 「Picuture of Mountain Stream and others」(Andrew Roth Inc ニューヨーク、2006年)
  • 「アートで候 会田誠・山口晃展」(上野の森美術館、2007年)
  • 「会田誠展: 天才でごめんなさい」(森美術館、2012年-2013年)
グループ展
  • 「フォーチューンズ」(レントゲン藝術研究所、1993年)
  • 「Happy Violence」(名古屋市政資料館(愛知)、1994年)
  • 「絵でしか言えない」(同和火災ギャラリー、1994年)
  • 「Smooth Surface」(レントゲン藝術研究所、1994年)
  • 「PAP OPENING EXHIBITION」(PAP FACTORY、1995年)
  • 「Collection/Selection」(レントゲン藝術研究所、1995年)
  • 「ダンボールとブルーシート」(東京、1995年)
  • 「モルフェ'95 亀裂A地点展」(ミヅマアートギャラリー、1995年)
  • 「写真で語る」(東京芸術大学陳列館、1995年)
  • 「TOKYO POP」(平塚市美術館、1996年)
  • 「昭和40年会」(シナプス画廊、1996年)
  • 「on camp/off base」(東京ビッグサイト、1996年)
  • 「アートシーン90-96」(水戸芸術館、1996年)
  • 「HOLY GIFT vol.1」(ミヅマアートギャラリー、1996年)
  • 「こたつ派」(ミヅマアートギャラリー、1997年)
  • 「Document&Art」(アートミュージアムギンザ、1997年)
  • 「美人画」(ミヅマアートギャラリー、1997年)
  • 「昭和40年会」(ギャラリーメトロポリタン(バルセロナ)、1997年)
  • 「HOLY GIFT vol.2」(ミヅマアートギャラリー、1998年)
  • 「TAKEOコミュニケーションデザイン1998」(スパイラル、1998年)
  • 「TOKYO ELEGANCE」(リーセントギャラリー(北海道)、1998年)
  • 「SO WHAT?-Donai ya nen」(エコール・デ・ボザール(パリ)、1998年)
  • 「昭和40年世代-東京からの声」(エスパース・フロン ローザンヌ(ドイツ)、1998年)
  • 「昭和40年世代-東京からの声」(ACC ワイマール(ドイツ)、1998年)
  • 「VOCA'99」(上野の森美術館、1999年)
  • 「昭和40年世代-東京からの声」(現代美術製作所、1999年)
  • 「日本現代絵画の展望展」(東京ステーションギャラリー、1999年)
  • 「日本ゼロ年」 『戦争画RETURNS』シリーズを新旧作交えて出展(水戸芸術館、1999年)

注釈[編集]

  1. ^ 葛飾北斎蛸と海女」のパロディでもある。
  2. ^ 自らART ACCESSのインタビュー[1]、ART itのインタビュー[2]で語っている。
  3. ^ 同じくのART itインタビュー[3]で語っている。
  4. ^ 東京新聞2013年1月30日版
  5. ^ ポルノ被害と性暴力を考える会ホームページ http://paps-jp.org/action/mori-art-museum/
  6. ^ 東京新聞1月30日版
  7. ^ 週刊金曜日2013年3月1日号
  8. ^ 畳、クレオソート油、ラーメン、ご飯、その他食品、木工用ボンド、木材用水性防腐剤、油性ニス、卒塔婆、赤ちゃんよだれかけ、腰紐、ハンドバッグ、シリコン・コーキング剤、お花紙、街のゴミ、その他

関連項目[編集]

外部リンク[編集]