伏字
伏字、もしくは伏せ字(ふせじ)とは、何らかの目的で特定の文章全文、特定の単語、単語の一部の文字を記号などに置き換えた言葉を指す。
[編集] 概要
語句を伏せる目的には次のようなものが考えられる。
- 検閲や、名誉毀損とされることを避ける目的
- 上の目的を複雑化させ、名誉を損ねることを避けた上で言及すべく、「某社」「某氏」などのようにほのめかす、あるいはローマ字のイニシャルを使用するといったもの
- 他者の知的財産権の侵害を避ける目的[要出典]
- 単に一般的な語句が入るために空白にしているもの
- 一般公衆に伝えるには品位を損なうとして、マスメディアにおいて自主的に伏せる目的
- 主に文学作品などで、原稿が破れなどで欠落していたり、汚れなどで判読できなかった場合に代用する。その際はその旨を注記することが多い
- パスワードを入力する際、他人に読み取られるのを防ぐため(プロジェクタなどで出力し、公開する際、入力の場面が映し出されても読み取れなくなる)
- Googleなどの検索エンジンでヒットされにくくするため(ただし、検索エンジンも性能が向上し、多少の伏字や曖昧な表現も推測して検索できるため、効果は低い)
第二次世界大戦以前の日本では治安維持法下で思想統制が行われていた。思想書やプロレタリア文学のみならず、一般の小説等でも「社会主義」、「共産主義」、「無政府主義」といった語句は検閲を免れるために伏字とされることが多かった。
記号としては○や×、*などが多く使われる。記号の読み方として、「まるまる」、「ばつばつ」などが日本語では充てられることがある。また、関西地方の方言では○を「まる」、×を「ペケ」と呼ぶ。特に「ペケ」は横山やすしが好んで使っていた言葉である。×については他に「チョメチョメ」という言葉もあるが、これは、テレビ番組「アイ・アイゲーム」にて司会者の山城新伍が伏字を「チョメチョメ」と表現して流行語となったことが起源である。
また、印刷において足りない活字のスペースを確保するため、他の活字を伏せて植字する(上下さかさまに植字する)ことを伏字と呼ぶことがある。印刷の結果が下駄の歯(「〓」のような形)に見えることから下駄記号とも呼ぶ。
印刷技術の発達によって現在では活字による植字はほとんど行われていないが、他方、電子メディアにおいて文字集合の制約などで意図した文字が表示できない場合に伏字で補う場合がある。この伏字には「●」や記号「〓」などが多く使われているようである。後者は一般に「ゲタ」と呼ばれ、元々は活版印刷における文選の際、見当らない漢字に対して、取敢えず適当な活字を裏返しに差しておいたものが、そのまま印刷されたことから来た記号である。語句を隠す意図はないため、例えば「内田百〓(〓は門構えに月)」のように直後や文末に注を添えることが多い。
本来伏せる必要がない場面で面白半分に使われることもあり、その場合は元の単語や固有名詞が簡単に推測できるため、ほとんど無意味になっている。
例:
- 「ウィ○ペディア」のように途中の一文字だけを伏せる
- 「ウィ○ペディア」「ウィキペ○ィア」のように、出現の都度伏せる位置をずらすなど。
- 「某○○」の後ろに実名を全部書く
また、記号で伏せ字をする場合、意図的に伏せ字の位置や数を調整することで、読む側に本来のものとは全く異なる単語や固有名詞、無関係な別人などを誤想起させる事が可能な場合もある。また、このような例としてはダブルミーニング的な感じでも用いられる。